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12 大成功!!
しおりを挟む弥生が家路に着くと道端に人が溢れ返っていた
皆、一様に空を見上げている
弥生は不思議に思いながらその間を縫う様に歩いてやっとの思いで家にたどり着いた
慌てて靴を脱ぎリビングに行く
「和茂さん?何かあったの?!」
「弥生ちゃんっ!大変だ!!今、国際宇宙ステーションから生中継が入ってる!」
「えっ!何っ!」
2人はテレビにかぶり付く
【地球がっ、地球が黒い物体に包まれていきます!ここからは既に地球が見えていません!地球のみなさ……】
電源がプツッと切れた
「停電だわ、大変っ!!」
辺りは一瞬にして真っ暗になった
突然、バシャバシャと雨が降り出し、けたたましく雷が鳴り響く
「キャー」
弥生が叫ぶ。
「弥生ちゃんっ、落ち着いて。懐中電灯、懐中電灯を持って来て」
「分かったわ」
何とか玄関まで行き、下駄箱から懐中電灯を持ってくる
「輪心(わこ)…」
カナデメンタルクリニック
203号室
輪心(わこ)はパジャマ姿のまま、ルームシューズを履くとナースステーションをかいくぐって施錠の掛かった自動ドアの前へ行く
カードのスキャン部分をパッと見つめるとピッと施錠が開いてスーッとドアが開く
廊下に飛び出ると全速力で外に出た
外はどしゃ降りで既に真っ暗だ
「アークを助けて地球を救わなきゃ…」
和茂と弥生の家
懐中電灯の灯りの中で震える弥生
すると弥生の携帯が鳴る
ドキッとしたが直ぐに携帯に飛び付く
「橘さんですか?輪心(わこ)ちゃんが、脱走しました!」
「えっ!輪心(わこ)が!」
どしゃ降りの雨の中ペンライトを照らしながらさ迷う輪心(わこ)
ゴロゴロッとけたたましく雷が鳴り響く
ピカッと光る稲妻の光に怯えながらも歩き続ける
*マリー、マリー*
アークの声が聞こえた
「アーク!どこにいるの!」
*ふくろうの中さ、ボクを助けて*
アークは瞬間移動できるが、唯一、人間以外の動物からは抜け出せないという弱点を持っていた
「うんっ!どこにいるのか教えて!」
*ボクが案内するよ*
すると輪心(わこ)にしか見えない光の道が現れる
それを頼りに必死に歩くと隆史(たかふみ)のマンションに行き着いた
ドアの前でノブをジーッと見つめるとカチャッと鍵が開く
中に入ると黒い影が立ちはだかっていた
ダーマに操られている隆史(たかふみ)だ
輪心(わこ)は力一杯その影を両腕で突飛ばした
すると、パソコンとテレビの所まで隆史(たかふみ)が吹っ飛び意識を失った
*早く…早く…*
「どこなの?アーク?」
暗闇の中に2つの赤い光を見つける
360°の目だ
「アーク!」
駆け寄ってケージを開ける
バッサバッサと360°が飛び出した
*窓を開けるんだ*
背伸びしても窓まで手が届かない
「どうしよう……」
輪心(わこ)は思いきり念を込めて窓を見つめる
すると、バリバリと窓が割れ、そこから360°が降り仕切る雨の中へ飛び出して行った
闇に包まれてしまった地球
世界中がパニック状態になっていた
輪心(わこ)はずぶ濡れになりながら360°を追い掛ける
360°が井の頭公園まで来てあのくぬぎの大木の天辺に留まった
ゴロゴロー!ピシャッ!
「キャー」
耳を塞いでしゃがみ込む
物凄い地響きと共に360°が留まっているくぬぎの天辺に雷が落ちた
焼け焦げた360°が地面に落下しその衝撃で口の中からアークがスーッと飛び出した
稲妻の光を受けたアークはクルクルと回りながら大きく成長していく、更にアークはグルグルと回転を早めながら巨大化していき、やがて地球を包み込んだ
雨が止み、辺りが明るくなってきた
ずぶ濡れの輪心(わこ)は手をかざして空を見上げる
「ありがとう。アーク」
*ありがとう。WAKO *
「輪心(わこ)ー、輪心(わこ)ー!」
弥生と和茂がずぶ濡れになりながら駆け寄って来た
「ごめんね…輪心(わこ)ちゃん」
弥生がずぶ濡れの輪心(わこ)を抱きしめると
照れ臭そうに鼻を擦ってニコッと笑った
辺りはすっかり明るくなり光が降り注いでいた
光の中からパープルに輝くティアドロップの雫が垂れてきて、丸焦げの360°を包み込む
『さようなら、WAKO 。
ありがとう、WAKO 』
すると、360°が生き返った。
「360°ちゃんっ!良かった」
輪心(わこ)がびしょ濡れで縮こまっている360°を抱き抱える
「360°?何でここに?!」
驚く弥生
「まー、いいさ、地球を救ったご褒美に、ディズニーランド連れてくぞ!」
和茂がずぶ濡れの輪心(わこ)を抱き上げて言った
輪心(わこ)は左手の親指をクイッと立てながら満面の笑みを浮かべた
おわり
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