結婚相談所を開業したら色々と濃い方々がきました ~お節介おばちゃんの結婚相談所~

ときわ

文字の大きさ
4 / 6

ドラマ③「マリ子さんは意思を伝えない」~自分を客観視しましょうね……いや、本当にね?~

しおりを挟む
 マリ子さんの母親から電話で面談の予約が有りまして、今日は面接日で母親とマリ子さんご本人がいらっしゃる予定ですが、父親も来られてびっくりしましたわ!

 本人のマリ子さんは身長170センチのモリモリと体格の良い方で、母親、父親の後から入って来られ、ちょこっと頭を下げられたようでした。

 その一瞬!ワタクシにとっては、ほとんど面接がなされたようなことです。
 『ああ、まだ躾がなされていないなあ』と、

母親を先頭に3人が部屋に入ってこられるなり早々に

「今日はマリちゃんと二人で来ようと思っていたのですが、主人が自分も行くと言い出して来てしまったのですよ!」

と、ご主人の前でおっしゃるではありませんか!2度びっくりしましたの。

当のご主人様はにこっと少し笑ってやはり娘マリ子さんと同じように、ちょこっと頭を下げていらっしゃいましたけど、ワタクシの方がバツの悪い思いでした。

「それは遠い所ご苦労様でした。有難うございます。マリ子さんは一人っ子でしたわね」

「はい、そうです。オホホホ、ですからしっかりした方をお願いしますわ」

と、これまた、母親が答えられたので

「いえ、すみませんが、マリ子さんにお聞きしているのですよ……」

「はい、そうですね」

と、また母親が云われたのでお互いに笑ってしまいました。父親は何も発せられなくただ黙っていらっしゃいますのよ、不思議だと思いました。

「ねえ、マリ子さんにお聞きしますけど、希望は公務員か医療関係とありますが、貴女は医療事務をされていますネ、マリ子さんのご希望の医療関係の方とはどの職種の方かしら?」

「はい……お医者様です」

 マリ子さんは、はっきり言われました。ワタクシ、この時初めて本人マリ子さんのお声をお聞きしましたわ。
 すると母親が即座に口をはさんできましたの

「ええ、やっぱり、しっかりしたお医者様がこちらにいらっしゃるかもしれないと思いまして一応希望はそう書いときなさいと云ったのですよ」

 そうなのです。このような類の考えの方多いのでございますのよ!

 結婚相談所に行けば、ひょっとして自分の理想の人が求められるのではないか?と、勘違いして来る人が居るのですねエ~
 しかも、自分の身の丈を分からないで、望みばかり大きい人がいるのですねエ~

 『結婚相談所は車やドレスを選ぶように好きなもの選びではないのよ!……反対に
自分を売り込まないといけないの!』という考えが根底にあるワタクシはマリ子さんに言いましたの

「マリ子さんのお勤めの病院にはドクターもいらっしゃいますよね。きっと入れ替わり立ち代わりお医者様はいつも身近にいらっしゃるでしょう?」
「はい、でも、あまり話さないのです……」
「そう、お話ししてみたら?」

 と、ワタクシが云いますとマリ子さんはか細い声で言った。

「そんな……きっかけがありません」
「きっかけは自分で作るのですよ、折角近くにいらっしゃるのでしょう?それが出来なかったら、ワタクシの所でも同じよ!」
「だって……」

 マリ子さんはうつむいてしまった。

「お医者様も選ぶ権利が多くありましてね。ワタクシの所でも、同じ職種の女医さんとか、薬剤師さんとかを先に選ばれるのですよ!
「……」
「じゃあ、無理ということですか?」

 母親が私にやや批判めいた視線を向けながら言ってきましたわ。

「恋愛だったら別ですけどね!うちでははっきりいって選ばれるのは無理でしょうね!」
「そこの所、先生のお力で何とかなりませんか?」
「いえ、それはできません。相手の希望もしっかり聞いてお世話するのですから……小さい結婚相談所と云えど、会員さんは多いので平等の精神で行かないと成り立ちませんのよ!」
「はあ、そうですか!?」

 と、母親は腑に落ちない様子で言う。

「そう、昔のお節介焼きおばちゃんと違いましてネ、一人だけをおせわするのではないのですよ!でも、一生懸命希望に沿うようにはしますよ!」

「先生、お願いします!」

 と、母親はすがるように云われますの!

「公務員も希望でいらっしゃいますけど、あたってみますよ。お父さんも小学校の先生退職でしたネ 」
(その割には横に座っている父親はしっくりとした対応が出来ないのはなぜ?)

「そうです。校長までしたのです。公務員だったら安心ですわね」

 と、母親が言いだしたのでそれで決着のようなものでしたの

 父親は相変わらず何を考えているのか、時々うなずいていらっしゃる。この時ワタクシはこの家族にはよほど説明して置くべきと考えだしましたの。

「結婚となると、お友達では済まされないし、難しいこともあるのですよ! たとえばマリ子さんの場合でしたら、背の低い方だったら、男ですから引け目を感じるかもしれないし、年齢の事、生活場所のこと、お互いの価値観等々いろいろ条件が出てきますから、ある程度の譲歩は必要ですよ!」
「そうですか、マリ子は一人娘だからあまり遠くでない方がいいのですが」
「一応、希望は聞いておきます。でも、最近は外国まで好んでいく人もいるのですよ」
「先生、冗談言わないで下さいよ!」
「そうです。冗談ですが、が、本当です!時代が変わってきているのです!」

 こうして、この時は、家族全員で面接に来られて、あまり満足でなくお帰りだったと思います。
 それから、しばらくして、3人の男性を郵便でご紹介しました。

 三人紹介した方は
 同じ医療関係の社会福祉士、病院の事務関係、同じ地区の会社員、でした。

しかし、マリ子さんからは早速、「今回はお断りします」との電話ありましたので、「今回はって、また次が簡単に無いかもしれませんよ!理由は?」と尋ねました。
 その時の理由は『何となく』という、とりとめのつかない返答でございましたが、ワタクシの推測では経済力とか、地位とか、だと思います。

 しばらくしてから、次に公務員の方の紹介でした。公務員の方はお会いしたいとの返事でしたが、マリ子さんからはお断りでした。

「あなた、公務員と希望したでしょう?」
「はい、でも、ぽっちゃりだから……」
「でも、マリ子さんもワタクシからみると十分にぽっちゃりよ!」

と、思わずワタクシ、言ってしまいました。どう感じたか?でも怒っているのか?それから、何回か電話をしてもいつも返答なく無視の状態になりましたのよ!

 ワタクシどもは小さい時から「挨拶とお返事はしっかりするのよ」と、それは厳しく親から云われて育ちましたのでネ! ちょっと哀しくなりますわ……!?

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...