3 / 10
ソメイヨシノ
私の急成長
しおりを挟む
「宮田さん!」
先程見とれていた、まるで雲の上の上みたいな人が私の名前を呼んだ。
そして私のことをキラキラした綺麗な目で見ていた。
えっ、これどういう状況なの
どうにも脳が現実として受け止めていないらしくふわふわとして、ドキドキとしている。
それだからなのか、変なことを口走りそうだ。
「えっ、わ、私のこと?」
「うちのクラス宮田さんはあなたしかいないよ?」
(まじかよ…)
本当に私は周りに関心がないようだ。
「ん、なんか…私、粗相でも…?」
少々怯えながら聞いた。
「え?いやいや、私ただ宮田さんとお話したくて!」
クスクスと笑いながら彼女はそう言う。
「宮田さん、昨日見た時からなんとなくだけど話したいなって思ったの。よかった!同じクラスなら沢山話せるね!」
(…笑顔が眩しい)
私は上手く笑えているだろうか。
顔の筋肉が少し引きつっているのがわかる。
彼女から見て私はどう見えているのだろう?
話したいって言ってたのは少しは魅力的に思ってくれたと言うことだろうか?
それとも怖いもの見たさのような好奇心なのだろうか?
「宮田さん、私の名前覚えてる?あ、私は宮田さんの名前フルネームで覚えてるからねー」
「えっ」
名前覚えてもらえた。
関心持ってくれてるのだろうか?
「唐木ユキネさん」
「せいかーい!嬉しい!ありがとうー!」
私の手を取りブンブンと振り喜ぶ。
一挙一動が魅力的だ。
私には無いような、むしろ正反対な人だ。
クラスの中心でみんなをまとめて、旗を掲げるような。
みんなを導く先導者みたいな。
歩く集団の数歩後ろをただ歩く私みたいな人間とは天と地の差だ。
しばらく話すとなんとか人並みくらいには話せるようになった。
彼女は私の住んでいるところのすぐ近くに住んでいた。中学は違うが、駅は隣の駅を使用しているらしい。
彼女の家は四人家族だそうだ。お母さんとお父さんとナナちゃん(猫)。
彼女は実の所すごく親しい友達がいないと言った。「だから私もひとりぼっちだ」と笑って私の肩を叩いた。
彼女は私をこれからハルカと呼びたいと言った。願ってもないことだ。是非、と言ったら「ハルカも私のこと呼び捨てね!」だと言われた。善処したい。
彼女は辛いものも甘いものも好きらしい。ただし苦いものは嫌いだと言った。
彼女はその休み時間が終わっても次の休み時間も、その次の休み時間も私に話しかけた。私が他の子と話さないのかと聞くと「私はハルカと話してたいから話してるんだよ!」とニコニコしながら言った。ちなみに授業中もちょくちょく話しかけてくる。
明るい人柄で、自分を表現するのがとても上手な、私とは大違いな完璧な子だと思う。
でも不思議と劣等感とかは感じなかった。
むしろこのまま話していたい。
初めてそんな考えに至った。
自分でも驚いた。
彼女は学校が終わって、「一緒に帰ろ?」と私に言った。他の子が昇降口で彼女に帰ろうと誘うと、彼女は決まって「私一緒に帰る人いるから」と笑顔で答えた。
正直困惑していた。
何故こんなにも私と時間を共有するのだろう?
ただそれを聞くとこの時間が二度と来なくなるような気がして聞けなかった。
電車の中で私がユキネにケータイでのメッセージアプリで友達になって欲しいと恐る恐る言った。
ユキネは静かな電車の中で、
にっこりわらってOKの手を作った。
......................................................
「あ、私駅次だ。」
ユキネが電車内のアナウンスを聞き、少し残念そうに言った。
「ん、本当だ。…やっぱり4駅だと早いね。」
だいぶ話せるようになった私はそう言った。
「ね、ハルカ。駅近いし一緒に学校行かない?」
「えっ…い、いいの?」
「私が一緒に行きたいって言ってるんだからいいに決まってるでしょー」
(私明日死ぬのかな…)
幸せ過ぎる状況に少し不安を感じながら、
「じ、じゃあ、明日からよろしくお願いします…!」
「もー敬語禁止だってー」
そんな会話をしながら、ユキネは電車から降りていった。
残った電車の中で考える。
(本当にこれ現実なのかな)
(目が覚めたら今日の朝でユキネが話しかけることなんてなくて、)
(私はただ教室の隅でひとりぼっちで、)
(誰とも話すことなく過ごしてく。)
少し手の甲を捻ってみた。
…痛い。夢じゃないのかな。
ぼーっと夢心地になりながら、電車を降りた。
あとで明日の朝の予定をユキネと話そう。
自然と頬が緩む。
今のハルカの笑顔はユキネのように明るい笑顔をしていた。
ハルカ自身はそれに気付かず、今日の自分の欠点なんかを考えながら、帰路に着く。
先程見とれていた、まるで雲の上の上みたいな人が私の名前を呼んだ。
そして私のことをキラキラした綺麗な目で見ていた。
えっ、これどういう状況なの
どうにも脳が現実として受け止めていないらしくふわふわとして、ドキドキとしている。
それだからなのか、変なことを口走りそうだ。
「えっ、わ、私のこと?」
「うちのクラス宮田さんはあなたしかいないよ?」
(まじかよ…)
本当に私は周りに関心がないようだ。
「ん、なんか…私、粗相でも…?」
少々怯えながら聞いた。
「え?いやいや、私ただ宮田さんとお話したくて!」
クスクスと笑いながら彼女はそう言う。
「宮田さん、昨日見た時からなんとなくだけど話したいなって思ったの。よかった!同じクラスなら沢山話せるね!」
(…笑顔が眩しい)
私は上手く笑えているだろうか。
顔の筋肉が少し引きつっているのがわかる。
彼女から見て私はどう見えているのだろう?
話したいって言ってたのは少しは魅力的に思ってくれたと言うことだろうか?
それとも怖いもの見たさのような好奇心なのだろうか?
「宮田さん、私の名前覚えてる?あ、私は宮田さんの名前フルネームで覚えてるからねー」
「えっ」
名前覚えてもらえた。
関心持ってくれてるのだろうか?
「唐木ユキネさん」
「せいかーい!嬉しい!ありがとうー!」
私の手を取りブンブンと振り喜ぶ。
一挙一動が魅力的だ。
私には無いような、むしろ正反対な人だ。
クラスの中心でみんなをまとめて、旗を掲げるような。
みんなを導く先導者みたいな。
歩く集団の数歩後ろをただ歩く私みたいな人間とは天と地の差だ。
しばらく話すとなんとか人並みくらいには話せるようになった。
彼女は私の住んでいるところのすぐ近くに住んでいた。中学は違うが、駅は隣の駅を使用しているらしい。
彼女の家は四人家族だそうだ。お母さんとお父さんとナナちゃん(猫)。
彼女は実の所すごく親しい友達がいないと言った。「だから私もひとりぼっちだ」と笑って私の肩を叩いた。
彼女は私をこれからハルカと呼びたいと言った。願ってもないことだ。是非、と言ったら「ハルカも私のこと呼び捨てね!」だと言われた。善処したい。
彼女は辛いものも甘いものも好きらしい。ただし苦いものは嫌いだと言った。
彼女はその休み時間が終わっても次の休み時間も、その次の休み時間も私に話しかけた。私が他の子と話さないのかと聞くと「私はハルカと話してたいから話してるんだよ!」とニコニコしながら言った。ちなみに授業中もちょくちょく話しかけてくる。
明るい人柄で、自分を表現するのがとても上手な、私とは大違いな完璧な子だと思う。
でも不思議と劣等感とかは感じなかった。
むしろこのまま話していたい。
初めてそんな考えに至った。
自分でも驚いた。
彼女は学校が終わって、「一緒に帰ろ?」と私に言った。他の子が昇降口で彼女に帰ろうと誘うと、彼女は決まって「私一緒に帰る人いるから」と笑顔で答えた。
正直困惑していた。
何故こんなにも私と時間を共有するのだろう?
ただそれを聞くとこの時間が二度と来なくなるような気がして聞けなかった。
電車の中で私がユキネにケータイでのメッセージアプリで友達になって欲しいと恐る恐る言った。
ユキネは静かな電車の中で、
にっこりわらってOKの手を作った。
......................................................
「あ、私駅次だ。」
ユキネが電車内のアナウンスを聞き、少し残念そうに言った。
「ん、本当だ。…やっぱり4駅だと早いね。」
だいぶ話せるようになった私はそう言った。
「ね、ハルカ。駅近いし一緒に学校行かない?」
「えっ…い、いいの?」
「私が一緒に行きたいって言ってるんだからいいに決まってるでしょー」
(私明日死ぬのかな…)
幸せ過ぎる状況に少し不安を感じながら、
「じ、じゃあ、明日からよろしくお願いします…!」
「もー敬語禁止だってー」
そんな会話をしながら、ユキネは電車から降りていった。
残った電車の中で考える。
(本当にこれ現実なのかな)
(目が覚めたら今日の朝でユキネが話しかけることなんてなくて、)
(私はただ教室の隅でひとりぼっちで、)
(誰とも話すことなく過ごしてく。)
少し手の甲を捻ってみた。
…痛い。夢じゃないのかな。
ぼーっと夢心地になりながら、電車を降りた。
あとで明日の朝の予定をユキネと話そう。
自然と頬が緩む。
今のハルカの笑顔はユキネのように明るい笑顔をしていた。
ハルカ自身はそれに気付かず、今日の自分の欠点なんかを考えながら、帰路に着く。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる