7 / 29
本編
6
しおりを挟む
契約を交わしたその日から、マリア様とお話をしていても、アリーヌ様は何も仰らなくなった。
それどころか、時々はなしかけてこられ、本当はマリア様のあの笑顔を見て離すべきではないと思っていたと言ってくださった。
アリーヌ様も、マリア様の環境には内心思うものがあったのだろうか?
もし、そうならば・・・
「おい、お前!」
ある日、そんな事を考えながらいつもの廊下を歩いていると5、6歳ぐらいだろう男の子に呼び止められた。
マリア様とよく似た淡い亜麻色の髪はふわふわしている。瞳は深い森のような翠色。
あ、この子、知ってる。
姿を見た瞬間、気がついた。
マリア様の弟君のクラウス様だ。
原作では、自己肯定力が低く周りに流されやすい性格だった。
これも、幼児期にしっかりと愛情が注がれてない子がなりやすいのよねぇ。
てか、案外あの本の作者って保育関係者だったりして・・・
「俺が呼び止めてるのにっ!聞けよ!!」
あ、つい自分の世界に入っちゃっていたわ。すごく睨んでいらっしゃる。
小さい時は活発な子だったのね、彼。
「申し訳ありません、クラウス様。何か御用でしょうか?」
「最近姉様に近づいてるらしいな、何を企んでる!」
「企むなどと・・・そのようなことはありえませんわ。ドルマン様にも公爵家にもお約束を交わしておりますし、なによりマリア様と話をしていると楽しいのでつい、役割を超えてしまった部分はありますがそれでも後悔はしていませんわら」
「っ!そうかよ・・・(俺も一緒に・・・)」
そういい終わるとプイッと翻して廊下を走っていかれてしまった。
なんか、呟いてた気もするのだけど・・・
そういや、あんまりマリア様とクラウス様が話してるところとかも見てないなぁ。せっかくの姉弟なんだし仲良くすればいいのに。
そうだわ!マリア様にお尋ねしてみよう。
「クラウス様はマリア様がお好きですのね」
「え?どうして??」
「実は、こんなことがありまして」
マリア様のいつものティータイム。
いつものように話を聞いた後、今日あったことを伝えると、マリア様の顔が真っ赤に染まった。
「まあっ!エルゼったら私との話がそんなに楽しいだなんてっ!」
え、そっち?そっちなのですか、マリア様!!?
「でも、クラウスが、私にそれほど興味を持っていたなんて・・・」
「今度、お2人でお茶会をなされてはいかがです?」
「そうね、あの子も普段公爵家跡取りとしての勉強があるからあまり話したことがなかったの。お誘いの手紙を書くわ」
だから、お茶菓子はお願いするわねと、マリア様がおっしゃったので勿論とお返事をさせていただきました。
クラウス様付きの使用人達に色々話を聞いていると、マリア様と同じ、いや、それよりひどいかもしれない。という環境であることがわかった。
クラウス様は、跡取りなので6歳だというのに遊ぶ時間もなくマナーや剣術を学んでいる。
そして、出来が悪いと「公爵家跡取りなのにこんなこともできないなんて」と嘆かれ、よく出来ても「公爵家跡取りなのですからもっと頑張らなくては」と次から次へと学ばさせられるのだ。
もちろん、出来たことに対しての褒め言葉ない。むしろ、跡取りとしては当然といわれる様子。
そのカリキュラムも毎日みっちり入っていて遊ぶ暇もないようだ。
幼児虐待じゃね?これ。
いや、マリア様もネグレクトという虐待受けてたけどさ、頑張っても頑張ってもダメってそれってどんな賽の河原の石積みよ。そりゃ、将来あんな自虐的な子に育つわ。そういや、主人公にちょっとお礼を言われたり褒めてもらっただけで犬のように懐いてたような・・・
え、それってこれが原因?!
マリア様との交流がうまくいったらドルマン様に相談を持ち込んでみようかしら。
マナー教育だけでもマリア様と一緒に学べるように。
てか、同じ教育なら別々よりお互いにやった方がいいのよね。
子どもの競争心を煽ってやる気を起こさせるし。遊び心を入れてあげるとぐんっと伸びも早くなるし。
マリア様に呼び出され、今日クラウス様に宛てた手紙の返事が返ってきたようで、明後日クラウス様とお茶会をされるとのことだった。
よーし、なら、頑張って美味しいお菓子作ります。新作はプリンでいいかな?
それどころか、時々はなしかけてこられ、本当はマリア様のあの笑顔を見て離すべきではないと思っていたと言ってくださった。
アリーヌ様も、マリア様の環境には内心思うものがあったのだろうか?
もし、そうならば・・・
「おい、お前!」
ある日、そんな事を考えながらいつもの廊下を歩いていると5、6歳ぐらいだろう男の子に呼び止められた。
マリア様とよく似た淡い亜麻色の髪はふわふわしている。瞳は深い森のような翠色。
あ、この子、知ってる。
姿を見た瞬間、気がついた。
マリア様の弟君のクラウス様だ。
原作では、自己肯定力が低く周りに流されやすい性格だった。
これも、幼児期にしっかりと愛情が注がれてない子がなりやすいのよねぇ。
てか、案外あの本の作者って保育関係者だったりして・・・
「俺が呼び止めてるのにっ!聞けよ!!」
あ、つい自分の世界に入っちゃっていたわ。すごく睨んでいらっしゃる。
小さい時は活発な子だったのね、彼。
「申し訳ありません、クラウス様。何か御用でしょうか?」
「最近姉様に近づいてるらしいな、何を企んでる!」
「企むなどと・・・そのようなことはありえませんわ。ドルマン様にも公爵家にもお約束を交わしておりますし、なによりマリア様と話をしていると楽しいのでつい、役割を超えてしまった部分はありますがそれでも後悔はしていませんわら」
「っ!そうかよ・・・(俺も一緒に・・・)」
そういい終わるとプイッと翻して廊下を走っていかれてしまった。
なんか、呟いてた気もするのだけど・・・
そういや、あんまりマリア様とクラウス様が話してるところとかも見てないなぁ。せっかくの姉弟なんだし仲良くすればいいのに。
そうだわ!マリア様にお尋ねしてみよう。
「クラウス様はマリア様がお好きですのね」
「え?どうして??」
「実は、こんなことがありまして」
マリア様のいつものティータイム。
いつものように話を聞いた後、今日あったことを伝えると、マリア様の顔が真っ赤に染まった。
「まあっ!エルゼったら私との話がそんなに楽しいだなんてっ!」
え、そっち?そっちなのですか、マリア様!!?
「でも、クラウスが、私にそれほど興味を持っていたなんて・・・」
「今度、お2人でお茶会をなされてはいかがです?」
「そうね、あの子も普段公爵家跡取りとしての勉強があるからあまり話したことがなかったの。お誘いの手紙を書くわ」
だから、お茶菓子はお願いするわねと、マリア様がおっしゃったので勿論とお返事をさせていただきました。
クラウス様付きの使用人達に色々話を聞いていると、マリア様と同じ、いや、それよりひどいかもしれない。という環境であることがわかった。
クラウス様は、跡取りなので6歳だというのに遊ぶ時間もなくマナーや剣術を学んでいる。
そして、出来が悪いと「公爵家跡取りなのにこんなこともできないなんて」と嘆かれ、よく出来ても「公爵家跡取りなのですからもっと頑張らなくては」と次から次へと学ばさせられるのだ。
もちろん、出来たことに対しての褒め言葉ない。むしろ、跡取りとしては当然といわれる様子。
そのカリキュラムも毎日みっちり入っていて遊ぶ暇もないようだ。
幼児虐待じゃね?これ。
いや、マリア様もネグレクトという虐待受けてたけどさ、頑張っても頑張ってもダメってそれってどんな賽の河原の石積みよ。そりゃ、将来あんな自虐的な子に育つわ。そういや、主人公にちょっとお礼を言われたり褒めてもらっただけで犬のように懐いてたような・・・
え、それってこれが原因?!
マリア様との交流がうまくいったらドルマン様に相談を持ち込んでみようかしら。
マナー教育だけでもマリア様と一緒に学べるように。
てか、同じ教育なら別々よりお互いにやった方がいいのよね。
子どもの競争心を煽ってやる気を起こさせるし。遊び心を入れてあげるとぐんっと伸びも早くなるし。
マリア様に呼び出され、今日クラウス様に宛てた手紙の返事が返ってきたようで、明後日クラウス様とお茶会をされるとのことだった。
よーし、なら、頑張って美味しいお菓子作ります。新作はプリンでいいかな?
3
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
離婚と追放された悪役令嬢ですが、前世の農業知識で辺境の村を大改革!気づいた元夫が後悔の涙を流しても、隣国の王子様と幸せになります
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢リセラは、夫である王子ルドルフから突然の離婚を宣告される。理由は、異世界から現れた聖女セリーナへの愛。前世が農業大学の学生だった記憶を持つリセラは、ゲームのシナリオ通り悪役令嬢として処刑される運命を回避し、慰謝料として手に入れた辺境の荒れ地で第二の人生をスタートさせる!
前世の知識を活かした農業改革で、貧しい村はみるみる豊かに。美味しい作物と加工品は評判を呼び、やがて隣国の知的な王子アレクサンダーの目にも留まる。
「君の作る未来を、そばで見ていたい」――穏やかで誠実な彼に惹かれていくリセラ。
一方、リセラを捨てた元夫は彼女の成功を耳にし、後悔の念に駆られ始めるが……?
これは、捨てられた悪役令嬢が、農業で華麗に成り上がり、真実の愛と幸せを掴む、痛快サクセス・ラブストーリー!
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる