【完結】覆面セクシーダンサーは昼職の上司に盲愛される

鳥見 ねこ

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2章 VIPルームへご招待

9.聖堂騎士に捕まっちゃう

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 大聖堂の中庭で、考え深げに右手を口元に当てる神官長をみつけた。

 あの右手を知っている。
 長い傷のない白い冷たい指。男らしく骨張った手だ。
 その温度までよく知っている。

 あの手が昨夜、俺の腹を撫で、その下まで辿って……。
 思い出したとたん、俺の股間が反応しそうになった。
 こんなところで暴れるなよ可愛い息子!この荘厳な大聖堂で股間膨らませている男がいたら、聖堂騎士に捕まっちゃう!

 騎士が騎士に捕まるって不名誉すぎる自重しろ!

 男は対象外なのに、なんだろうな? あの人を見ているとナニカを暴きたくなる。
 その禁欲的な服の中のエロスを。
 冷たい表情の裏の可愛げを。

 この大聖堂によってか、押し込められたナニカがあるんじゃないかと思ってしまう。
 本当にそんなものがあるのか、知る機会はなさそうだけど。

 バチッと神官長と目があった。

「なんだ?」

 長く立ち止まりすぎた! ってか舐めるように見過ぎた?!

「ッ、日差しが強いので、暑いのではないかと……」

 言い訳っぽく聞こえたかな? なぜ見ていたかなんて、本当のことを言えるはずがない。
 今度は神官長が俺の全身を舐めるようにみた。

「おまえ」

 中庭から回廊に戻ってきた神官長の目は、冷たく鋭い。
 俺をさっきよりも近くからみるその目。
 まるで人の心の中まで見通しそうなほどで。

 まさか………………

「昼休憩だろう。腹が鳴っているぞ。早く行け」

 うむ、全然見通してなかった!

「はっ! 失礼します!」

 バレる前に退散だ!
 敬礼して、食堂へ急げ!



 今夜もショーパブの出勤日だ。昼職の夜勤のない日で店の空いている日は出勤している。
 ここにきて、寝不足が辛くなってくるな~。大聖堂の警備は太陽の光のせいか意外と目が冴えてシャキッとしていられた。
 ショーパブはダメだ。薄暗い。眠くなる。

 眠気覚ましに楽屋をウロウロしながら他のキャストにちょっかいかけていたら、しまいにはウザいって灰皿が飛んできた……。
 しかたなく大人しく、オカン気質リックの背を借り、うつらうつら睡魔と戦う。
 もういっそ、しばらく寝た方が――

 バンッと扉を開けて店長のジェイが楽屋に入ってきた。
 その似合わない満面の笑顔…………嫌な予感がする。

「やったなランス! またデカい財布がきたぞ! それもおまえ指名だ!」

 ハァ~~~~~~~~~ッ?!!!

 一気に眠気が飛んだ。
 飛びつくように客席が見える小窓からのぞくと、たしかに神々しい後光の差すイケメンがいる!
 眠気が飛んだのはありがたいけど……え? どういうことよ?!

「な、な、な、な、な?!」
「こんなうろたえてるランスみたことない」
「いや、リック!! 代わってくれよ! わかるだろ?!」
「ワカリマセーン。指名受けてるのにいまさら交代なんて、デキマセーン」
「あ……だめだ……心臓が今にも止まりそう……。俺はもう死んだと思ってくれ店長」

 ソファの下に頭を突っ込んで死んだふりをしたのに、店長は冷たい。

「おまえの毛の生えた心臓が簡単に止まるかッ! やっぱり昨日、あの客になんかやらかしたんだな~?! でもまた来たってことはよほど気に入ったんだ。強気でいけ!」

 強気? あの神官長に? ……たぎるね~。いや、こっちは昼間のぞき見してチンコ押さえてた男だよ、大丈夫?

「り、リック~~~~~~ッ」
「まぁまぁ、……昼職では、何もなかったんだろ? 気づいてないってことだよ。量産型騎士の顔なんてしっかり見てないって。店長のいうように、むしろ強気で行ったほうがダンサーと騎士のギャップで気づかれないさ!」

 リックは椅子の下に潜った俺の背中をポンポン叩いて励ましながらヒソヒソ言った。
 たしかに? たしかにそうか? 一理あるんだよな~こいつの言うことは。
 ギャップのある方が、似ていてもまさかってなるだろうし。

「なるほど? 鋭い考察だな。よっし! 今日もあおっていくか!」
「「調子乗ってやらかすなよ」」

 リックと店長から忠告が飛んできた。
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