亜人種と俺

メバル

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【4】恩人たち

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 俺の名は建琉たける
 何の変哲もない人間だ。
 圧倒的な腕力もなく、圧倒的な魔力もなく、圧倒的な寿命もない。
 友達は何故か亜人種が多い。
 でも彼らは俺よりも長生きをし、俺の死を看取っていくのだろう。
 彼らと同じ風景をずーっと見ていたい……でもそれは叶わない。

 この世界には色んな種族がいる。最弱の人間。人間は最弱ではあるが最恐でもある。
 欲深く、執念深く、残忍だ。
 俺はそんな人間の1人ではあるが、最も嫌いな種族だ。

 俺は冤罪をかけられ、拷問され、町から追放された。

 死にかけていた所を彼らに助けてもらった。
 恩人であり友であり最愛の種族だ。
 偏見があるのは人間だけだ。
 彼ら亜人種は色眼鏡で相手を見ない。

 俺を助けて傷を癒し日々のお世話を無償でしてくれた。
 エルフのスレイ。
 スレイと俺は恋をしている。
 この里に住み始めて半年になる。
 エルフの寿命は300年。人間70年程度。
 俺は25歳。だが俺は持病で心臓が悪かった。
 スレイや友たちの1秒1秒が俺には宝物だ。
 これは俺の寿命が尽きるまでの物語。
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