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懐中時計の隠し場所
しおりを挟むマリーが馬小屋から出てきて宮殿の庭へ小走りで行く
テレジアがマリーを見付けて
「マリー、どこに行っていたの?貴方は王妃になるのよ。これからマナーのレッスンよ。早く宮殿に戻りなさい」
少し強い口調で言う
「はぁーい」
マリーは素っ気無い返事をする
ハプスブルグ家宮殿
マリーの部屋
きらびやかな内装
デスクの前に、足をブラ付かせながらマリーが座っている
ノックの音がする
ドアが開き家庭教師が入ってきて
「マリー様、これから王妃になる為のレッスンを始めます」
と言う
「あー、退屈だわ。私この時間が大嫌い!」
足をブラブラさせながら頬杖をついてマリーが言う
家庭教師が咳払いをしてから、授業が始まる
うわの空で聞くマリー
「マリー様、そんな事では立派な王妃にはなれませんよ」
「......」
マリー、口を尖らせてむくれる
柱時計の重厚な音が聞こえて来た
午前11時だ
「午前の授業は終わりです。午後にまた」
家庭教師はそう言い残すと部屋を出て行った
すると、またノックの音がして今度はメイドが入って来た
「テレジア様とお買い物のお時間です。お着替えを」
メイドが言ってドレスを脱がせ様とするので、マリーは気付かれない様に隠しておいた懐中時計をキャビネットの引き出しの中にしまう
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