40 / 69
7章 暗躍ランス
40.デカイ男を攻めるな
しおりを挟む
いつものVIPルームの前に、黒服がガードマンのように立っていた。
こいつはミーシャに抱き込まれているやつだ!
「ら、ランス!」
慌てふためく黒服の襟を締め上げる。
熊のような体格の黒服だけど、こっちだって昼間は騎士として鍛えてんだ。鍛え方が違う。
釣り上げるように襟締めして扉に叩きつけて抑えこんだ。
「おい、中に誰がいる? ミーシャだろ!」
冷静なつもりなのに、体の奥から怒りが込み上げてきて声が震えそうになる。
「う、う!」
かすかにコクコクうなずく黒服を廊下に放り出し、勢いよく扉を開けた。
「ウォーレン!」
………………ベッドで仰向けに伸びているミーシャの横で、ウォーレンがびっくりした顔でこっちを見ている。
入ってきたのが俺だと気づくと、安堵なのか肩から力が抜けた。
「ッ! ランスか」
「……何があった? 魔法で眠らせたのか?」
ベッドの上のミーシャに近づいてよく見ると、ほぼ全裸のミーシャが口から涎をたらしながら寝ている。
「え? いや、私もよくわからないんだが、彼があなたのことで話があると部屋に入ってきたんだ。なのに服を脱いだり私に抱きついてきたりと錯乱していて、揉み合っているうちに肘が当たってしまった」
サカって襲ったのに錯乱で片付けられてる。それも、魔法すら必要としないで昏倒させられてるし……。
冷静になれば、細くて中性的なミーシャが、がっしり筋肉のついたウォーレンを無理矢理押し倒すのは体格差がありすぎる。
無理すんなよミーシャ……。デカい男を攻めるのが好きなんだろうけどな……。哀れなやつよ。
「はぁ~~~~っ。焦っただろぉ……もぉ」
「私も焦ったよ、気絶させてしまって。彼は大丈夫だろうか」
こっちが焦ったのはミーシャが寝てることに対してじゃなく、ウォーレンが襲われそうになったことに対して、なんだけど。
他のキャストがウォーレンに手を出すのかと思ったとたん、怒りが湧いた。
この気持は横取りされそうになったことに対する独占欲か?
「こいつは大丈夫だよ。しばらくしたら起きるだろ」
「そうか、顔色もいいしな」
ミーシャに手を伸ばしたウォーレンの手を思わずつかんでいた。
「……? ランス?」
とっさに出た手。その意味を考えるとジワジワ顔が熱くなる。
子供っぽい感情じゃないか? 他のやつに構うなっていう独占欲は。
「ランス、どうした?」
「……ウォーレンは俺の客だ。それなら他のキャストには触るな」
「……?? あぁ、そういう店のルールなのか、すまない」
取り消せない行動に観念して、こぼした本音がまた斜め上に解釈された。
ルールなんて無機質なもんじゃない。
もっとドロドロした執着だって話をどう解らせればいい?
「じゃ、なくてさぁ。金を出して俺を指名したならこの時間、俺はあんたのもの。そしてあんたは俺のもの。そこに他人が割り込んでくるのは嫌なんだよね」
ウォーレンがギシッと固まった。ウォーレンが驚いた顔で俺の顔をマジマジと見てくる。
「この時間は……ランスが私のもの……だったのか?」
「だから、俺を指名すんなら他のキャストに浮気すんなよ」
これが精一杯の牽制だ。これで伝わったか?
掴んでいた手を外されて、ウォーレンの手に握られた。
「わかった、誓おう。今回の件も本意ではなかった。不問にしてくれるか?」
ウォーレンに手のひらへキスされた。その誓うようなしぐさに心臓がギシギシきしむ。。
恥ずかしい独占欲を見せた。それでも当然のように受け入れられるってのはくすぐったくてしかたない。
「ん……許す」
ウォーレンのはにかんだ笑みを堪能する間も無く、抱きしめられてキスされた。
頭を撫でられながら、じゃれあいのようなキスで何度も唇を押し付けされた。
ずっとウォーレンのペースなのがじれったく、噛みつこうと口を開く。
いや、ちょっと待て!
「ん……ば、まてまてっ」
「なんだ?」
やっと我にかえった。キスに流されている場合じゃなかった!
「気づいてたか? 向かいのVIPルームにあんたの監視対象者が入ってんだ」
「あぁ、ショーの時にバルコニーにいるのが見えた。今はカーテンがかかっていて、よく見えないが」
バルコニーから向かいをのぞくと、たしかにバルコニーに面する入り口にはカーテンがかかっていて、中が見えない。
「ショーの時にはひとりだったか?」
「あぁ、そうだ」
「それじゃ、後から取引相手がくるのかもな。いつもは下のホールにいることも多いだろう? 今日はあのVIPルームを取ってる。ってことは、そうとう見られたくない大物が来るのかも知れねぇ」
「それはそうだが……」
戸惑い気味に口ごもるウォーレンにニヤリと笑った。
ミーシャに抜け駆けされたときは頭に血が上ったけど、今はそれを逆手にとって状況を変えてやりたい。
「俺がミーシャの代わりにあの部屋に行ってくる。それでカーテンを開けてやる」
「なんだと?!」
ウォーレンにグッと肩を掴まれた。
「ミーシャがあの部屋のキャストに指名されてるけど、不幸中の幸い、こいつはここで伸びてるわけだ。誰かがキャストにつくんだから、おまえがオーケーするなら黒服を言いくるめて、あの部屋のキャストについてやる」
「いや、しかし」
言い淀むウォーレンの胸を拳でトントンと叩いた。
「最初に協力しろって言ったのはおまえだろ。今まで大したことができてないんだ。もうちょっと協力させろ」
「………………あなたは充分、協力している。だが……無理しない程度に、お願いできるだろうか」
「任せろ」
ただ、ミーシャをこのままここに残していくのは不安が残る。タオルで腕を縛り上げてベッドに転がした。
「なぜ腕を?」
「目が覚めたらまたあんたを襲うかもしれねぇだろ!」
ミーシャを置いて部屋の扉を開けると、ミーシャに抱き込まれている黒服が不安げな顔でこっちを見た。
「ミーシャはアクシデントで寝てる」
「なっ、ミーシャが寝てる?! 何したんだ!」
「何したってか、何するつもりだったんだってのは、こっちのセリフなんだけどなぁ?」
「うっ……」
「ちょっと寝てるだけだ。でも、向こうの客を待たせておけねぇから俺が行く。ウォーレンにも過失があったからってんで同意済みだ。ミーシャはこっちで寝かせとけば良い。ちょっとキャスト変更をするだけだ」
「しかし」
「てめぇ、ミーシャに協力して俺をはめようとしたな? そこをミーシャのドジを庇ってやろうって言ってんだよ、感謝しろ」
「……分かった」
これで黒服の合意をもぎ取れた。
部屋の中からこちらを見ているウォーレンに、手をヒラヒラと振って部屋を出た。
こいつはミーシャに抱き込まれているやつだ!
「ら、ランス!」
慌てふためく黒服の襟を締め上げる。
熊のような体格の黒服だけど、こっちだって昼間は騎士として鍛えてんだ。鍛え方が違う。
釣り上げるように襟締めして扉に叩きつけて抑えこんだ。
「おい、中に誰がいる? ミーシャだろ!」
冷静なつもりなのに、体の奥から怒りが込み上げてきて声が震えそうになる。
「う、う!」
かすかにコクコクうなずく黒服を廊下に放り出し、勢いよく扉を開けた。
「ウォーレン!」
………………ベッドで仰向けに伸びているミーシャの横で、ウォーレンがびっくりした顔でこっちを見ている。
入ってきたのが俺だと気づくと、安堵なのか肩から力が抜けた。
「ッ! ランスか」
「……何があった? 魔法で眠らせたのか?」
ベッドの上のミーシャに近づいてよく見ると、ほぼ全裸のミーシャが口から涎をたらしながら寝ている。
「え? いや、私もよくわからないんだが、彼があなたのことで話があると部屋に入ってきたんだ。なのに服を脱いだり私に抱きついてきたりと錯乱していて、揉み合っているうちに肘が当たってしまった」
サカって襲ったのに錯乱で片付けられてる。それも、魔法すら必要としないで昏倒させられてるし……。
冷静になれば、細くて中性的なミーシャが、がっしり筋肉のついたウォーレンを無理矢理押し倒すのは体格差がありすぎる。
無理すんなよミーシャ……。デカい男を攻めるのが好きなんだろうけどな……。哀れなやつよ。
「はぁ~~~~っ。焦っただろぉ……もぉ」
「私も焦ったよ、気絶させてしまって。彼は大丈夫だろうか」
こっちが焦ったのはミーシャが寝てることに対してじゃなく、ウォーレンが襲われそうになったことに対して、なんだけど。
他のキャストがウォーレンに手を出すのかと思ったとたん、怒りが湧いた。
この気持は横取りされそうになったことに対する独占欲か?
「こいつは大丈夫だよ。しばらくしたら起きるだろ」
「そうか、顔色もいいしな」
ミーシャに手を伸ばしたウォーレンの手を思わずつかんでいた。
「……? ランス?」
とっさに出た手。その意味を考えるとジワジワ顔が熱くなる。
子供っぽい感情じゃないか? 他のやつに構うなっていう独占欲は。
「ランス、どうした?」
「……ウォーレンは俺の客だ。それなら他のキャストには触るな」
「……?? あぁ、そういう店のルールなのか、すまない」
取り消せない行動に観念して、こぼした本音がまた斜め上に解釈された。
ルールなんて無機質なもんじゃない。
もっとドロドロした執着だって話をどう解らせればいい?
「じゃ、なくてさぁ。金を出して俺を指名したならこの時間、俺はあんたのもの。そしてあんたは俺のもの。そこに他人が割り込んでくるのは嫌なんだよね」
ウォーレンがギシッと固まった。ウォーレンが驚いた顔で俺の顔をマジマジと見てくる。
「この時間は……ランスが私のもの……だったのか?」
「だから、俺を指名すんなら他のキャストに浮気すんなよ」
これが精一杯の牽制だ。これで伝わったか?
掴んでいた手を外されて、ウォーレンの手に握られた。
「わかった、誓おう。今回の件も本意ではなかった。不問にしてくれるか?」
ウォーレンに手のひらへキスされた。その誓うようなしぐさに心臓がギシギシきしむ。。
恥ずかしい独占欲を見せた。それでも当然のように受け入れられるってのはくすぐったくてしかたない。
「ん……許す」
ウォーレンのはにかんだ笑みを堪能する間も無く、抱きしめられてキスされた。
頭を撫でられながら、じゃれあいのようなキスで何度も唇を押し付けされた。
ずっとウォーレンのペースなのがじれったく、噛みつこうと口を開く。
いや、ちょっと待て!
「ん……ば、まてまてっ」
「なんだ?」
やっと我にかえった。キスに流されている場合じゃなかった!
「気づいてたか? 向かいのVIPルームにあんたの監視対象者が入ってんだ」
「あぁ、ショーの時にバルコニーにいるのが見えた。今はカーテンがかかっていて、よく見えないが」
バルコニーから向かいをのぞくと、たしかにバルコニーに面する入り口にはカーテンがかかっていて、中が見えない。
「ショーの時にはひとりだったか?」
「あぁ、そうだ」
「それじゃ、後から取引相手がくるのかもな。いつもは下のホールにいることも多いだろう? 今日はあのVIPルームを取ってる。ってことは、そうとう見られたくない大物が来るのかも知れねぇ」
「それはそうだが……」
戸惑い気味に口ごもるウォーレンにニヤリと笑った。
ミーシャに抜け駆けされたときは頭に血が上ったけど、今はそれを逆手にとって状況を変えてやりたい。
「俺がミーシャの代わりにあの部屋に行ってくる。それでカーテンを開けてやる」
「なんだと?!」
ウォーレンにグッと肩を掴まれた。
「ミーシャがあの部屋のキャストに指名されてるけど、不幸中の幸い、こいつはここで伸びてるわけだ。誰かがキャストにつくんだから、おまえがオーケーするなら黒服を言いくるめて、あの部屋のキャストについてやる」
「いや、しかし」
言い淀むウォーレンの胸を拳でトントンと叩いた。
「最初に協力しろって言ったのはおまえだろ。今まで大したことができてないんだ。もうちょっと協力させろ」
「………………あなたは充分、協力している。だが……無理しない程度に、お願いできるだろうか」
「任せろ」
ただ、ミーシャをこのままここに残していくのは不安が残る。タオルで腕を縛り上げてベッドに転がした。
「なぜ腕を?」
「目が覚めたらまたあんたを襲うかもしれねぇだろ!」
ミーシャを置いて部屋の扉を開けると、ミーシャに抱き込まれている黒服が不安げな顔でこっちを見た。
「ミーシャはアクシデントで寝てる」
「なっ、ミーシャが寝てる?! 何したんだ!」
「何したってか、何するつもりだったんだってのは、こっちのセリフなんだけどなぁ?」
「うっ……」
「ちょっと寝てるだけだ。でも、向こうの客を待たせておけねぇから俺が行く。ウォーレンにも過失があったからってんで同意済みだ。ミーシャはこっちで寝かせとけば良い。ちょっとキャスト変更をするだけだ」
「しかし」
「てめぇ、ミーシャに協力して俺をはめようとしたな? そこをミーシャのドジを庇ってやろうって言ってんだよ、感謝しろ」
「……分かった」
これで黒服の合意をもぎ取れた。
部屋の中からこちらを見ているウォーレンに、手をヒラヒラと振って部屋を出た。
20
あなたにおすすめの小説
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
追放された『呪物鑑定』持ちの公爵令息、魔王の呪いを解いたら執着溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
「お前のそのスキルは不吉だ」
身に覚えのない罪を着せられ、聖女リリアンナによって国を追放された公爵令息カイル。
死を覚悟して彷徨い込んだ魔の森で、彼は呪いに蝕まれ孤独に生きる魔王レイルと出会う。
カイルの持つ『呪物鑑定』スキル――それは、魔王を救う唯一の鍵だった。
「カイル、お前は我の光だ。もう二度と離さない」
献身的に尽くすカイルに、冷徹だった魔王の心は溶かされ、やがて執着にも似た溺愛へと変わっていく。
これは、全てを奪われた青年が魔王を救い、世界一幸せになる逆転と愛の物語。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる