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第2章 推理と虚実
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先生が園長先生を呼びに言った。○達はお遊戯会をした部屋に集められる。あれ?△がいない。○は△を探しに舞台の横のドアからこっそりと抜け出す。非常階段を降り、校庭の横のウサギ小屋へ向かう。目の前に広がる、赤い光景。なんだ?赤の中に白い毛のようなものが散らばっている。横にあるのは石?いや顔だ。頭、、バラバラだ。血だ。嘘だ。嘘だ。これは、、この物体はうさぎ、、みーちゃんだ。誰がやった?「へへっ、やっちゃった。」非常階段の方から声がする。振り向いたら、そこには、△がいた。「見ちゃった?」「どうして?」○は怯えた。膝下は赤く染まっている。みーちゃんの血?しかし、よく見ると△は泣いている。先生だ。しかし、ここは園の端。建物の影。先生を呼ばないと。「先せ、、」○の言葉を遮るように△は問いかける。「先生に言うの?」「言うよ!」○は怒った。「△がやったんじゃないよ。」△は言う。「じゃあ誰?」○は問いかけた。「◾️◾️◾️◾️◾️。」
※
会議が始まった。「よし!静かにして。」そう岩田が言うと。クラスが段々と静かになっていった。「今から、今回の殺人事件についてのクラス会議を行ないます。はい!司会の本田くん!頼んだよ!」そこまで岩田が言った。僕は岩田に渡された台本どうり話を進めた。「まず最初に出席番号1番、相田さん、、休みですね。2番新田君、、休みですね。3番、飯田君お願いします。」そう話を振った。会議は岩田の計画通り、一人一人が意見を出していくスタイルだ。「えー僕はぁ。このことについては全く関わっていませんが。霧島君が死んだことはとてもショックを受けました。そして、僕なりの推理はやはり、関本先生なのではないかと思います。なぜなら、僕達は関本先生が血だらけだったのを見ているからです。返り血を浴びたとしか思えません。」飯田君は中腰のままそう話し、恥ずかしそうに静かに座った。「俺も」というような声が響いた。たしかに関本先生は血だらけだった。それに加え、先生は霧島の死を笑っていた。初っ端から明確で的確な意見が会議を切り裂いた。「それは、違うんじゃないかな」椅子の足が床をする音ともに澄んだ声が響いた。14番の田畑だ。「先生はたしかに血を浴びていたけれど、心臓をナイフで刺しただけで最初から赤だったように見えるくらいにカッターシャツは染まるものなのかな。」そう言い、皆の意見を伺うように立ち尽くした。「あ、俺ニュースで見たけど心臓を一回刺した時点で霧島は死んでたらしい。死んだ後に23回全身のいろんな場所に刺されてたって。だから、犯人は明らかに強い殺意があったって。普段から先生は霧島に困らされてたんだから、もぅ先生しかありえないっしょ」持っていたスマホを机に軽く投げ、安田が言った。田畑は「あ、そう」と小声で言いながらゆっくり座った。会議は早々に結論を出し始めていた。今、皆が知っている情報の限り犯人は先生しかあり得ないことが再確認されただけだ。しばらく、沈黙が続く。「お、俺さー」岩田がそう言いながら立ち上がった。「ちょっと前に夜ランニングしてたら見たんだ。あの、猫の事件の現場。」クラスは一気に湧いた。「嘘だろ?」「マジで?」そんな声が響く。「顔は見えなかったけど、黒いフード付きの服を着てて、ちょうど首を切ってた。」岩田は戸惑いながらも、淡々と話した。女子達からはかわいそうなどというありふれた声があがる。「その話なんだけどさ!」高橋が立ち上がった。「A幼稚園の子なら分かると思うけど、みーちゃん。覚えてる?」そう言うと、卒園者は記憶を蘇らせ、青ざめた。「似てない?あの事件と、あ、知らない人に説明するけどー」高橋は自分が探偵にでもなったかのように空気を読まずスラスラと話し続ける。「それは絶対ない。」岩田は高橋が喋っている途中なのに割り込んだ。「なんで?」高橋は問いかけた。「だって、俺が見た犯人は大きかった。もしも、あの事件と同一犯だとすれば、先生の可能性を除き、俺らと同級生しかあり得ないことになるだろ。俺らみたいな子供じゃなかった。犯人は。」「なんで、俺らだけなの?上の学年もあり得るだろ?」高橋はまた問いかけた。「いや、あの時インフルで上の学年は学級閉鎖だった。」僕は反射的に情報を追加した。「委員長はまだしも、よく覚えてんな岩田」高橋は皮肉めいた言い方でそう言いながら座った。「おぉ!うんこの好きな人は1組の斉木?」「お前!言うなよ!それと、その呼び方やめろ!」槙野と中村とその他の野球部男子が全く関係のない話で盛り上がっていた。うんことは中村英登のことらしいが、理由は知らない。そういった謎のノリなんだろう。「ちょっと!参加しなよ!」杉野がそのグループへ言う。「お、うんこ!なんか言われてるぞ」矢野が言う。「だから、うんこって言うなよ。あ、ごめん杉野!」中村はそう言いながら、グループの背中をトントンとし、会議に参加した。「あのさ、さっきから聞いてたけどみんな、それぞれが言うこと。いや、特に新情報を出してくる岩田の言うことが全部真実とは限らないと思うよ。だって、」中村は椅子を運びながら言う。「岩田の言うこと自体が嘘だとすれば、十分にあり得ると思うよ。このクラスの中にみーちゃんとか言うウサギ殺しの犯人がいることも」そう言いながら、中村は岩田に視線を向けた。
※
俺の名前は岩田蓮。事件の次の日は、移動授業以外自習になった。その日登校した生徒は、少なかった。犯人が誰か分からない状態では妥当な対処とも言えるだろう。自習の時間。クラスは一部を除き静かだった。俺はクラスのみんなは何に対して落ち込んでいるのだろうか考えた。1つは、霧島弥が死んだことについて。他はなんだ?関本先生が逮捕されたことか?それとも、皆自分が殺されないかビビっているのか?分からない。その時の俺には分からなかった。だからこそ知りたかった。このクラスの雰囲気を打開する方法を。高橋と立花が喧嘩を始めた時「みんな!関本先生はきっと犯人じゃないよ!!だからさ!クラス裁判、、いや、クラス会議を開こう!犯人がこのなかにいないのは当たり前だと思うけど、、みんなで話し合って、推理して、、関本先生を警察から取り返そうよ!!」と提案した。
その時からクラス会議への準備は着々と進められた。クラス全員が前向きではなかったが、準備の過程の中でクラスが少し元気になったように感じて嬉しかった。クラスの絆を傷つける、彼は死んだ。正直俺にとって彼は邪魔だった。クラス会議準備中、宿題マシンの本田正仁が話しかけてきた。「また、今度映画見に行かない?今やってるあの映画すっごく面白そうじゃん?」本田は俺に向かって言った。「お?いいよ!!あの映画でしょ?面白いらしいしね!!」こんな感じで返した。もちろん行く気なんてさらさらない。「会議って具体的にどんなことをするの?」本田がまた質問してきた。 それもめんどくさい質問だ。このままじゃ、クラスの好感度を狙うため大口を叩いたのがバレてしまう。「えーと、、その、事件についてどう思ったかとかさ、何か知ってることをそれぞれ発表していくんだよ。」耐えた。これで大丈夫だろう。そう思った。しかし、「それで、関本先生を助ける術を掴めるの?」と本田は言った。俺は何も言えなくなった。その的確で芯をつくような質問に動揺し、それに対応する言葉を考えるより先に本田へのイラつきで頭の中がいっぱいになったからだ。ウザい質問をしやがって、インキャのくせに。「え、映画はいつ観に行く?」この状況を抜けるためだ仕方ない、見に行ってやろう。「そうだね。今度の土曜日はどうだろう?」本田はさっきの質問を投げ捨てたように話に食いついてきた。「それでさ、その映画がさ、、」本田は映画について楽しそうに語り始めた。俺は適当に相槌を打ちながら受け流す。ダルい。めんどくさい。そう思いながら。その日は本田とのめんどくさい会話で放課後を迎えたように感じた。放課後、いつものように楽しくもないが、得意な陸上に没頭する。最近良いタイムは出ていない。良いタイムが出ていないとはいえ、俺に勝てる奴はこの市内にはいないだろう。靴紐を締め、正面だけを向いて脚を前へ前へと突き出す。聞こえる横で練習するバレー部の女子達の歓声は気持ちいいどころか飽きた。いつも、監督である山田は女子にキャーキャー言われる俺への嫉妬なのかきつく叱る。「ってめぇ!最近甘ったれてんじゃねえだろうな!調子にのんじゃねぇぞ!」うるさい。黙れ。喋るな。消えろ。ゴミ。クズ。デブ。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね、、、、、、俺はいつも家に帰るとその愚痴ノートに赤字で悪口から殺すとしたらどう殺すかまでを書き綴る。気持ちがいい。最高だ。体育教師の山田の次は今日めんどくさい質問をしてきた本田だ。キモい。ウザい。面白くない。死ね。死ね。死ね死ね、、この、赤いボールペンの紙と擦れる音。やみつきだった。その時、ふと思い出した。この愚痴ノートを学校に持っていった時、落としたことがあった。俺はあの時1年生の1学期、入学したての時だ。俺はその日、教室で朝、教科書を机の中に入れる時気がついたんだった。落としていることを。でも、あれ?誰だったっけ、、放課後、部活中に突然やってきて、「これ、君のでしょ。」と言って渡してくれた。思い出せない。誰だったっけか。俺は突然恐怖に駆り立てられた。俺のこの薔薇のような青春をいつでもぶち壊せる奴が学校に一人、いるかもしれないことに。俺は自室で勉強机の光しかない薄暗い空間の中、勢いよく立ち上がった。ローラ付きの椅子は部屋の角へと転がっていく。「誰だ!殺してやる!!」俺はいつもとは低い声で叫んだ。ドンドンドン、一階から親が上がって来ながら「え?蓮?なんか言った?」と言った。俺はふっと我に返って、「え?なんも言ってないよ?」と言った。危ない。握りしめた拳とカッターシャツは冬なのにもかかわらず汗でビショビショだった。自分でもびっくりするほど焦っていた。積み上げたものが崩れ去るかもしれない恐怖を感じていたように思う。俺はその時から死んだ霧島のことなんかどうでもよくなった。ただあの日、あの時俺のノートを見たかもしれない人物が誰かを探し続ける日々がスタートした。どうしようか考える。しかし、考えれば考えるほど、恐怖に駆られ、また会議の中でそいつを見つけ出すのは不可能に近いことを思い知ることになった。怖い。見つけ出したら殺す。絶対殺す。
※
「別に信用しろと言うわけじゃないけど、俺は真実しかいってないよ。」岩田は中村に言った。「まぁ、そうだろうな。ごめんごめん!ちょっとカッコつけたかっただけ!」中村は微笑みながら椅子に座った。「ちょ、カッコつけんなうんこ」槙野が言う。周りの男子が笑う。「じゃあ、気を取り直して、4番の飯仲さん」僕は笑う男子達を無視して、話を振った。「えっと、その犯人は先生だけだとは思いません。えっと、」飯仲は迷いつつ話す。「もう!いいじゃん?言っちゃいなって!いぃ!」隣の山中が飯仲の背中を叩きながら言う。いぃとは飯仲のニックネームだ。「犯人は!岩田君だと思います!!」そう言いながら飯仲は岩田を指差した。クラスからは「えぇ?!」と言った声が上がる。「どうしてですか?」僕は思わず聞いた。「だって、霧島君が殺された時間は私達が避難訓練をしていた時だと思うんです。」その通りだ。霧島がいなくなったのは、朝学活途中だったが、僕が保健室に行く途中、渡り廊下から屋上が見えるがその時はまだ霧島はいなかった。おそらくトイレにいたのだろう。現在、屋上にはまだブルーシートで囲いがしてあることから、殺されてから屋上に運ばれた可能性は0。だから、霧島が殺されたのは僕が保健室に行った時から避難訓練が終わるまでの間。「私、避難訓練で体育館に集まった時、先頭の岩田君がトイレに行ったのを覚えてるんです。結局、岩田君は教頭先生の話が終わるまで帰ってきませんでした。先生は避難訓練どころか、朝学活以来見てませんでしたが岩田君のトイレの長さは少し違和感を感じました。」飯仲はさっきの迷いを振り切ったようにスラスラと話して、すぐに座った。「じゃあ、岩田が犯人なんじゃねえの?」槙野が笑いながら言う。「でも、」岩田は立ち上がった。「そう考えると、中村と槙野もあり得るよね。あの時中村と槙野、避難訓練中にゲラゲラ笑って山田先生に連れていかれてたじゃん。避難訓練中に団体から外れてるのは俺だけじゃないはずだよ。あ、それと委員長。」岩田は何故か大勢の前では僕のことを本田ではなく委員長と呼ぶ。「あ、そうだった。すまぬすまぬ~」槙野は自分の頭を摩りながら、浅くお辞儀した。「でも、俺らは教頭の話の途中には体育館に帰ってきたぞ。あ、ちげぇ俺だけだ。」槙野は続けて喋る。「お!うんこ!お前が犯人か?!」「いや、確かに俺は怒られた後、トイレに寄ったけど。そんだけだよ。」中村は手を振りながら言う。「俺は、槙野と一緒に山田に怒られた後、槙野には先に行ってろと言って、トイレに寄った。ほんと、そんだけ。」中村は改めてしっかりと説明した。そうして、また振り出しに戻った。「もう、山田なんじゃね?!」槙野は笑いながら冗談を言う。「もぅ、関本先生だろ!」中村が言った。
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私の名前は関本綾。2年10組の担任をしています。私は幼少期、あまり明るい性格ではありませんでした。だからといってクラスでいじめられると言ったことはなかったけれど、私はまるで空気でした。クラスのみんなは私をニックネームでも呼び捨てにもせず、関本さんと呼びました。そのことに私はみんなとの距離を感じていました。けれど、私は自分が空気であることも、みんなとの距離も全く気にはならず、むしろ居心地が良かった。すると、担任の先生がある日突然「え~、関本のことだが、みんな仲良くしてるか?先生は仲間外れとか大嫌いだ。」朝学活の出来事。先生はそう言った。その一言から、クラスのみんなは私が勝手な被害妄想をして先生に言いつけたと思い込んだのかいじめが始まった。いじめといったって、殴られたり蹴られたり、落書きされたり、破られたりするわけじゃない。一方的に無視されるのだ。正直、客観的に見ればこれまでとあまり変わったように見えないかもしれないけど、あの一言のせいで私の感覚は反転してしまった。この出来事が先生になろうとしたきっかけなのかもしれない。私は特になりたいものがなかったせいか、当時の先生みたいな人には絶対になりたくないと思い、良い先生になろうと思いました。そして、たくさん勉強して先生になりました。最初のクラスは1年10組でした。委員長は1学期からずっと本田君がしてくれました。クラスはとても穏やかな感じ、ヤンキーと呼ばれるような子は一人もいませんでした。まさに最初に相応しいクラスで、私は教師としての経験を着々と身につけました。1年生の時は、霧島弥君は1年1組で、教室は階ごと違うので、見たことはありませんでしたが、数々の不祥事は教員会議で聞いていました。次の年、彼は私のクラスになりました。委員長だった本田君と新田君と杉田さんと飯仲さんは引き続き、私のクラスとなりました。2年目も本田君は委員長を続投しました。あの静かだった新田君は霧島君に影響を受け、私に反抗するようになりました。霧島君はいつも私に暴言を吐き、時に殴りかかりました。でも、私は教師が言うべきことだけを言い、他は何も言わずに耐えました。そんなある日、数学のプリントを採点していると、横中さんのプリントにメッセージが書いてありました。「先生は、クラスが霧島君達のせいで無茶苦茶なのにどうして何も言わないんですか。ほんとに無関心で冷酷ですね。先生、嫌われてますよ。」私は、そのメッセージをみて思いました。無視してるじゃない、無関心なんかじゃない。我慢してあげてるんだと。うるさいと。私は、自分の机のライトだけの真っ暗な職員室で叫びながらクラス全員のプリントを破きました。その日から私はストレスを感じ始めました。週に2.3回、ストレスに身を任せ、プリントを破りました。すると、その現場をクラスの犯人aに見られました。私はその子に明日のことについて聞かれました。私は戸惑いながらも「あぁあ、明日は不審者想定の避難訓練だよ、、」と返事をし、「先生、物に当たっちゃダメですよ」と犯人aは言って去って行きました。次の日、避難訓練が始まった頃、屋上に行きました。霧島君を呼びに行ったんです。屋上に行く途中、学ランを着た男子生徒が階段を勢いよく降りていくのが見えました。私の見る限り、犯人aでした。屋上に着き、サビ切った重いドアを開けると、背後から心臓を刺され倒れている霧島君を見つけました。ナイフは刺しっぱなしで、地面には真っ赤な血溜まりが出来ていました。わたしは「霧島君!大丈夫!!」そう言いながら、息をしているか確認するためにも彼を抱き上げました。その時、息をしてないのを確認しました。その瞬間、私に溜まりきっていたストレスが頭の中を駆け巡りました。全ての原因はこいつだ。そんな声が聞こえてきたように感じました。私は抱いていた霧島君を勢いよく倒し、心臓のナイフを抜き取って何回も何回も刺して刺して刺しまくりました。霧島君の全身が傷穴でボコボコになった頃、私は、ナイフを屋上の端に投げ、霧島君を踏み付けて屋上を後にしました。その頃避難訓練はもう終わっていて、私はクラスのみんなに報告しに行こうと思いました。霧島君が死んだことを。10組に向かうまでに沢山の悲鳴が聞こえましたが、気になりませんでした。その時、思わず笑い出してしまいました。霧島君を刺している時を思い出して。「ちょっと待て!」警察官の声がした。そうだ。今は事情聴取中だった。「その犯人aは誰だ?」警察官は机を叩きながら聞いた。「ふ、ふはは」「何笑ってる!早く教えろ!!」「教えませんよ。だってその方がきっと面白いでしょうから。」
先生が園長先生を呼びに言った。○達はお遊戯会をした部屋に集められる。あれ?△がいない。○は△を探しに舞台の横のドアからこっそりと抜け出す。非常階段を降り、校庭の横のウサギ小屋へ向かう。目の前に広がる、赤い光景。なんだ?赤の中に白い毛のようなものが散らばっている。横にあるのは石?いや顔だ。頭、、バラバラだ。血だ。嘘だ。嘘だ。これは、、この物体はうさぎ、、みーちゃんだ。誰がやった?「へへっ、やっちゃった。」非常階段の方から声がする。振り向いたら、そこには、△がいた。「見ちゃった?」「どうして?」○は怯えた。膝下は赤く染まっている。みーちゃんの血?しかし、よく見ると△は泣いている。先生だ。しかし、ここは園の端。建物の影。先生を呼ばないと。「先せ、、」○の言葉を遮るように△は問いかける。「先生に言うの?」「言うよ!」○は怒った。「△がやったんじゃないよ。」△は言う。「じゃあ誰?」○は問いかけた。「◾️◾️◾️◾️◾️。」
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会議が始まった。「よし!静かにして。」そう岩田が言うと。クラスが段々と静かになっていった。「今から、今回の殺人事件についてのクラス会議を行ないます。はい!司会の本田くん!頼んだよ!」そこまで岩田が言った。僕は岩田に渡された台本どうり話を進めた。「まず最初に出席番号1番、相田さん、、休みですね。2番新田君、、休みですね。3番、飯田君お願いします。」そう話を振った。会議は岩田の計画通り、一人一人が意見を出していくスタイルだ。「えー僕はぁ。このことについては全く関わっていませんが。霧島君が死んだことはとてもショックを受けました。そして、僕なりの推理はやはり、関本先生なのではないかと思います。なぜなら、僕達は関本先生が血だらけだったのを見ているからです。返り血を浴びたとしか思えません。」飯田君は中腰のままそう話し、恥ずかしそうに静かに座った。「俺も」というような声が響いた。たしかに関本先生は血だらけだった。それに加え、先生は霧島の死を笑っていた。初っ端から明確で的確な意見が会議を切り裂いた。「それは、違うんじゃないかな」椅子の足が床をする音ともに澄んだ声が響いた。14番の田畑だ。「先生はたしかに血を浴びていたけれど、心臓をナイフで刺しただけで最初から赤だったように見えるくらいにカッターシャツは染まるものなのかな。」そう言い、皆の意見を伺うように立ち尽くした。「あ、俺ニュースで見たけど心臓を一回刺した時点で霧島は死んでたらしい。死んだ後に23回全身のいろんな場所に刺されてたって。だから、犯人は明らかに強い殺意があったって。普段から先生は霧島に困らされてたんだから、もぅ先生しかありえないっしょ」持っていたスマホを机に軽く投げ、安田が言った。田畑は「あ、そう」と小声で言いながらゆっくり座った。会議は早々に結論を出し始めていた。今、皆が知っている情報の限り犯人は先生しかあり得ないことが再確認されただけだ。しばらく、沈黙が続く。「お、俺さー」岩田がそう言いながら立ち上がった。「ちょっと前に夜ランニングしてたら見たんだ。あの、猫の事件の現場。」クラスは一気に湧いた。「嘘だろ?」「マジで?」そんな声が響く。「顔は見えなかったけど、黒いフード付きの服を着てて、ちょうど首を切ってた。」岩田は戸惑いながらも、淡々と話した。女子達からはかわいそうなどというありふれた声があがる。「その話なんだけどさ!」高橋が立ち上がった。「A幼稚園の子なら分かると思うけど、みーちゃん。覚えてる?」そう言うと、卒園者は記憶を蘇らせ、青ざめた。「似てない?あの事件と、あ、知らない人に説明するけどー」高橋は自分が探偵にでもなったかのように空気を読まずスラスラと話し続ける。「それは絶対ない。」岩田は高橋が喋っている途中なのに割り込んだ。「なんで?」高橋は問いかけた。「だって、俺が見た犯人は大きかった。もしも、あの事件と同一犯だとすれば、先生の可能性を除き、俺らと同級生しかあり得ないことになるだろ。俺らみたいな子供じゃなかった。犯人は。」「なんで、俺らだけなの?上の学年もあり得るだろ?」高橋はまた問いかけた。「いや、あの時インフルで上の学年は学級閉鎖だった。」僕は反射的に情報を追加した。「委員長はまだしも、よく覚えてんな岩田」高橋は皮肉めいた言い方でそう言いながら座った。「おぉ!うんこの好きな人は1組の斉木?」「お前!言うなよ!それと、その呼び方やめろ!」槙野と中村とその他の野球部男子が全く関係のない話で盛り上がっていた。うんことは中村英登のことらしいが、理由は知らない。そういった謎のノリなんだろう。「ちょっと!参加しなよ!」杉野がそのグループへ言う。「お、うんこ!なんか言われてるぞ」矢野が言う。「だから、うんこって言うなよ。あ、ごめん杉野!」中村はそう言いながら、グループの背中をトントンとし、会議に参加した。「あのさ、さっきから聞いてたけどみんな、それぞれが言うこと。いや、特に新情報を出してくる岩田の言うことが全部真実とは限らないと思うよ。だって、」中村は椅子を運びながら言う。「岩田の言うこと自体が嘘だとすれば、十分にあり得ると思うよ。このクラスの中にみーちゃんとか言うウサギ殺しの犯人がいることも」そう言いながら、中村は岩田に視線を向けた。
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俺の名前は岩田蓮。事件の次の日は、移動授業以外自習になった。その日登校した生徒は、少なかった。犯人が誰か分からない状態では妥当な対処とも言えるだろう。自習の時間。クラスは一部を除き静かだった。俺はクラスのみんなは何に対して落ち込んでいるのだろうか考えた。1つは、霧島弥が死んだことについて。他はなんだ?関本先生が逮捕されたことか?それとも、皆自分が殺されないかビビっているのか?分からない。その時の俺には分からなかった。だからこそ知りたかった。このクラスの雰囲気を打開する方法を。高橋と立花が喧嘩を始めた時「みんな!関本先生はきっと犯人じゃないよ!!だからさ!クラス裁判、、いや、クラス会議を開こう!犯人がこのなかにいないのは当たり前だと思うけど、、みんなで話し合って、推理して、、関本先生を警察から取り返そうよ!!」と提案した。
その時からクラス会議への準備は着々と進められた。クラス全員が前向きではなかったが、準備の過程の中でクラスが少し元気になったように感じて嬉しかった。クラスの絆を傷つける、彼は死んだ。正直俺にとって彼は邪魔だった。クラス会議準備中、宿題マシンの本田正仁が話しかけてきた。「また、今度映画見に行かない?今やってるあの映画すっごく面白そうじゃん?」本田は俺に向かって言った。「お?いいよ!!あの映画でしょ?面白いらしいしね!!」こんな感じで返した。もちろん行く気なんてさらさらない。「会議って具体的にどんなことをするの?」本田がまた質問してきた。 それもめんどくさい質問だ。このままじゃ、クラスの好感度を狙うため大口を叩いたのがバレてしまう。「えーと、、その、事件についてどう思ったかとかさ、何か知ってることをそれぞれ発表していくんだよ。」耐えた。これで大丈夫だろう。そう思った。しかし、「それで、関本先生を助ける術を掴めるの?」と本田は言った。俺は何も言えなくなった。その的確で芯をつくような質問に動揺し、それに対応する言葉を考えるより先に本田へのイラつきで頭の中がいっぱいになったからだ。ウザい質問をしやがって、インキャのくせに。「え、映画はいつ観に行く?」この状況を抜けるためだ仕方ない、見に行ってやろう。「そうだね。今度の土曜日はどうだろう?」本田はさっきの質問を投げ捨てたように話に食いついてきた。「それでさ、その映画がさ、、」本田は映画について楽しそうに語り始めた。俺は適当に相槌を打ちながら受け流す。ダルい。めんどくさい。そう思いながら。その日は本田とのめんどくさい会話で放課後を迎えたように感じた。放課後、いつものように楽しくもないが、得意な陸上に没頭する。最近良いタイムは出ていない。良いタイムが出ていないとはいえ、俺に勝てる奴はこの市内にはいないだろう。靴紐を締め、正面だけを向いて脚を前へ前へと突き出す。聞こえる横で練習するバレー部の女子達の歓声は気持ちいいどころか飽きた。いつも、監督である山田は女子にキャーキャー言われる俺への嫉妬なのかきつく叱る。「ってめぇ!最近甘ったれてんじゃねえだろうな!調子にのんじゃねぇぞ!」うるさい。黙れ。喋るな。消えろ。ゴミ。クズ。デブ。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね、、、、、、俺はいつも家に帰るとその愚痴ノートに赤字で悪口から殺すとしたらどう殺すかまでを書き綴る。気持ちがいい。最高だ。体育教師の山田の次は今日めんどくさい質問をしてきた本田だ。キモい。ウザい。面白くない。死ね。死ね。死ね死ね、、この、赤いボールペンの紙と擦れる音。やみつきだった。その時、ふと思い出した。この愚痴ノートを学校に持っていった時、落としたことがあった。俺はあの時1年生の1学期、入学したての時だ。俺はその日、教室で朝、教科書を机の中に入れる時気がついたんだった。落としていることを。でも、あれ?誰だったっけ、、放課後、部活中に突然やってきて、「これ、君のでしょ。」と言って渡してくれた。思い出せない。誰だったっけか。俺は突然恐怖に駆り立てられた。俺のこの薔薇のような青春をいつでもぶち壊せる奴が学校に一人、いるかもしれないことに。俺は自室で勉強机の光しかない薄暗い空間の中、勢いよく立ち上がった。ローラ付きの椅子は部屋の角へと転がっていく。「誰だ!殺してやる!!」俺はいつもとは低い声で叫んだ。ドンドンドン、一階から親が上がって来ながら「え?蓮?なんか言った?」と言った。俺はふっと我に返って、「え?なんも言ってないよ?」と言った。危ない。握りしめた拳とカッターシャツは冬なのにもかかわらず汗でビショビショだった。自分でもびっくりするほど焦っていた。積み上げたものが崩れ去るかもしれない恐怖を感じていたように思う。俺はその時から死んだ霧島のことなんかどうでもよくなった。ただあの日、あの時俺のノートを見たかもしれない人物が誰かを探し続ける日々がスタートした。どうしようか考える。しかし、考えれば考えるほど、恐怖に駆られ、また会議の中でそいつを見つけ出すのは不可能に近いことを思い知ることになった。怖い。見つけ出したら殺す。絶対殺す。
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「別に信用しろと言うわけじゃないけど、俺は真実しかいってないよ。」岩田は中村に言った。「まぁ、そうだろうな。ごめんごめん!ちょっとカッコつけたかっただけ!」中村は微笑みながら椅子に座った。「ちょ、カッコつけんなうんこ」槙野が言う。周りの男子が笑う。「じゃあ、気を取り直して、4番の飯仲さん」僕は笑う男子達を無視して、話を振った。「えっと、その犯人は先生だけだとは思いません。えっと、」飯仲は迷いつつ話す。「もう!いいじゃん?言っちゃいなって!いぃ!」隣の山中が飯仲の背中を叩きながら言う。いぃとは飯仲のニックネームだ。「犯人は!岩田君だと思います!!」そう言いながら飯仲は岩田を指差した。クラスからは「えぇ?!」と言った声が上がる。「どうしてですか?」僕は思わず聞いた。「だって、霧島君が殺された時間は私達が避難訓練をしていた時だと思うんです。」その通りだ。霧島がいなくなったのは、朝学活途中だったが、僕が保健室に行く途中、渡り廊下から屋上が見えるがその時はまだ霧島はいなかった。おそらくトイレにいたのだろう。現在、屋上にはまだブルーシートで囲いがしてあることから、殺されてから屋上に運ばれた可能性は0。だから、霧島が殺されたのは僕が保健室に行った時から避難訓練が終わるまでの間。「私、避難訓練で体育館に集まった時、先頭の岩田君がトイレに行ったのを覚えてるんです。結局、岩田君は教頭先生の話が終わるまで帰ってきませんでした。先生は避難訓練どころか、朝学活以来見てませんでしたが岩田君のトイレの長さは少し違和感を感じました。」飯仲はさっきの迷いを振り切ったようにスラスラと話して、すぐに座った。「じゃあ、岩田が犯人なんじゃねえの?」槙野が笑いながら言う。「でも、」岩田は立ち上がった。「そう考えると、中村と槙野もあり得るよね。あの時中村と槙野、避難訓練中にゲラゲラ笑って山田先生に連れていかれてたじゃん。避難訓練中に団体から外れてるのは俺だけじゃないはずだよ。あ、それと委員長。」岩田は何故か大勢の前では僕のことを本田ではなく委員長と呼ぶ。「あ、そうだった。すまぬすまぬ~」槙野は自分の頭を摩りながら、浅くお辞儀した。「でも、俺らは教頭の話の途中には体育館に帰ってきたぞ。あ、ちげぇ俺だけだ。」槙野は続けて喋る。「お!うんこ!お前が犯人か?!」「いや、確かに俺は怒られた後、トイレに寄ったけど。そんだけだよ。」中村は手を振りながら言う。「俺は、槙野と一緒に山田に怒られた後、槙野には先に行ってろと言って、トイレに寄った。ほんと、そんだけ。」中村は改めてしっかりと説明した。そうして、また振り出しに戻った。「もう、山田なんじゃね?!」槙野は笑いながら冗談を言う。「もぅ、関本先生だろ!」中村が言った。
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私の名前は関本綾。2年10組の担任をしています。私は幼少期、あまり明るい性格ではありませんでした。だからといってクラスでいじめられると言ったことはなかったけれど、私はまるで空気でした。クラスのみんなは私をニックネームでも呼び捨てにもせず、関本さんと呼びました。そのことに私はみんなとの距離を感じていました。けれど、私は自分が空気であることも、みんなとの距離も全く気にはならず、むしろ居心地が良かった。すると、担任の先生がある日突然「え~、関本のことだが、みんな仲良くしてるか?先生は仲間外れとか大嫌いだ。」朝学活の出来事。先生はそう言った。その一言から、クラスのみんなは私が勝手な被害妄想をして先生に言いつけたと思い込んだのかいじめが始まった。いじめといったって、殴られたり蹴られたり、落書きされたり、破られたりするわけじゃない。一方的に無視されるのだ。正直、客観的に見ればこれまでとあまり変わったように見えないかもしれないけど、あの一言のせいで私の感覚は反転してしまった。この出来事が先生になろうとしたきっかけなのかもしれない。私は特になりたいものがなかったせいか、当時の先生みたいな人には絶対になりたくないと思い、良い先生になろうと思いました。そして、たくさん勉強して先生になりました。最初のクラスは1年10組でした。委員長は1学期からずっと本田君がしてくれました。クラスはとても穏やかな感じ、ヤンキーと呼ばれるような子は一人もいませんでした。まさに最初に相応しいクラスで、私は教師としての経験を着々と身につけました。1年生の時は、霧島弥君は1年1組で、教室は階ごと違うので、見たことはありませんでしたが、数々の不祥事は教員会議で聞いていました。次の年、彼は私のクラスになりました。委員長だった本田君と新田君と杉田さんと飯仲さんは引き続き、私のクラスとなりました。2年目も本田君は委員長を続投しました。あの静かだった新田君は霧島君に影響を受け、私に反抗するようになりました。霧島君はいつも私に暴言を吐き、時に殴りかかりました。でも、私は教師が言うべきことだけを言い、他は何も言わずに耐えました。そんなある日、数学のプリントを採点していると、横中さんのプリントにメッセージが書いてありました。「先生は、クラスが霧島君達のせいで無茶苦茶なのにどうして何も言わないんですか。ほんとに無関心で冷酷ですね。先生、嫌われてますよ。」私は、そのメッセージをみて思いました。無視してるじゃない、無関心なんかじゃない。我慢してあげてるんだと。うるさいと。私は、自分の机のライトだけの真っ暗な職員室で叫びながらクラス全員のプリントを破きました。その日から私はストレスを感じ始めました。週に2.3回、ストレスに身を任せ、プリントを破りました。すると、その現場をクラスの犯人aに見られました。私はその子に明日のことについて聞かれました。私は戸惑いながらも「あぁあ、明日は不審者想定の避難訓練だよ、、」と返事をし、「先生、物に当たっちゃダメですよ」と犯人aは言って去って行きました。次の日、避難訓練が始まった頃、屋上に行きました。霧島君を呼びに行ったんです。屋上に行く途中、学ランを着た男子生徒が階段を勢いよく降りていくのが見えました。私の見る限り、犯人aでした。屋上に着き、サビ切った重いドアを開けると、背後から心臓を刺され倒れている霧島君を見つけました。ナイフは刺しっぱなしで、地面には真っ赤な血溜まりが出来ていました。わたしは「霧島君!大丈夫!!」そう言いながら、息をしているか確認するためにも彼を抱き上げました。その時、息をしてないのを確認しました。その瞬間、私に溜まりきっていたストレスが頭の中を駆け巡りました。全ての原因はこいつだ。そんな声が聞こえてきたように感じました。私は抱いていた霧島君を勢いよく倒し、心臓のナイフを抜き取って何回も何回も刺して刺して刺しまくりました。霧島君の全身が傷穴でボコボコになった頃、私は、ナイフを屋上の端に投げ、霧島君を踏み付けて屋上を後にしました。その頃避難訓練はもう終わっていて、私はクラスのみんなに報告しに行こうと思いました。霧島君が死んだことを。10組に向かうまでに沢山の悲鳴が聞こえましたが、気になりませんでした。その時、思わず笑い出してしまいました。霧島君を刺している時を思い出して。「ちょっと待て!」警察官の声がした。そうだ。今は事情聴取中だった。「その犯人aは誰だ?」警察官は机を叩きながら聞いた。「ふ、ふはは」「何笑ってる!早く教えろ!!」「教えませんよ。だってその方がきっと面白いでしょうから。」
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