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トランキル帝国編
魚の餌は・・・
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道案内は、当然のように脳内辞典に任せて林の中へ入る。
相変わらず、所々光って見えるのは薬草のようだ。
ーオニキス、乗ればいいのに!乗ればいいのに!!
膨らませる頬っぺたがあったらぷっかりして拗ねているんじゃないかと思うぐらいバタバタと飛び跳ねるオニキスに、自分で歩かないとダイエットにならないからと謝りながら先に進む。
久々にしっかりと歩いていると、息が徐々に上がってしまう。我ながら体力がないなぁ。
ようやく目的地に着くと、その自然の美しさに目を奪われた。
木々の隙間から漏れる日差しと、風のそよぎが心地いい。
んーと、背伸びして深呼吸すると先ほどまでの疲れが一気に飛んでいくようだ。
「じゃあ、私は釣りをするから、みんなはのんびりしててね」
ー僕、ご主人様と一緒にいる。
ーオニキスも!!
ーじゃあ、私はもう少し散歩してきますわ。
ーわしも行く!
ーオパール、一緒がいい。
フローとオニキス、オパールは私と居残り、アンバーとルビーくんはお散歩。
ちなみにセラフィとラリマーはお留守番組だ。
誘ったけれど、あの子たちはあんまり家の外に出るのを好まないみたい。
今回の発端であるジェードは誘う間も無く出かけてしまっていた。
釣り道具を出して、釣れた時用にバケツに水を汲んでおく。
さてと、後は餌だ。
川の岩をひっくり返すと、虫がウヨウヨと蠢いていた。
「ゔ・・・」
1匹1匹なら平気だけど、こんなにいると気持ち悪い・・・。
恐る恐る箸で何匹かつまんで縁の深いコップに入れて、と。
その時、オニキスの目がキラキラと光る。
ーこれ、食べていい?いい?
「え、あ、うん、必要な分は取れたし、いいよ」
ーわーい、わーい。
オニキスは、鶏だものね・・・。虫も好物だったらしい。
釣り針に生き餌をつけて、投げ込もうとした時にフローが止めた。
ーそこ、お魚いないよ?
「え?わかるの?」
ー水の中のことはわかる!お魚、こっちにいるよ!!
「ここ?」
ーうん!
先ほど始めようとしたところよりに少し岩陰が多い場所だ。
フローの指示に従って、狙いを定めて針を投げる。
何分も待たないうちにピクピクッと先端が頭を下げた。え、もう食いついた!?
慌てずに、引き上げると立派な魚がとれる。
暴れる魚を抑え、針を外すと準備していたバケツの中へ。
ーただいま戻りましたわ。
ーとれたかー?
「おかえりー。いっぱいとれたよ!」
アンバーとルビーくんが帰ってくる頃には、フローのおかげで大量の魚をとることができた。
ふと、アンバーが何か持っていることに気がついた。
「アンバー、それは何?」
ーこれは、ポポーですわ。とってもおいしいから食べてもらいたくて持ってきましたの!
「ポポー?」
薄緑色の楕円形の実をアンバーから受け取ると、とても甘い匂いがする。
マンゴーやバナナのような南国のフルーツのような香りだ。
「ありがとう。これはデザートに食べようね」
ーええ!
早速、ルビーくんに焚き火の準備をお願いして私は魚の処理を始めた。
内臓をとって、塩をすり込んで、串に刺してと、結構手間がかかる。
ーできたで!
「ありがとう、焼いていくね!」
焚き火の周りを囲むように魚の串を刺して焦げないように、時折ひっくり返しながら焼けるのを待つ。
焼き魚の香ばしい香りが辺りに広がってきた。
食べたい気持ちを我慢して、しっかり焼いた魚はすごくおいしいそうだ。
最初の1匹は、身をほぐして皿の上に置き荒熱をとってルビーくんとフローに。
オニキスは先ほど虫を食べたのでいらないらしい。
アンバーとオパールはもう少しポポーをとってくると行ってしまった。
そんなにおいしいのかな?後で食べるのが楽しみ・・・!
「いただきます!!」
早速串から、魚を頬張る。
皮がパリパリで、身はクセがなくておいしい!!
そうじゃなくても久しぶりのお魚だ。苦労した甲斐があった。
あっという間に1匹食べ終えて、2匹目に突入しようとした時だった。
アンバーとオパールが慌ててこちらにきたのは。
相変わらず、所々光って見えるのは薬草のようだ。
ーオニキス、乗ればいいのに!乗ればいいのに!!
膨らませる頬っぺたがあったらぷっかりして拗ねているんじゃないかと思うぐらいバタバタと飛び跳ねるオニキスに、自分で歩かないとダイエットにならないからと謝りながら先に進む。
久々にしっかりと歩いていると、息が徐々に上がってしまう。我ながら体力がないなぁ。
ようやく目的地に着くと、その自然の美しさに目を奪われた。
木々の隙間から漏れる日差しと、風のそよぎが心地いい。
んーと、背伸びして深呼吸すると先ほどまでの疲れが一気に飛んでいくようだ。
「じゃあ、私は釣りをするから、みんなはのんびりしててね」
ー僕、ご主人様と一緒にいる。
ーオニキスも!!
ーじゃあ、私はもう少し散歩してきますわ。
ーわしも行く!
ーオパール、一緒がいい。
フローとオニキス、オパールは私と居残り、アンバーとルビーくんはお散歩。
ちなみにセラフィとラリマーはお留守番組だ。
誘ったけれど、あの子たちはあんまり家の外に出るのを好まないみたい。
今回の発端であるジェードは誘う間も無く出かけてしまっていた。
釣り道具を出して、釣れた時用にバケツに水を汲んでおく。
さてと、後は餌だ。
川の岩をひっくり返すと、虫がウヨウヨと蠢いていた。
「ゔ・・・」
1匹1匹なら平気だけど、こんなにいると気持ち悪い・・・。
恐る恐る箸で何匹かつまんで縁の深いコップに入れて、と。
その時、オニキスの目がキラキラと光る。
ーこれ、食べていい?いい?
「え、あ、うん、必要な分は取れたし、いいよ」
ーわーい、わーい。
オニキスは、鶏だものね・・・。虫も好物だったらしい。
釣り針に生き餌をつけて、投げ込もうとした時にフローが止めた。
ーそこ、お魚いないよ?
「え?わかるの?」
ー水の中のことはわかる!お魚、こっちにいるよ!!
「ここ?」
ーうん!
先ほど始めようとしたところよりに少し岩陰が多い場所だ。
フローの指示に従って、狙いを定めて針を投げる。
何分も待たないうちにピクピクッと先端が頭を下げた。え、もう食いついた!?
慌てずに、引き上げると立派な魚がとれる。
暴れる魚を抑え、針を外すと準備していたバケツの中へ。
ーただいま戻りましたわ。
ーとれたかー?
「おかえりー。いっぱいとれたよ!」
アンバーとルビーくんが帰ってくる頃には、フローのおかげで大量の魚をとることができた。
ふと、アンバーが何か持っていることに気がついた。
「アンバー、それは何?」
ーこれは、ポポーですわ。とってもおいしいから食べてもらいたくて持ってきましたの!
「ポポー?」
薄緑色の楕円形の実をアンバーから受け取ると、とても甘い匂いがする。
マンゴーやバナナのような南国のフルーツのような香りだ。
「ありがとう。これはデザートに食べようね」
ーええ!
早速、ルビーくんに焚き火の準備をお願いして私は魚の処理を始めた。
内臓をとって、塩をすり込んで、串に刺してと、結構手間がかかる。
ーできたで!
「ありがとう、焼いていくね!」
焚き火の周りを囲むように魚の串を刺して焦げないように、時折ひっくり返しながら焼けるのを待つ。
焼き魚の香ばしい香りが辺りに広がってきた。
食べたい気持ちを我慢して、しっかり焼いた魚はすごくおいしいそうだ。
最初の1匹は、身をほぐして皿の上に置き荒熱をとってルビーくんとフローに。
オニキスは先ほど虫を食べたのでいらないらしい。
アンバーとオパールはもう少しポポーをとってくると行ってしまった。
そんなにおいしいのかな?後で食べるのが楽しみ・・・!
「いただきます!!」
早速串から、魚を頬張る。
皮がパリパリで、身はクセがなくておいしい!!
そうじゃなくても久しぶりのお魚だ。苦労した甲斐があった。
あっという間に1匹食べ終えて、2匹目に突入しようとした時だった。
アンバーとオパールが慌ててこちらにきたのは。
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