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第二章
用語集2
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〈地名〉
・王都
イェドノタ連邦の首都であるヴァリのこと。《魔王》の居住地でもあるからそう呼ばれており、国の中枢機関が全て置かれている。
似たような位置づけの都市に軍都があるが、こちらはムスカウ共和国との国境に配備された精強部隊の駐屯地で、万が一戦端が切って落とされたときのために前線がいまも維持されている。
・カーフクルズ山脈
二つの大陸が合体して作られた中央大陸(カルヴィナ)の接合面にあたる部分。現実世界でユーラシア大陸とインド亜大陸がぶつかってヒマラヤ山脈ができたように、プレートの接合面が隆起し、セクリタナでも有数の高峰が嶺を連ねている。地域的にはちょうど辺境地の北部と東部の中間にあたる。
・ハーケン
辺境州の州都で、地域的には辺境北部にある。辺境自体、人口が特別多いわけではないため、街の規模としてはビュクシよりいくらか大きいくらいで、かつて辺境中でおこなわれた魔獣狩りの後方支援基地だった。よって〈開拓〉の最前線が南方大陸(オルガビア)に移った現在、めぼしい産業はなく、一大消費地として存在している。
〈魔法関連〉
・〈禁止〉
文字どおり、相手の魔法を禁じ、発動させなくする魔法。支援魔法のなかでも効力の高いもので、身につけようとしても身につかない者も多く、ゼーマンが自慢げだったのには一応根拠がある。ただし魔導戦という概念を否定するような魔法でもあり、正統派の冒険者にはあまり好まれていない。
・妖精
一般的なファンタジーでは亜人も妖精も同じ幻想の生物だが、本作では区別しており、亜人は普通に実在するが、妖精は想像上の、あるいは伝説にしか存在しないものという扱い。他にも同じような例はあるため、いつか登場するかもしれない。
・翼竜
竜属の一種だが、半ば家畜化されており、人間の命令に従い、彼らを主人と認識している。自然の竜とは比べ物にならないほど従順で、それでいて竜属としての高い飛行能力、身体能力を発揮するため、彼らを利用する竜騎士にとってなくてはならない存在。
・ビショップ
冒険者のなかでも、支援魔法を得意とし、元々僧職の地位を得ている者たちを指す言葉。もっともその区分はやや古いもので、僧職でありながら竜騎士であるリッドのような存在も珍しくない。
・白魔法、黒魔法
いまから千年以上前に存在していた魔法体系の区分。支援魔法を白魔法、攻性魔法を黒魔法と呼び、職種や特性によって会得する魔法に制限があっり、専門性が与えられた。
ところが時代が下るにつれ、そうした制限が足枷に、専門性が利権につながることがわかってきたため、魔法体系そのものが抜本的に再構築され、白魔法、黒魔法の区分は消滅した。いまでは術者がその能力に応じて自由に魔法を選べる。
・竜騎士
竜騎士の定義も色々あるが、本作では竜属を使役しながら戦闘をおこなう者のことを指す。現実の兵隊でいえば、馬を乗りこなし、その機動力をいかす騎兵のような存在。(後述する)作中のリッドがそうであったように、魔法より白兵において威力を発揮する。
・聖職者と高位魔法
リッドが言明したように、聖職者は到達するクラスに制限がある。これには聖職者(権威)と魔法(権力)を分離しておきたいという指導者の意志が反映されており、聖隷教会が国の機関に成り下がった結果、事実上のルール(暗黙の法規)となった。よって魔導戦で高い能力を発揮しようと思えば、ビショップの地位に甘んじることなく、白兵戦を磨く者たちも出てくる。
・魔法のテキスト
本編中にも出てきたとおり、簡単な順で、参考書、教則本、魔導書があり、会得する魔法のクラスや、ひいては魔導師のクラスもこうしたテキストに依存している。
なおこれらに収まりきらない特殊な魔王が魔導書の外典として存在しており、外典は国防軍が管理しているため、一般の冒険者などが扱うことが許されていない。
・短縮法
魔法やクラスによって違いはあれど、本来詠唱文は長く、詠唱そのものにも時間がかかる。しかし戦場において時間は何よりも貴重であり、魔法体系はその起源においてから、詠唱文の短縮に血道を上げてきた。
その方法は、文章を数学的にとらえることにあり、一例を挙げると、ある文章の発音数を特定の数字で割り、得られた数字を発音数に置き換え、文章へと再転換するといった方法がある。もっとも短縮を切りつめるには複数の計算が必要なため、その生成過程はより複雑になる。
いずれにせよ術者は、以上のプロセスを得た短縮法を読み解き、暗記をすればいいだけなので、負担は小さい。
・《主》の理
魔導師になるとき、または魔導師としての位階(クラス)を上げるときに、より上位の魔導師によって授けられる儀式。具体的には《主》の実在を感じとり、魔法体系の根源と自分を結びつけること。その際、火、水、風、土などの四元素がイメージされ、おのれの魔導師としての方向性が明らかとなる。
・〈文字にできない言葉〉
もっとも難解な魔法テキスト、すなわち魔導書を記述するための言語で、その正体は複雑に組まれた暗号の束。それを解くことなくAクラス以上の魔導師になることはできないという意味で、一部の者に開かれた高位魔法の登竜門のような存在。正式名称はソヴァ・ネソ・ザサーナ。
・〈火焔〉
もっともシンプルで高い攻撃力を有する攻性魔法のひとつ。アドルフの魔法属性とも一致し、彼の武器となるが、燃焼によって大気中のマナが枯渇していくため、大規模な〈火焔〉はくり返し使うと効果が出なくなる。
・エニグマ
第二次世界大戦中のナチスドイツが用いた暗号機のこと。エニグマ自体はきわめて複雑精巧な機械であるが、その仕組みを学ぶ際にヒトラーは暗号技術について網羅的な学習をしており、魔導書が暗号の束であるという認識に一瞬でたどり着くことができたのはそのため。より発展した文明社会で育ったアドルフによるチートの一種と言えなくもない。
・〈反動〉
向かってくる力や物体を逆方向に跳ね返す到って単純な魔法だが、術者のクラスがきわめて高ければ事実上どんなものでも弾き返せるため、戦況を一変させる力をもった魔法だと言える。そのことを見抜き、会得しようと思いついたアドルフの炯眼と言う他ない。
・〈放水〉
〈氷結〉と並び、水属性でもっともポピュラーな魔法だが、それを使いこなさずには魔導師として先に進めない。センスに溢れたひと握りの術者以外は、習熟度を高めた者だけが上位版の〈洪水〉などをものにできる。
・水属性
リッドが得意とする魔法属性。彼女はクラスこそC止まりだが、水属性に含まれる魔法はあらかた網羅しているため、基本的にできないことはない。
・二つの魔法を同時に発動させる
技量不足のアドルフにはできなかったと記述したが、誰ならできたのかと問われると答えに窮するくらい達成者がいない。冒険者や軍人においても「かつて可能にした者がいたらしい」という伝説が残るのみで、実際目にした者は皆無である。詠唱文を重ねたりするなど理論的にはイメージがつくものの、それを形にするうえで越えられない壁があるようだ。
・四元素
魔導師は誰でも火水風土の属性をイメージとして持っており、その方向性に即して修練を積み、クラスを上げていくのが望ましい成長だと言われる。むろん属性外の魔法を使えないことはないし、最初から万能タイプの術者もいなくはないが、あまりうまくいかないのが普通である。
・魔導武装
武器を魔法の力で強化したり、逆に魔法の力で武器を現出させたりする行為を魔導武装と呼ぶ。属性は土だが、武器を使えない人間は存在しないため、程度の差こそあれほとんどの魔導師が使いこなせるが、クラスの違いが威力に表れるため効果は人それぞれ。
・〈遵守〉
魔導書に載っているなかでもっとも問題含みの魔法。したがって詠唱文の覚えにくさはさることながら、下位クラスが存在せず、最初からSクラスの魔導師しか使えない仕様になっている。時代によっては外典に含まれた頃もあり、とにかく限りなく禁呪に近い。
・支援魔法
攻性魔法の反対語で、本来ペアで覚えるべき概念。
・〈爆縮〉
国防軍が管理する魔導書の外典に載っている攻性魔法で、エネルギーが外に拡散する通常の爆発と異なり、それが内側にむかうことで規格外の破壊をもたらす。魔法体系においては秘術、軍においては機密に属するが、その破壊力の謎とクラスSの〈爆縮〉が放つ致死性の毒の正体など、解明されていない点も多い。
・ルアーガ
魔導師に位階という序列があるように、竜属にも冒険者や軍人がつけたランクのようなものがあり、ルアーガはそのなかでもチャンピオンクラスで、強力な魔法を自由自在に操ることからウイザード・ドラゴンの名を拝している。
熟練した冒険者でも遭遇した場合は逃避一択。まだかけだしのアドルフたちが勝てたのは、いくつかの周辺状況、すなわち運の要素も大きく、想定外の一割が偶然吉と出たと理解すべきだ。
〈人名〉
・カフカ
ビュクシ収容所の所長で、前任のクラフツレから引き継ぐ際、奉仕活動から得られる利権も引き継いだ。前任者同様、稼ぎ頭であるアドルフには信頼を置いているが、あくまで金のなる木としか思っていないし、幼少期のニミッツ院長虐殺を例に挙げるまでもなく、冷酷で自己中心的な軍人。
・ダヴィト・ミシュカ
ビュクシ収容所の副所長。士官学校を出ているカフカと違い、叩き上げの軍人として出世したため、彼より年上だが位は低い。もっとも《魔王》への崇敬を忘れない人間らしく、王統府の指導とそれを運んだゼーマンに支持を寄せるなど、へりくだりながらではあるが、言いたいことはしっかり言う。
・イングリッド・ラグラウ
収容所付設教会の司祭。小動物的な動きで食事をもりもりたいらげるというが、実際は司祭の職にくわえ、高い戦闘能力を備えた竜騎士。その実力はいずれ明かされる。
また本文中にもあるが、女の身で司祭になれた珍しい人物。その裏にある秘密はそのうち語られることがあるかもしれない。
・《魔王》
イェドノタ連邦を統べる最高指導者。言葉の原義は〈魔導師の王〉の略称で、本名はグスタフ・ノートリアス・バロシュ。初代から数えて九代目にあたる《魔王》である。
執権を握ったときからすでに高齢で、執務能力の低下から、政務の一部を正妻の長兄であるアラン殿下に任せている(まだ後継者の指名はしていない)。
しかし権力が奪われる一方であることに耐えかね、ヒト族によるスパイ事件発覚を機に権力の奪還を企てている。この政争はアドルフ・ヒトラーの戦いに何らかの影を落とすことになろう。
・パベル・リブイン・バロシュ
ルツィエの兄で、《魔王》が第三夫人とのあいだにもうけた長男。王族に生まれた以上、すぐれた遺伝と恵まれた環境が与えられており、その揺籃に揺られながらまっすぐに育った紳士的な人物。
裏を返せば、他人より秀でたものがあるわけでなく器用貧乏になりやすいうえ、王族の地位に甘えているのは明らかだ。ルツィエはそんな兄をなめており、いつか追い越す気でいるが、ことはそう簡単に運ぶかどうか。王位継承順位は七番目。
・ルツィエ・スターリン・バロシュ
言わずと知れた地上最悪の暴君、ヨシフ・スターリンの転生体。詳しいことは本編に書いたのでそちらを読んで頂きたく思うが、権力の階段の頂点に立つまでは野心と残弱さを隠し続けてきたように、この度の転生においてもまだ猫を被っており、地位が上がるにつれて本性がむき出しになるだろう。
〈その他〉
・十字の祈り
聖隷教会の信徒におけるもっともポピュラーな祈祷法。人差し指と中指を交差させ、その状態で胸の前で十字を切るのがもっとも一般的。
なお《主》への最敬礼というのは現代のイスラム教徒がやる祈祷法と似ており、特別で深刻な内容の祈りを空に届かせるため、きわめて長時間おこなわれる。
・参謀本部
国防軍におけるエリート組織だが、世界大戦以降、二〇〇年近く続いた平和のためにいささか強度が落ちている。特に人間どうしの戦争がなくなった結果、戦略をこらすことの意味が低下し、効率の良い魔獣戦の追求以外に仕事がないとも言える。
なお同時に出てきた近衛師団は、王都に住む王族たち、とりわけ《魔法》の盾となることを目的とした部隊で、これも強度の高い飾りと言え、王族の魔獣狩りを補佐するのが一番の誇り。したがって連邦国家でもっとも精強な軍隊は特殊部隊にあり、のちに登場する〈鉄兜団〉などがそれにあたる。
・王位継承順位
次の《魔王》を選ぶ際、通常なら現役の《魔王》が後継者を指名するのが一般的だが、不測の事態に備えて序列が設けられており、万が一不慮の死を遂げたときにでもスムーズな政権交代が可能になる。たとえば現《魔王》が遺言も残さずに死んだ場合、序列第一位のアラン殿下が《魔王》に就く。
・鉄兜団
イェドノタ連邦国防軍にある三つの特殊部隊のひとつ。作戦ごとに隊長職が設けられ、王族の子弟たちはそこで軍人としての能力を鍛え上げられてきた。鉄兜団の特徴は鋼鉄製の兜と漆黒の軍衣で、指導部が「必ず予定どおりにミスなく達成させたい」作戦を与え、それを遂行することを任務とする。動き方は臨機応変で遊軍的とも言える。ちなみに対人の白兵戦に投入された歴史をもち、そのことが兜の着用として現存している。
・赤い軍衣
王族の軍装として知られ、その色には敵の標的にされることを厭わないという覚悟が込められている。裏を返せば、王族以外が赤い上着を使用することはできず、その歴史はイェドノタ連邦誕生以前の王族から脈々と受け継がれた慣習。
・王都
イェドノタ連邦の首都であるヴァリのこと。《魔王》の居住地でもあるからそう呼ばれており、国の中枢機関が全て置かれている。
似たような位置づけの都市に軍都があるが、こちらはムスカウ共和国との国境に配備された精強部隊の駐屯地で、万が一戦端が切って落とされたときのために前線がいまも維持されている。
・カーフクルズ山脈
二つの大陸が合体して作られた中央大陸(カルヴィナ)の接合面にあたる部分。現実世界でユーラシア大陸とインド亜大陸がぶつかってヒマラヤ山脈ができたように、プレートの接合面が隆起し、セクリタナでも有数の高峰が嶺を連ねている。地域的にはちょうど辺境地の北部と東部の中間にあたる。
・ハーケン
辺境州の州都で、地域的には辺境北部にある。辺境自体、人口が特別多いわけではないため、街の規模としてはビュクシよりいくらか大きいくらいで、かつて辺境中でおこなわれた魔獣狩りの後方支援基地だった。よって〈開拓〉の最前線が南方大陸(オルガビア)に移った現在、めぼしい産業はなく、一大消費地として存在している。
〈魔法関連〉
・〈禁止〉
文字どおり、相手の魔法を禁じ、発動させなくする魔法。支援魔法のなかでも効力の高いもので、身につけようとしても身につかない者も多く、ゼーマンが自慢げだったのには一応根拠がある。ただし魔導戦という概念を否定するような魔法でもあり、正統派の冒険者にはあまり好まれていない。
・妖精
一般的なファンタジーでは亜人も妖精も同じ幻想の生物だが、本作では区別しており、亜人は普通に実在するが、妖精は想像上の、あるいは伝説にしか存在しないものという扱い。他にも同じような例はあるため、いつか登場するかもしれない。
・翼竜
竜属の一種だが、半ば家畜化されており、人間の命令に従い、彼らを主人と認識している。自然の竜とは比べ物にならないほど従順で、それでいて竜属としての高い飛行能力、身体能力を発揮するため、彼らを利用する竜騎士にとってなくてはならない存在。
・ビショップ
冒険者のなかでも、支援魔法を得意とし、元々僧職の地位を得ている者たちを指す言葉。もっともその区分はやや古いもので、僧職でありながら竜騎士であるリッドのような存在も珍しくない。
・白魔法、黒魔法
いまから千年以上前に存在していた魔法体系の区分。支援魔法を白魔法、攻性魔法を黒魔法と呼び、職種や特性によって会得する魔法に制限があっり、専門性が与えられた。
ところが時代が下るにつれ、そうした制限が足枷に、専門性が利権につながることがわかってきたため、魔法体系そのものが抜本的に再構築され、白魔法、黒魔法の区分は消滅した。いまでは術者がその能力に応じて自由に魔法を選べる。
・竜騎士
竜騎士の定義も色々あるが、本作では竜属を使役しながら戦闘をおこなう者のことを指す。現実の兵隊でいえば、馬を乗りこなし、その機動力をいかす騎兵のような存在。(後述する)作中のリッドがそうであったように、魔法より白兵において威力を発揮する。
・聖職者と高位魔法
リッドが言明したように、聖職者は到達するクラスに制限がある。これには聖職者(権威)と魔法(権力)を分離しておきたいという指導者の意志が反映されており、聖隷教会が国の機関に成り下がった結果、事実上のルール(暗黙の法規)となった。よって魔導戦で高い能力を発揮しようと思えば、ビショップの地位に甘んじることなく、白兵戦を磨く者たちも出てくる。
・魔法のテキスト
本編中にも出てきたとおり、簡単な順で、参考書、教則本、魔導書があり、会得する魔法のクラスや、ひいては魔導師のクラスもこうしたテキストに依存している。
なおこれらに収まりきらない特殊な魔王が魔導書の外典として存在しており、外典は国防軍が管理しているため、一般の冒険者などが扱うことが許されていない。
・短縮法
魔法やクラスによって違いはあれど、本来詠唱文は長く、詠唱そのものにも時間がかかる。しかし戦場において時間は何よりも貴重であり、魔法体系はその起源においてから、詠唱文の短縮に血道を上げてきた。
その方法は、文章を数学的にとらえることにあり、一例を挙げると、ある文章の発音数を特定の数字で割り、得られた数字を発音数に置き換え、文章へと再転換するといった方法がある。もっとも短縮を切りつめるには複数の計算が必要なため、その生成過程はより複雑になる。
いずれにせよ術者は、以上のプロセスを得た短縮法を読み解き、暗記をすればいいだけなので、負担は小さい。
・《主》の理
魔導師になるとき、または魔導師としての位階(クラス)を上げるときに、より上位の魔導師によって授けられる儀式。具体的には《主》の実在を感じとり、魔法体系の根源と自分を結びつけること。その際、火、水、風、土などの四元素がイメージされ、おのれの魔導師としての方向性が明らかとなる。
・〈文字にできない言葉〉
もっとも難解な魔法テキスト、すなわち魔導書を記述するための言語で、その正体は複雑に組まれた暗号の束。それを解くことなくAクラス以上の魔導師になることはできないという意味で、一部の者に開かれた高位魔法の登竜門のような存在。正式名称はソヴァ・ネソ・ザサーナ。
・〈火焔〉
もっともシンプルで高い攻撃力を有する攻性魔法のひとつ。アドルフの魔法属性とも一致し、彼の武器となるが、燃焼によって大気中のマナが枯渇していくため、大規模な〈火焔〉はくり返し使うと効果が出なくなる。
・エニグマ
第二次世界大戦中のナチスドイツが用いた暗号機のこと。エニグマ自体はきわめて複雑精巧な機械であるが、その仕組みを学ぶ際にヒトラーは暗号技術について網羅的な学習をしており、魔導書が暗号の束であるという認識に一瞬でたどり着くことができたのはそのため。より発展した文明社会で育ったアドルフによるチートの一種と言えなくもない。
・〈反動〉
向かってくる力や物体を逆方向に跳ね返す到って単純な魔法だが、術者のクラスがきわめて高ければ事実上どんなものでも弾き返せるため、戦況を一変させる力をもった魔法だと言える。そのことを見抜き、会得しようと思いついたアドルフの炯眼と言う他ない。
・〈放水〉
〈氷結〉と並び、水属性でもっともポピュラーな魔法だが、それを使いこなさずには魔導師として先に進めない。センスに溢れたひと握りの術者以外は、習熟度を高めた者だけが上位版の〈洪水〉などをものにできる。
・水属性
リッドが得意とする魔法属性。彼女はクラスこそC止まりだが、水属性に含まれる魔法はあらかた網羅しているため、基本的にできないことはない。
・二つの魔法を同時に発動させる
技量不足のアドルフにはできなかったと記述したが、誰ならできたのかと問われると答えに窮するくらい達成者がいない。冒険者や軍人においても「かつて可能にした者がいたらしい」という伝説が残るのみで、実際目にした者は皆無である。詠唱文を重ねたりするなど理論的にはイメージがつくものの、それを形にするうえで越えられない壁があるようだ。
・四元素
魔導師は誰でも火水風土の属性をイメージとして持っており、その方向性に即して修練を積み、クラスを上げていくのが望ましい成長だと言われる。むろん属性外の魔法を使えないことはないし、最初から万能タイプの術者もいなくはないが、あまりうまくいかないのが普通である。
・魔導武装
武器を魔法の力で強化したり、逆に魔法の力で武器を現出させたりする行為を魔導武装と呼ぶ。属性は土だが、武器を使えない人間は存在しないため、程度の差こそあれほとんどの魔導師が使いこなせるが、クラスの違いが威力に表れるため効果は人それぞれ。
・〈遵守〉
魔導書に載っているなかでもっとも問題含みの魔法。したがって詠唱文の覚えにくさはさることながら、下位クラスが存在せず、最初からSクラスの魔導師しか使えない仕様になっている。時代によっては外典に含まれた頃もあり、とにかく限りなく禁呪に近い。
・支援魔法
攻性魔法の反対語で、本来ペアで覚えるべき概念。
・〈爆縮〉
国防軍が管理する魔導書の外典に載っている攻性魔法で、エネルギーが外に拡散する通常の爆発と異なり、それが内側にむかうことで規格外の破壊をもたらす。魔法体系においては秘術、軍においては機密に属するが、その破壊力の謎とクラスSの〈爆縮〉が放つ致死性の毒の正体など、解明されていない点も多い。
・ルアーガ
魔導師に位階という序列があるように、竜属にも冒険者や軍人がつけたランクのようなものがあり、ルアーガはそのなかでもチャンピオンクラスで、強力な魔法を自由自在に操ることからウイザード・ドラゴンの名を拝している。
熟練した冒険者でも遭遇した場合は逃避一択。まだかけだしのアドルフたちが勝てたのは、いくつかの周辺状況、すなわち運の要素も大きく、想定外の一割が偶然吉と出たと理解すべきだ。
〈人名〉
・カフカ
ビュクシ収容所の所長で、前任のクラフツレから引き継ぐ際、奉仕活動から得られる利権も引き継いだ。前任者同様、稼ぎ頭であるアドルフには信頼を置いているが、あくまで金のなる木としか思っていないし、幼少期のニミッツ院長虐殺を例に挙げるまでもなく、冷酷で自己中心的な軍人。
・ダヴィト・ミシュカ
ビュクシ収容所の副所長。士官学校を出ているカフカと違い、叩き上げの軍人として出世したため、彼より年上だが位は低い。もっとも《魔王》への崇敬を忘れない人間らしく、王統府の指導とそれを運んだゼーマンに支持を寄せるなど、へりくだりながらではあるが、言いたいことはしっかり言う。
・イングリッド・ラグラウ
収容所付設教会の司祭。小動物的な動きで食事をもりもりたいらげるというが、実際は司祭の職にくわえ、高い戦闘能力を備えた竜騎士。その実力はいずれ明かされる。
また本文中にもあるが、女の身で司祭になれた珍しい人物。その裏にある秘密はそのうち語られることがあるかもしれない。
・《魔王》
イェドノタ連邦を統べる最高指導者。言葉の原義は〈魔導師の王〉の略称で、本名はグスタフ・ノートリアス・バロシュ。初代から数えて九代目にあたる《魔王》である。
執権を握ったときからすでに高齢で、執務能力の低下から、政務の一部を正妻の長兄であるアラン殿下に任せている(まだ後継者の指名はしていない)。
しかし権力が奪われる一方であることに耐えかね、ヒト族によるスパイ事件発覚を機に権力の奪還を企てている。この政争はアドルフ・ヒトラーの戦いに何らかの影を落とすことになろう。
・パベル・リブイン・バロシュ
ルツィエの兄で、《魔王》が第三夫人とのあいだにもうけた長男。王族に生まれた以上、すぐれた遺伝と恵まれた環境が与えられており、その揺籃に揺られながらまっすぐに育った紳士的な人物。
裏を返せば、他人より秀でたものがあるわけでなく器用貧乏になりやすいうえ、王族の地位に甘えているのは明らかだ。ルツィエはそんな兄をなめており、いつか追い越す気でいるが、ことはそう簡単に運ぶかどうか。王位継承順位は七番目。
・ルツィエ・スターリン・バロシュ
言わずと知れた地上最悪の暴君、ヨシフ・スターリンの転生体。詳しいことは本編に書いたのでそちらを読んで頂きたく思うが、権力の階段の頂点に立つまでは野心と残弱さを隠し続けてきたように、この度の転生においてもまだ猫を被っており、地位が上がるにつれて本性がむき出しになるだろう。
〈その他〉
・十字の祈り
聖隷教会の信徒におけるもっともポピュラーな祈祷法。人差し指と中指を交差させ、その状態で胸の前で十字を切るのがもっとも一般的。
なお《主》への最敬礼というのは現代のイスラム教徒がやる祈祷法と似ており、特別で深刻な内容の祈りを空に届かせるため、きわめて長時間おこなわれる。
・参謀本部
国防軍におけるエリート組織だが、世界大戦以降、二〇〇年近く続いた平和のためにいささか強度が落ちている。特に人間どうしの戦争がなくなった結果、戦略をこらすことの意味が低下し、効率の良い魔獣戦の追求以外に仕事がないとも言える。
なお同時に出てきた近衛師団は、王都に住む王族たち、とりわけ《魔法》の盾となることを目的とした部隊で、これも強度の高い飾りと言え、王族の魔獣狩りを補佐するのが一番の誇り。したがって連邦国家でもっとも精強な軍隊は特殊部隊にあり、のちに登場する〈鉄兜団〉などがそれにあたる。
・王位継承順位
次の《魔王》を選ぶ際、通常なら現役の《魔王》が後継者を指名するのが一般的だが、不測の事態に備えて序列が設けられており、万が一不慮の死を遂げたときにでもスムーズな政権交代が可能になる。たとえば現《魔王》が遺言も残さずに死んだ場合、序列第一位のアラン殿下が《魔王》に就く。
・鉄兜団
イェドノタ連邦国防軍にある三つの特殊部隊のひとつ。作戦ごとに隊長職が設けられ、王族の子弟たちはそこで軍人としての能力を鍛え上げられてきた。鉄兜団の特徴は鋼鉄製の兜と漆黒の軍衣で、指導部が「必ず予定どおりにミスなく達成させたい」作戦を与え、それを遂行することを任務とする。動き方は臨機応変で遊軍的とも言える。ちなみに対人の白兵戦に投入された歴史をもち、そのことが兜の着用として現存している。
・赤い軍衣
王族の軍装として知られ、その色には敵の標的にされることを厭わないという覚悟が込められている。裏を返せば、王族以外が赤い上着を使用することはできず、その歴史はイェドノタ連邦誕生以前の王族から脈々と受け継がれた慣習。
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アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
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⭐︎注意⭐︎
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つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
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つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
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・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
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※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
※2026年半ば過ぎ完結予定→七月に完結(決定)
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