魔法を使えぬ魔法騎士〜家族を失った俺は復讐と旅をする〜

晴行

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Gドラゴン討伐

ギルドに入れない

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「こいつロイドさんも知らねえの!?」
「やっぱりロイドさんの言っていた噂は本当か」
「だな! こいつ一人でワイバーンを三体も倒せるわけがねえ」
「ロイドさんやっちまえ。調子に乗ったよそ者なんかぶっとばせ!」

 集まってきた冒険者らしき男たちに、俺とラナはあっという間に囲まれた。
 ラナは怯えて俺の足にしがみついて震えている。
 ちょっと待て。
 マジでロイドって誰なんだよ。
 目の前の雑魚メガネのことを言ってるのか?
 こいつがA級の魔術師……。
 まじか、本当に?
 A級の道化師の間違いじゃねえの?

「ふっふ。お前ら自己紹介をするから静かにしろ。俺はヤパンの生んだ麒麟児、天才魔術師ロイド。ロイド=パーセル。ロザリーナ様に悪い虫がついたと聞いてみれば……これはお笑いだ。本当に魔力が無いのだなお前は?」
「うん、俺は生まれつき魔力がねえんだ。話が終わったのでじゃあな」
「そうか可哀想に……じゃあ。って、まてまてまてい!! どこにいく!! まだまだ話は終わってないだろう!!」
「何だよ? 俺は正式に領主の許可を得てここに来た。お前が何者か知らんが、邪魔される筋合いがない」
「ロザリーナ様の目はお曇りだ。こんな雑魚をギルドに案内するなど……ふざけるな!! このロイドがいる限り、ペンフィールドのギルドの敷居はまたがせんぞ?」

 えっ、だりいな……なんだよこいつ。
 理由はわからんが、俺にむき出しの敵意を向けてくる。
 知らんがな。勝手にしてろや。
 無視して横を通ろうとしたところ、ロイドはボソリと呟いた。

「ふん。獣人の子供を盾にするようなクズに、俺が負けるはずがない」

 はいはい勝手に言ってなさい。
 俺は気にしなかったが、ラナはそうじゃなかったらしく。
 健気にもロイドの前に立ちはだかり、キッと見上げて睨み付けた。

「とりけしてください!」
「なっ……無礼だぞ。このロイドに向かって」
「とりけしてください! ごしゅじんさまは、わたしを盾になんてしてない!」
「うるさい!! 邪魔をするな!!」

 ロイドは腕を払い、ラナを小さな体を殴り飛ばす。
 そして、剣を抜いて斬りつけようとした。

「そこまでにしてくんねえかな」

 だが、ラナはすでに俺の腕に抱えられていた。
 もちろんロイドなんちゃらに殴られてはいない。
 ロイドは抜いてしまった剣と移動した俺たちを見合わせ目を白黒とまばたきして驚いた。
 ラナの姿がいきなり瞬間移動したように見えたからだな。
 __それがお前の限界だって言ってんだ。
 やれやれ、骨が折れる展開だ。
 馬鹿は死んでも治らない場合が多い。
「ひゃうんっ!?」
 俺は抱いているラナのもふもふ尻尾を撫でながら、適当な感じで言い放つ。

「戦ってもいいけど、お前死ぬけど?」
「ははは。愚かな。命が危険で危ないのはお前だ来訪者。このロイドに失礼を働いたことを詫びるのだな。決闘だ!! 皆を集めよ。力の差を見せつけてやる」
「はぁ……」
「ランドブルムの元魔法騎士団長がなんだ。俺の実力を試すいい機会だ。正々堂々と戦えクズが!」




 やる気でねえー。
 あっちはやる気満々なんだけどなー。
 殺していいんかな? ラナどう思う?
 

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