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9.スイート・キング4
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* * *
夜中に、目がさめてしまった。
まっ暗だった。
「れいじさん?」
いない。手で、探った。
「どこ……?」
「祐奈」
「あっ」
廊下から、寝室に入ってくる気配がした。
「水を飲んでた。なに?」
「ううん……。いないから、びっくりしたの」
「ごめん」
礼慈さんが、ベッドに上がってきた。
「もう、ねますか?」
「うん。話したい?」
「うん……。ねむたい?」
「大丈夫」
声が、上から降ってくる。わたしのすぐ横に、座ったみたいだった。
「あのね、わたし……」
「うん」
「わたしの部屋にあるベッドを、ここに置きたいです」
「え」
「いやですか?」
「……どうだろう。やっぱり、狭かった?」
「そういうことじゃ、ないんですけど……。
あの部屋は、二人で使った方が、いいんじゃないかと思って」
「ああ……。ベッドが、邪魔っていう話?」
「はい」
「移動するのは、構わないけど。寝るのも、別ってこと?」
「それは、その時の、感じで……。
生理の時とかは、別の方が、気が楽です」
「そうか。じゃあ、そうしよう」
「今日は、くっついて寝たいです」
「うん。俺も」
礼慈さんが、寝そべった。手がのびてきて、だっこしてくれる。
わたしからも手をのばして、抱きついた。
すきまがないくらいに、ぴったりくっついてる。
こうして抱きあってると、安心できる。
……ううん。それだけじゃ、なかった。
礼慈さんの腕とか、かたい胸に、どきどきしてる。
あそこが、熱くなるのがわかった。
「明日は、お休みですよね」
「うん。連休だから」
「……したく、なっちゃった」
「いいの?」
「うん……」
「嬉しい」
二人で、服を脱いだ。
はしゃいでいた。
「礼慈さんのしたいように、して」
「してるよ。いつも」
「ううん。ら、らんぼうにしても、いい……」
「できるかな」
「できない?」
「もう、泣かせたくない。俺にとっては普通に思えることでも、君にとっては違うんだって、よく分かってきたから」
「でも……」
「何を気にしてるの?」
「わたしの経験が、少ないから。したくても、できないことって……ある?」
「あるよ」
「あるんだ……。ですよね。
それって、すごく……もうしわけないです」
「これまでの経験が違うんだから、当然のことだよ。
俺は、まっさらな君に夢中になった。君に、いろんな経験があったら、俺がしたいと思ったことに、すぐに応えてもらえたのかもしれないけど。
それはもう、君じゃない、別の誰かのような気がする。
君の経験が少ないのは、確かなんだから。無理をして、俺に合わせてもらうのは、おかしい」
「合わせるとか、そういうことじゃなくて……。
わたしのことを気にしてたら、あの……きもちよく、ならない、とか……」
「そんなこと、気にしないで。俺は、君を喜ばせたいだけだよ。
何でも言って。君の気に入るように、努力するから」
「れいじさん……」
心が、ぱあーっと明るくなった。
うれしかった。
礼慈さんは、やばい! 顔だけじゃなくて、心がイケメンすぎる。
すごく、すてきな人だって、いつも思ってる。今も。
「うれしい。しよう? はやく」
「ずいぶん、煽ってくるな……。テンションがおかしい」
「おかしくないです」
いつか、言わなくちゃ……。ほんとは、痛いって、思ってること。
でも、今夜はやめておこう。二人で、楽しみたいから。
「好き」って、いっぱい言った。いっぱい言われた。
ゆっくり、してもらった。
してる時も、終わってからも、幸せな気分だった。
抱きあって、キスをして、くっついていた。ずっと……。
夜中に、目がさめてしまった。
まっ暗だった。
「れいじさん?」
いない。手で、探った。
「どこ……?」
「祐奈」
「あっ」
廊下から、寝室に入ってくる気配がした。
「水を飲んでた。なに?」
「ううん……。いないから、びっくりしたの」
「ごめん」
礼慈さんが、ベッドに上がってきた。
「もう、ねますか?」
「うん。話したい?」
「うん……。ねむたい?」
「大丈夫」
声が、上から降ってくる。わたしのすぐ横に、座ったみたいだった。
「あのね、わたし……」
「うん」
「わたしの部屋にあるベッドを、ここに置きたいです」
「え」
「いやですか?」
「……どうだろう。やっぱり、狭かった?」
「そういうことじゃ、ないんですけど……。
あの部屋は、二人で使った方が、いいんじゃないかと思って」
「ああ……。ベッドが、邪魔っていう話?」
「はい」
「移動するのは、構わないけど。寝るのも、別ってこと?」
「それは、その時の、感じで……。
生理の時とかは、別の方が、気が楽です」
「そうか。じゃあ、そうしよう」
「今日は、くっついて寝たいです」
「うん。俺も」
礼慈さんが、寝そべった。手がのびてきて、だっこしてくれる。
わたしからも手をのばして、抱きついた。
すきまがないくらいに、ぴったりくっついてる。
こうして抱きあってると、安心できる。
……ううん。それだけじゃ、なかった。
礼慈さんの腕とか、かたい胸に、どきどきしてる。
あそこが、熱くなるのがわかった。
「明日は、お休みですよね」
「うん。連休だから」
「……したく、なっちゃった」
「いいの?」
「うん……」
「嬉しい」
二人で、服を脱いだ。
はしゃいでいた。
「礼慈さんのしたいように、して」
「してるよ。いつも」
「ううん。ら、らんぼうにしても、いい……」
「できるかな」
「できない?」
「もう、泣かせたくない。俺にとっては普通に思えることでも、君にとっては違うんだって、よく分かってきたから」
「でも……」
「何を気にしてるの?」
「わたしの経験が、少ないから。したくても、できないことって……ある?」
「あるよ」
「あるんだ……。ですよね。
それって、すごく……もうしわけないです」
「これまでの経験が違うんだから、当然のことだよ。
俺は、まっさらな君に夢中になった。君に、いろんな経験があったら、俺がしたいと思ったことに、すぐに応えてもらえたのかもしれないけど。
それはもう、君じゃない、別の誰かのような気がする。
君の経験が少ないのは、確かなんだから。無理をして、俺に合わせてもらうのは、おかしい」
「合わせるとか、そういうことじゃなくて……。
わたしのことを気にしてたら、あの……きもちよく、ならない、とか……」
「そんなこと、気にしないで。俺は、君を喜ばせたいだけだよ。
何でも言って。君の気に入るように、努力するから」
「れいじさん……」
心が、ぱあーっと明るくなった。
うれしかった。
礼慈さんは、やばい! 顔だけじゃなくて、心がイケメンすぎる。
すごく、すてきな人だって、いつも思ってる。今も。
「うれしい。しよう? はやく」
「ずいぶん、煽ってくるな……。テンションがおかしい」
「おかしくないです」
いつか、言わなくちゃ……。ほんとは、痛いって、思ってること。
でも、今夜はやめておこう。二人で、楽しみたいから。
「好き」って、いっぱい言った。いっぱい言われた。
ゆっくり、してもらった。
してる時も、終わってからも、幸せな気分だった。
抱きあって、キスをして、くっついていた。ずっと……。
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