【完結】悪役令嬢になんてさせません。

夜船 紡

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本編

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「お誘い、ありがとうございます。姉様」
「ふふ、よく来たわね。どうぞ、座って?今日はエルゼが新作のお菓子を準備してくれたのよ。私も初めてなの。楽しみだわ」
「こいつの・・・?ふーん・・・」
そういって、お二人が席に着き、お茶会が始まった。
今日、準備したお茶菓子は新作の蒸しプリン。
普段、手作りのお菓子は蒸しケーキなのだけれど、クラウス様もいらっしゃるからということで特別だ。
マリア様が、プリンをスプーンでつつき、そのなめらかさに驚いている間に我慢できなくなったのか、クラウス様が一口パクリと召し上がった。
「!!!美味しい・・・」
「本当に。・・・口の中でとろけるようだわ」
「上の茶色い部分が下の甘いとろけるのとあっててすごく美味しい」
「エルゼ、これはなんていうお菓子なの?」
「プリンと申します」
カラメルソースは頑張った。
あれ、ちゃんと見てないと焦げて不味くなるのよね・・・
マリア様が名前を聞くと、「プリン・・・」とクラウス様が呟いた。
クラウス様もマリア様も気に入ったようで早々に食べ終えられ、お2人とも寂しそうなお顔でこちらを見ている。
「おかわり、ごさいますよ。でも、せっかくですのでお2人ともこのように飾ってみませんか?」
そう、実はこのプリン、単体で出したのだ。
そして、今私が取り出したのはプリン・ア・ラ・モードである。
「まあ!見た目がとても鮮やかで素敵ね」
「飾るって?」
「そのようなことはシェフがするものではありませんか」
「確かに、本来なら飾りつけはシェフのお仕事です。ですが、このプリンを好きな果物などで飾れるのは楽しいと思いませんか?」
「ふふ、いつものエルゼの思いつきね?わたくしは構いませんわ」
「ね、姉様がいいのなら・・・」
お2人ともやる気になられたようですし、テーブルの上に輪切りにしたキュウイやウサギの形にした林檎、メロンは円球にくりぬいたもの等、数種類の果物と、それに動物形のアイシングクッキーや生クリームも並べる。
「エルゼったら、これも新作ではありませんか!」
クッキーをみて、マリア様が驚きながら、もうっと笑っている。
生クリームは、以前蒸しケーキにつけたので気にしておられないようだ。
逆にクラウス様は見たことのないお菓子にソワソワとされている。
「では、お皿にプリンを乗せてどうぞ、お好きな具を乗せてみてくださいまし」
そういうとお2人とも、メロンや林檎、クッキーにも手を伸ばしトッピングされていく。その時、クラウス様の手が生クリームのところで止まった。
「これは何??」
「それは生クリームといいまして、バターが、作られる前の状態からしっかりと空気と一緒に混ぜるとこのように滑らかな食感になるのです」
「ふーん・・・」

マリア様は果物を中心にクッキーが所々置かれ、果物の上で動物型のクッキー遊んでいるようなお皿に。
クラウス様は生クリームがお気に召されたようで、生クリームが雪のようにお皿にたっぷり。そこに動物や果物を飾っておられるお皿。
お2人とも、個性豊かなプリン・ア・ラ・モードが完成したようだ。
「まあ、マリア様。初めての盛り付けなのに、とっても美味しそうですわね」
「ふふ。そうでしょう?このクッキーと林檎がとてもいい感じにできたわ!」
「ええ、なんだか、動物たちが楽しく遊んでいるようですわ」
「・・・おれ・・・ぼくも出来た」
ああ、マリア様の前だからいい直したのですね。なんだか、素直。
そして、完成したお皿をこちらに向けてどう?どう??と少し期待したような表情でこちらを見ておられるクラウス様。
これは、思いっきり褒めてさしあげなくては!
「まあ!!可愛らしい。美味しそうに出来ておりますね。まるで雪が地面に降り注いだ後のよう!」
「!そうなんだ。雪が降ったら雪だるまを作るでしょ?ほらここ、メロンを2つくっつけて・・・」
嬉しそうに、自分がした工夫を話してくださる。
うんうんと聞いていると、マリア様もクラウス様のお皿をみて、
「本当。クラウスのも素敵ね」
「ありがとう、姉様。姉様のもとっても素敵だね」
と、お互いに誉め合って食べ始めた。
クラウス様、最初の邪険はなんだったのでしょうか?
すっかり、こちらを見ては嬉しそうに微笑んでこられるのですが・・・
え、なに?原作と同じように誉められたら惚れちゃうチョロいキャラなのでしょうか?
まあ、お2人ともの仲は悪くない様子。
これはますますもってドルマン様にご相談してお2人の教育カリキュラムを一部一緒にしたいなぁ。


「エルゼ!」
「はい?クラウス様」
「これ、美味しかった!」
「ありがとうございます」
「・・・今度から」
ん?
「今度から、作ったら俺の分も作って!」
これ、どうすればいいんだろう??
「まあ、クラウスったら。でしたらまたお茶会に誘いますわよ」
「本当に?姉様」
「ええ。貴方も忙しいでしょうから毎日は無理ですが、時間がある時は一緒に食べましょう」
にっこりと微笑むマリア様を見て何度も何度もクラウス様はうなづかれた。
「わかった!」
そして、こちらを見て
「エリゼ、またな」
そうしてお茶会は終わった。

これから2.3日に1度クラウス様も一緒にお茶会をするようになるのだった。
そして、お2人とも自身が出来るようになったことを私に話してくださり、誉められるのを待つようになられた。
そのキラキラした目、とっても可愛いです。はい。
そして、そうしているうちにクラウス様も尊大な態度も取らなくなり、授業の成績も上がったと、クラウス様付きの家庭教師の方から聞いた。

そして、再びドルマン様から呼び出しを受けた。
あ、ちょうどいい。ご相談したかったし。
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