タイムスリップした私は、前世の『私』を助けようと思います!

夜船 紡

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結果として、私は無事にフェルデ様の使用人として雇われる事が決まろうとしている。
と、いうのも当然。熱を出し弱っていたカレンにフェルデ様のお見舞いというアプローチは見事的中したのだ。
最初はそこそこ「婚約者でもない女性のもとに・・・・」と言っていたらしいが、3日続けて訪問し、心配の言葉をかけ続けたらしい。最後は少し寂しげに見送ってくれたそうだ。
私でも、ちょろい、ちょろ過ぎるぞと思うが、熱が下がるまで毎日自分の好きなものを持ってきてくれて、寂しい時に側にいてくれた異性に対して情が湧くのは当然だ。

さて、今何故決まるではなく、決まろうとしていると現在進行形なのかというと、この間の少女達が目の前でピーチクパーチク騒いでいるからだ。

「やっぱりぃ~納得出来ないです~」
「そーですよ!私達の方が優秀です!!!」
「突然来た子に、務まるんですか?」

最初の語尾が伸びてずっとクネクネと動く少女。
お色気のつもりかな?大きな胸をグイッと突き出してセクシーポーズでアピールしている。名前はサリーというらしい。真ん中でリーダーのように責め立てるのは私を叩いたナナリーだ。こういう使用人の世界だとコネとか権力がモノをいう。まあ、それなりのお嬢様だったのだろう。
親の為にもフェルデ様のご寵愛を受けたいけど、本命はあの庭師見習いだろう。秘めた恋って奴。
そして最後に言ったのはマリー。既に17歳の彼女はドワーフの血でも引いているのでは?と思ってしまうほどに姿形が幼く、幼女趣味の者に捕まりそうな姿をしている。
そんな彼女が訴えると悪いことをしていないのになんだか悪いことをしているように感じるのは、多分、年下の子に攻められるあの感覚に似ているからだろう。
だが、対するトルテさんも負けてはいない。

「いい加減になさい!!貴方達はいつから旦那様の指示に文句を言える立場になったのですか?!」

ピシャリと鶴の一言。
その言葉にゔっと詰まる少女達。これで勝敗は決まるか?と思われた・・・その時。

「ですが、それでは私達の立場がありませんっ」

くっと唇を食い締めて、悔しそうにこちらを睨みつけるナナリー。
その言葉にトルテさんはため息をついて「これは決定事項です。それに、彼女は私の訓練をこの数日で完全にこなしました。貴方達にそれが出来ますか?」と彼女達を見つめた。

「トルテ様の訓練ってあの地獄の・・・」
「1つでも間違えたらやり直しで、何人もの失格者が出た・・・?」
「この屋敷の3大闇と言われているやつですよねぇ?」

ちょっと、先程まで親の仇みたいな目で私を見てたのに、どうしてあなた達、そんな慈悲の目で私を見てるの?!
え、マジでトルテさんの教えってそんなに厳しいものだったの?!
・・・3日しかないから詰めこないとダメだし、厳しくて当たり前だと思ってたんだけど、もしかして元々そうだったの・・・・?

「私が教えたこの子に、まだ何か?」
「い、いえ、ないです!あの訓練を耐え抜いた人に言う言葉なんてありませんっ!!」
「わ、私も!!」
「失礼しますわぁー!!!」

脱兎の如し。もう見えなくなったー・・・。
彼女達の逃げっぷりに驚いていると、トルテさんが私の手をつかんだ。

「本当に、よくやったと思うわ。私もここまでちゃんと出来るようになるとは思っていなかった」
「トルテさん・・・あの、私・・・」
「まあ、教えたい事はまだまだたくさんあるから、頑張って頂戴」
「はいっ!これからもよろしくお願いします」

さぁ、いよいよ学園だ。
カレン前世が幸せになりますようにっ!

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