淫神の孕み贄

沖田弥子

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宰相の奸計 3

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「……動きます」
「どんなときに?」
「えっと……愛撫されたときとか……」
「具体的に仰ってください」

 もっとも腰が動くのは、絶頂を極めたときだ。咥え込んだ雄芯をきつく引き絞りながら、がくがくと腰を上下させている。
 ……と、口にするのはとてもじゃないけれど憚られる。

「絶頂のとき……です」

 省略して説明すると、ファルゼフは小さく嘆息した。

「まあ、いいでしょう。儀式のときと、感じ方は違いますか?」

 セナは一連の淫神の儀式を思い出した。
 まだ初心だったセナはわけもわからず奉納の儀に出ると、複数のアルファの男たちに抱かれて精を注がれたのだ。そのあとの受胎の儀では、ラシードとハリルから交互に抱かれて、最後の夜は三人で絡み合った。
 どの儀式でもとてつもなく快楽を感じて、乱れ、喘いだ。
 もう五年ほど前のできごとなので、今と感じ方が違うかと問われてもよくわからない。

「どうでしょう……。わかりません」
「それもそうですね。どのように感じているか、明確に言葉で説明するのは難しいでしょうから」

 それでは今までの質問はなんだったのだろうと、セナは首を捻る。
 席を立ったファルゼフは、セナの傍へやってきた。

「質問するよりも、確実な方法がありました」

 鋭い双眸でセナを射貫くと、彼は足元に跪く。
 節くれ立った掌が、膝にかかる薄いローブを捲り上げた。

「え……あの……?」

 男の熱い体温が膝に触れて、どきりとする。セナが身を引くと、その分ファルゼフは身を乗り出して距離を詰めてきた。

「わたくしに淫紋をお見せください。見ないことには、何もわかりませんからね」
「あ……でも、下腹にあるので……」

 ローブを捲り上げて下腹を晒せば、花芯まで見えてしまう。膝から腿へと這い上がる男の不埒な手を、セナは押し留めた。

「構いません。医師には診せるでしょう。それと同じことです」
「それは、そうですけど……」

 医師は診察という目的を持って、他意なくセナに触れる。それに、ふたりきりでということは一切ない。傍には医師の助手と召使いが必ず控えている。
 ファルゼフの言動には、なぜかいやらしさが垣間見える気がするので、警戒してしまうのだ。
 ファルゼフは濃い紫色の双眸で、一心にセナを見つめた。トルキア国の人には珍しい紫の瞳だ。

「わたくしは、セナ様に忠誠を誓っております。決してあなた様に不快な思いはさせません」
「……わかりました」

 そこまで言ってくれるのなら、彼を信じないわけにはいかない。疑うほうが悪いだろう。
 セナは押し留めていた自らの手を、そっと離した。
 男の熱い掌が、太腿をなぞり上げる。
 じっくりと肌の感触を確かめるように触れながら、両手はローブを徐々に押し上げていった。

「……あ」

 なんだか触り方が愛撫のようで、落ち着かない気持ちにさせられる。
 ぞわりと背筋が快感を帯びた。
 ファルゼフの手は足の付け根に到達する。指先で付け根をさすられ、際どい刺激に、きゅんと下腹が甘く疼く。

「ん……っ」

 ローブが捲れて半ば見えている花芯は、緩く勃ち上がってしまっている。
 今日も下穿きは身につけていない。
 他の人は下穿きを身につける習慣があるのだが、セナはつけなくてよいとラシードに言いつけられているためだ。すぐに抱けるからだと気づいたのは、つい最近のことだった。

「勃ってしまっていますね」

 ファルゼフは吐息がかかりそうなほど間近から花芯を見つめている。冷静に指摘されてしまい、セナの頬が羞恥に染まる。
 淫紋を見せるためだけなのに、感じてしまっただなんて、恥ずかしくてたまらない。

「ごめんなさい……触られると、すぐに、こうなってしまうんです……」
「感じやすい体なのですね。素晴らしいことです」

 大胆にローブを捲り上げられた。セナの太股も下腹の淫紋も、ファルゼフの眼前に晒される。もちろん、ささやかな花芯もだ。
 花芯越しの淫紋を目にしたファルゼフは、感嘆の声を上げた。

「おお……これが、王家に代々伝わるという淫紋ですね。初めて見ました。実に精緻な模様だ。なるほど確かに、動き出しそうな気配は感じます。……触れても、よろしいですか?」

 上目を向けたファルゼフは、すでに淫紋に指先を触れさせようとしている。
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