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10話
しおりを挟むいつもは1人であの人達がいる食堂へと向かう。そして辛い1日の始まりというばかりにお義母様とキャシーに虐められる。
それが今日はお母様が一緒について来てくれている。
お父様は用事があるみたいで、名残惜しそうに精霊界という精霊さんが住む場所に帰って行った。
お父様も一緒に居てくれると思っていたから寂しい……。でも、夜には会いに来てくれるから我慢する。
お母様が言うには、目には見えないけど精霊さんがいっぱい私の側に居るみたい。だから寂しくないわよって。私にはまだ精霊さんが見えないから早く見える様になりたいなぁと思う。
そんな事を思いながらトコトコと歩いているとついに着いてしまった……。
お母様がついているから大丈夫と思っていても少し怖い……。
すると、お母様が私の頭を撫でた。
『セシリー、大丈夫。お母様がついてるわ』
私にニッコリ笑ってくれた。お母様の手は魔法の手だと思う。だって私に勇気をくれるから。
一呼吸してから私は食堂へ入った。
中に入ると3人は楽しそうに話している。私が入って来たことによりお父様……いや、お義父様は嫌そうな顔になる。
「遅いぞ。毎日、毎日、私達を待たせるなんて……反省しろ」
そう言って冷たい目で見て来る。
「おとうさま、おねえさまはおねぼうさんだからしかたないよ~」
「キャシーは優しいわね~。セシリア、キャシーに感謝しなさいよ」
全くもってどこが優しいのかが分からない。するとお母様が私に言った。
『セシリー、無視して堂々と自分の席に着きなさい。貴方は何も悪くないわ!』
そう言ってお母様はピタッと私の側にいます。だから私はお母様の言う通りに無言で席に着きます。
「……」
すると、私が何も言わない事が気に食わなかったお義母様がギャーギャー騒ぎ出した。
「セシリア! 貴方反省もしなければキャシーにお礼も言わないのね! そんな悪い子には朝食はあげません! それにそのお洋服はどこから盗んで来たの! そんな可愛らしいお洋服はキャシーのではなくて!?」
ヒートアップするお義母様はやっぱり怖い。思わず俯きそうになるとお母様が私の背中に手をあてた。
『セシリー、今からお母様が言う事を言ってね。大丈夫、あんな女怖くないわ』
(……うん、わかった)
『何故、反省しないといけないのですか? わたしは侍女が朝の準備を手伝ってくれません。1人でしています。1人でするから時間が掛かるのは仕方がない事では? それにこのお洋服は私のクローゼットにあった物。キャシーのお洋服だという証拠は? 大体、キャシーは私のお洋服をいっぱいとって行って私のお洋服かキャシーのお洋服かなんて見分けがつかないじゃないですか……。望んだものは全てキャシーの物になるのですから……』
私はお母様の言う事をお義母様に言った。ちゃんと間違えなく。
お義母様はまさか私が反論するとは思わなかったらしい。口をパクパクさせて驚いている。驚いているのはお義母様だけではなく、お義父様も驚いていた。キャシーだけが状況が分からない様な顔をしていた。
「ですからわたしはわるくありません」
驚いていたお義母様は徐々に言われた事を理解して来たのでしょう。顔を真っ赤にさせて怒り始めます。
「なっ! なっ! なんですって!」
その瞬間お義母様は席から立ち私に近づいて来ました。その鬼の様なお顔に私は怖くて動けません。そしてお義母様は手をあげて私を打とうとしました。
叩かれると思ったらお母様が私の事を抱きしめました。
『なんて、愚かな女。私の娘に手を上げるなんて……』
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