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1 輪心(わこ)
しおりを挟む【6年後】
明日輝(あすか)小学校看板
【キーンコーンカーンコーン】
放課後
1年A組教室
前髪がパッツリ揃ったおかっぱで黒髪に、赤い縁取りの眼鏡の40代半ばの女教師が座っている
机を挟んで
髪の毛を1つに束ねた40代後半の女と、肩に掛かる位の栗色の髪、エメラルドグリーンの瞳、キリッとした目元、透き通る様な白い肌、鼻筋の通った女の子が座っている
49歳になった弥生と橘輪心(たちばなわこ)6歳である
「橘さん、輪心(わこ)ちゃんの教育は、どの様にされていますか?又、男の子にケガさせたんですよ」
おかっぱ教師が眼鏡の縁をクイッと持ち上げながら眉間にシワをよせて少し強い口調で言った
「本当に申し訳ございません」
深々と頭を下げる弥生
隣にいた輪心(わこ)は全く反省する様子もなく、そっぽを向きながら足をブラつかせているので、弥生が輪心(わこ)の頭を右手で抑え付けて一緒にお辞儀をさせる
帰り道
手を繋ぎながら歩く弥生と輪心(わこ)
「輪心(わこ)、あんなにケンカしちゃあダメって言ったじゃないの」
弥生が輪心(わこ)を諭すと
「だって、悠馬(ゆうま)が『お前の目の色おかしいぞ』って笑うんだもん」
輪心(わこ)が唇を尖らせて言う
「それは悠馬君が悪いわね。でも手をだしちゃあダメよ」
「はぁーい」
輪心(わこ)は道端に落ちていた石ころを蹴りながら不満気に言った
するとその石ころがコロコロと立ち話をしている30代半ばの3人組の女達の足元に転がった
その女達と目が合った弥生が
「こんにちは」
と挨拶をしたにも関わらずそれを無視してヒソヒソと話をする3人組
その日の夜
リビングで赤い水を呑む和茂
夕飯の洗い物を済ますとおもむろに和茂の向かいに座る
「ねぇ、聞いてるの?今日も又呼び出されたのよ。入学して1ヶ月で3回目よ。しかも、クラスで1番大きい男の子に喰ってかかったらしくて。こっちに越して来なければ良かったかしらね?サッカーも止めちゃったし、何だか輪心(わこ)最近おかしいのよ」
心配する弥生
輪心(わこ)を育てる事になった和茂と弥生は、手狭になったマンションを引き払って、輪心(わこ)の入学を機に和茂の実家の吉祥寺に引っ越して来たのだ
「そんなに気にするなよ」
気にも止めていない様子の和茂に腹を立てながら
「そうかしら…ご近所さんにも白い目で見られてるのよ」
と気の滅入る弥生であった
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