淫神の孕み贄

沖田弥子

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星空の下の密戯 2

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「あの……弄られてるというわけではなくてですね、あくまでも淫紋を動かして僕を懐妊させるために、みなさんが一丸となって手を尽くしてくださっているわけなので、それもすべてはトルキア国の将来のためで……」
「おまえは黙ってろ」

 厳しい声音を出したハリルはグラスを呷ると、すぐにセナの唇にくちづけた。喉奥に純度の高い濃密な酒が流し込まれる。口移しで飲まされると、そのまま喉を鳴らすことしかできなくなる。あまり酒は得意ではないのだが、セナは与えられるままに酒を飲んだ。

「ん……ん……んくっ」
「……ったく、ラシードだけでも邪魔なのに、さらに邪魔者が増えてるじゃないか。セナがあいつらの子を孕んだらどうするつもりなんだよ」

 唇を解放したハリルは、当然の疑問を投げかけた。可能性は低いものの、儀式を行えば他のアルファの子を孕むこともありえる。
 ラシードはフルートグラスを月にかざした。
 そこに注がれている黄金色の液体に、月が閉じ込められている。
 王は月をも捕まえるのかな……と、セナは少々酔いが回った頭でぼんやりと思った。

「問題あるまい。セナが産んだ子はすべて神の子として認めよう。全員に王位継承権を与える」
「本気か⁉」

 驚きを露わにするハリルをよそに、ラシードは黄金色の液体を口に含むと、セナにくちづけた。見た目は爽やかそうな液体の正体は濃厚な酒だ。それがセナの喉奥に、とくりとくりと流し込まれていく。

「んっ……んっ……ぷはっ……」
「儀式を行う目的は安定した王位継承のため。父親が誰であろうと、子に不利益があってはならない。儀式を終えれば、参加したアルファたちに褒賞を与えるのはもちろんだが、セナが特別に気に入ったアルファの子を孕めば……そうだな、子の父親には神の末裔の地位を与えてもよい」

 ハリルはグラスを手にしながら唖然とした。
 驚きながらもセナを引き寄せ、また口移しで酒を飲ませる。

「んん……んくっ……んく……」
「その冗談は俺の胸に秘めておくぞ。まあ、地位を決めるのは王と大神官だからな。ラシード王は誰にでも愛する弟を貸してやるんだから、砂漠よりも心が広い。さすがは王の器ってわけだ」

 ハリルの痛烈な皮肉を、ラシードは優雅な笑みで受け止める。彼はフルートグラスを傾けて酒を含むと、またセナにくちづけた。

「あぁ……にいさ……ん、ん……んくっ、んく」

 先程からふたりに酒を飲まされ続けているので、かなり酔いが回ってしまった。
 セナの意識は朦朧としてしまう。

「誰でもというのは語弊がある。信頼のおける有能な者のみを駒として揃えるのだ。そして有能な者は己の価値を理解しているので、労働と報酬が見合っているか冷静に判断する。彼らの能力を認め、充分な報酬を与えてこそ、駒として存分に利用できるのだ。私は正当な報酬を出し惜しみするような小さい王ではない」
「為政者の考えってやつか。だけど、その報酬がセナってのはどうなんだ。なあ、セナ?」

 問いかけられたセナは、とろんと蕩けた目を向けた。
 くたりとして、ハリルの胸に凭れかかる。

「僕は……みなさんから愛されて……幸せです……」
「おいおい、酔っ払ったじゃないか。誰だ、こんなに飲ませたのは。起きろ、セナ」

 くにくにと指先で乳首を捏ね回される。
 体が弛緩していたので、胸の尖りは柔らかくなっていたのだが、愛撫により瞬く間に硬く張り詰めた。

「んっ……ぁん、そこ……起きちゃいます……」

 酔っているためか、より快感はぶわりと体中に響くように広がる。
 甘い声を上げながら、セナは背を撓らせた。
 そうすると、もっとというように胸は突き出されるので、両の乳首は男の指で入念に押し潰され、いやらしく捏ねられる。
 ハリルは、にやりと口端を吊り上げた。

「完全に酔っ払いだな。誰の男根が一番美味い?」
「ん……ぜんぶ……」
「この欲張りめ。じゃあ、誰の男根が一番でかいんだ?」
「ええと……ハリルさまでしゅ……」
「よしよし、正直だな。ご褒美だ」

 まったりと唇が重ね合わされる。セナは積極的に舌を挿し出して、分厚い舌と絡め合わせた。熱くて濡れた舌の感触が心地好い……
 ハリルの舌は濃厚な酒の味がして、意識はさらに混濁する。
 ふわふわとして、まるで天上の世界にいるようだ。

「んふ……ん……」

 キスと胸への愛撫に酔っていると、大きな掌で尻を掬い上げられる。いやらしい手つきで揉み込まれ、両手で尻を割られると、蕾が風に晒される。

「まったく……こんなに酔わせてしまうとはな。だが、酔った姿もまた愛らしいものだ」
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