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第四章

用語集4

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〈魔法関連〉

・〈戦斧〉
リッドが現出させた魔導武装及び現出させた魔法のこと。魔法で生み出したこともあり、その重量に比して扱いが容易く、巨大な質量を腕力に劣る術者でも操ることができ、通常の武器による攻撃以上に大ダメージを与えられる。

・〈爆裂〉
火属性の魔法のうち、もっとも威力のある魔法のひとつで、与えるダメージは術者のクラスに依存するが、Sクラスの場合、並みのドラゴンでもあっという間に爆散する。特徴は爆発で生じる火球と圧力が外へ広がり、広範囲に被害が及ぶこと。

・〈熱線〉
約一八〇度に広がる文字どおり灼熱の光線を発する魔法。一見稲妻(風属性)と同類に見えるが、発生源が異なるため、分類は火属性となる。威力は〈爆裂〉より若干落ちるが、攻撃範囲が広いため、食らえば被害は甚大となる。

・水素伝達
大気中の成分を振るわせて声のやり取りを可能にする魔法のこと。また水素と呼んでいるが、これは我々の世界における原子として水素ではなく、大気中に含まれる「水の粒子」のことである。
生体の一部と共鳴させることによって持ち主と〈波紋〉、つまり振るわせた声を送り合うことができる。大量のマナを消費するうえに伝達距離にも限度があるなどデメリットも多いが、精度が落ちてもよいなら特に依り代がなくても意志の伝達は可能。

・新種
魔獣との戦闘は従来、すでに明らかになった敵の攻撃、防御、支援などを踏まえ、それらをランダムに発生させる相手との戦いを意味していた。つまり人間のように、相手によって戦い方を変えるといった柔軟性はなく、敵どうしの連携もないに等しかった。
しかし連邦の魔獣狩りをおこなう部隊は、こうした従来の認識を覆す事例を報告してきており、情報を共有した側によって〈新種〉と呼ばれているが、なぜ新種が現れるようになったのかは謎に包まれている。

・瞬間移動
〈転移〉と呼ばれる特殊魔法。四元素に分類できない性質をもっており、ゆえに特殊魔法と呼ばれている。
また特殊魔法とは、その分類不能性からわかるように、魔導書の記載にもないため学びとることもできず、魔法を体系的に学ぶ人類の側が用いることは基本的にできない。

・浮遊魔法
文字どおり、空中における自由落下を止め、同じ場所にとどまり、わずかながら移動も可能とする魔法。空での任務を遂行する空挺兵の多くがこの魔法を修得しているものの、相性が悪く身につけられなかった者もいる。

・クラスBの〈禁止〉
クラスBの〈禁止〉は、同じくクラスBの魔法までしか封じることはできないと考えるのは誤りだ。本編でもクラスSの魔法が使えるアドルフに使われたように、上位の魔導師にたいしても意味がある。その効果は数秒から長くても一〇秒程度かもしれないが、その隙を縫って攻撃ができるからだ。

・マナ凝集反応
本編ではマナの雪が降ったが、れっきとした物質であるマナを大量に一箇所に集めると、空気の塵と摩擦を起こしてその動きが可視化される。その可視化された現象のことをマナ凝集反応と呼ぶ。

・オドの吸引
魔力は大気や人体を通して循環している物体のようなもので、マナはオドに、オドはマナに転換されながら単一の流れを形成している。したがって大気のマナを取り込んで魔法に利用するように、人体のオドを取り込んで活用することも可能である。咄嗟の判断とはいえ、上記の循環を理解していたからこそ、アドルフはオドを取り込めた。まだ死にたての肉体だったというのも幸いした。

〈その他〉

・空挺兵
まだチェイカの性能が未発達だった頃、それは敵の陣地に深く食い込み、空から襲撃をかける道具として使われてた。そのとき襲撃を担った軍人のことを空挺兵と呼び、以降チェイカが空戦の道具となったあともその呼称は引き継がれた。鉄兜団とは、そうした空挺兵を集めた精鋭たちの組織。

・金兜
イェドノタ連邦の軍隊において、王族のみが許された装備のひとつ。具体的には、総員が鉄兜を装備する鉄兜団所属の王族に与えられた防備。所属は異なっても、王族が頭部まで防備する際にも用いられる。
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