白熊皇帝と伝説の妃

沖田弥子

文字の大きさ
上 下
50 / 57

星の瞬く夜 2

しおりを挟む
 いつも優しいレオニートが見せる狂おしいほどの熱情に、欲しがってくれているのだと感じて結羽は胸を熱くした。
 溶け合うほどに擦り合わせた互いの舌が、とろりと銀糸を伝わせる。
 慈しむような紺碧の眼差しをむけたレオニートは、また濡れた唇を啄んだ。

「結羽、結羽……愛しい……私のものだ」

 心の奥底まで染み込んでいくような、甘く深い声音で囁かれる。まろやかな白い肌の隅々にまで口づけが降り、紅い刻印が印されていった。
 淡い色をした胸の突起を指先で捏ねられれば、それだけで甘い痺れが広がり、全身を駆け抜ける。

「あっ……あぁ……レオニート……」

 彼の指先が、唇が、たまらない喜悦を生み出す。
 触れられたところから、氷のように溶け出してしまいそうだ。
 与えられた快感に膝を擦り合わせると、後蕾が濡れている感触に、ふと瞳を瞬かせる。

「えっ……濡れて……?」

 震える花芯の先端からは白蜜が零れていたけれど、それとは違う蜜のようだ。
 身体をずらしたレオニートは片足を持ち上げて、支えた踵を淫靡な舌で舐め上げた。

「これは結羽の身体の奥から滴る愛液だ。神獣の精を注がれて子を宿せる身体になると、そこから新たな精を求めて愛液が零れてくる」

 くちゅり、と淫らな水音がした。花襞を弄る指先が、愛液が滴ることを証明するかのように、淫猥に抜き差しされる。

「あ、あ……あぅ……ん、ふぁ、あ……」

 欲しがりな身体は長い指を誘い込み、きゅうと食い締める。そのたびに、くちゅくちゅと羞恥を煽る水音が淫靡な褥に響き渡った。

「結羽の中は、こんなにも欲しがっている。奥まで指を呑み込んでいくぞ」

 つぷん、と沈められた指に、媚肉は美味そうにしゃぶりつく。
 蜜壺を探るように蠢かされて、たまらない快楽に仰け反った。どぷんと愛液が腰奥から溢れて吹きこぼれる。

「あっ、ん、はぁ……っ、レオニート……、ほしい……あなたが欲しいんです。もう、ください。僕を、貫いてください……っ」

 息を荒げたレオニートは指を引き抜いた。硬い先端が、濡れた花襞に宛がわれる。
 ずうん、とひと息に腰を推し進められ、獰猛な熱杭は最奥を突き上げた。頭の中が白く染め上げられて、屹立は白蜜を弾けさせる。

「あぁあああ……っ、あっ、あっ……んっ、ぁ……」
「挿れただけで、達してしまったな。なんという淫らな身体だ」
「あぁ……レオニート……、あなたの、おっきい中心が、僕のなかを満たしてくれただけで、達してしまう淫らな妃をゆるしてくださぃ……」

 身体の芯が蕩けるような甘美な余韻に浸る。達した衝撃に戦慄く身体を、レオニートは逞しい雄芯で優しく揺すり上げた。

「私の妃は淫らで美しい。さあ、その身体の奥深くで、もっと私を感じてごらん」

 じっと見つめ合いながら、ゆっくりと、深い抽挿が送られる。
 絡み合う眼差しから、濃密に蕩けていく。
 抜き差しされるたびに花襞はいやらしく捲れて、硬い楔を深く銜え込む。濡れた媚肉は愛しい楔をやわやわと締めつけ、奥まで誘い込んだ。
 互いの手を繫ぎ、指が絡められる。溶け合うような一体感が身体中を巡り、甘い痺れに満たされた。

「結羽……好きだ。好きだ。何度伝えても、言い足りない」

 レオニートの真摯な双眸から、身体の最奥を穿つ楔から、唇から零れ落ちる愛の告白から、すべてに彼の想いが込められて、心に深く染み込んでいく。

「僕もです。愛しています、レオニート……あっ、あん、あぁ……っ」

 感じる媚肉をずちゅずちゅと抉られ、激しい抽挿に身体が揺さぶられる。
 腰骨が灼けるような熱さと痺れに襲われて、再び絶頂を極めた。
 ぐうっと最奥に押し込まれた楔が爆ぜる。熱い精が迸り、奥へ奥へと注がれていった。
 身体の深いところまで濡らされていく感触に、極めた余韻が交わる。

「あ……あ……孕んじゃう……。赤ちゃん、できちゃう……」

 濃厚な子種は滔々と隘路に注ぎ込まれ、子宮を満たしていく。
 レオニートの熱い腕にきつく抱き込まれながら、愛する人の精を受け入れた。
 それは、幸せの証だった。

「何度でも孕ませてやろう。たくさん子が欲しいな。それだけ私が、結羽を愛したということになるのだから」

 汗に濡れた額に張り付いた銀髪を、結羽はそっと掻き上げながら微笑みかける。
 交わされた触れるだけの口づけは、やがて深いものに変わっていく。
 繫がれたふたりの身体は冷めることを知らず、星の瞬きが暁に消えるまで、幾度も情熱を確かめ合った。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

腹黒上司が実は激甘だった件について。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:138

異世界ライフは山あり谷あり

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:667pt お気に入り:1,554

番犬αは決して噛まない。

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:47

異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:988pt お気に入り:33

異世界のんびり散歩旅

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2,216pt お気に入り:745

離婚したαとΩ元夫夫が復縁する話

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:585

婚約破棄されたけど前世が伝説の魔法使いだったので楽勝です

sai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:894pt お気に入り:4,184

戀する痛み

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:2

処理中です...