科学と魔法は紙一重

ハヤト

文字の大きさ
18 / 18
第三章 王都デュランダルと世界樹

第三話 出発

しおりを挟む
 朝起きたらなんか体がだるいし少し熱ぽい気がする。変なもんでも食ったか?…………灰食ったな…。まぁ久しぶりの外出だし頑張るか。

 昨日準備しておいた荷物を背負い馬車に乗る。いつも通り豪華な馬車だ。世界樹は王都の辺りから東に行った所にあるらしい。目まぐるしく変わる景色が段々と森に変わる中、ふと目を肩に移すと兎のような、キツネのようなよく分からない生物が頬を擦り付けてきた。おでこには何やら宝石の様な物が付いている。

「カーバンクルですね。世界樹の森に住む妖精の一種です。」

 メイドさんの言葉を聞いたとき一瞬身震いしたが、まぁ可愛いもんだと抑えた。しかしよく見れば本当に愛くるしい。ファンタジー感が無かったらな~と思いつつ指でそっとカーバンクルを撫でた。

「えっと…あの森とそこから飛び出してるあのバカみたいにでかい木が世界樹ですかね?」

 メイドさんとクリスが首を縦に振る。そこにはほぼ無限と言えるほどに自然が広がり、鳥や動物達の声が聞こえていた。

「ではまた世界樹の実が取れましたらご連絡ください。」

 そう言って馬車は去っていった。眼前にはひたすら森が広がる。ちなみにカーバンクルは未だに俺の方に乗っている。

「そんじゃあ、世界樹まで競走!早くついた方が勝ちね。」

「アホか、迷って魔物の餌になっても知らんぞ。」

 まぁ道に迷っても後ろに行けばこの森を出られるだろう。進むか。



 なんて思ってた時期が俺にもありました。完全に迷った。全部同じ景色に見える。食料などは沢山あるがいかんせん水がない。メイドさんに水の出る木を切ってそれを飲んでいたが一向に世界樹へつける気が……何かに見られているそんな気がする。気のせいか?そうだよな。ここに俺達以外の人がいる訳ないし。

「おーいジロー!こっちだよー!」

 どうやらクリス達が先に行っていたようだ。置いていかれる前について行かなくては。



 誰だ?アイツらは。見たことないな。新兵だろうか。私は木の上から白い服を着た男を見ていた。そう言えばもう百年経つのか、前の実がなってから。………追い返すか。




 歩いていると、急に鳥や動物の声が聞こえなくなった。なんかおかしいなと思っていたが、2人がそそくさと行くのでそれに合わせる。だが違和感に気づいて愛銃を抜き取り後ろを振り向いた。するとそこには魔法帽に緑の服。それに弓を持った人が立つていた。細身で歳は25歳くらいだろうか。

「どうしてここに?ここには人は入らないだろ普通。」

「それなら貴方達もです。それに僕はこの森に住んでますのでお気になさらず。」

 先住民がいたとはな。予想外。

「何をしに来たのですか?ここは関係者以外は立ち入りを断っているのですが…」

「あぁ、いやぁ~ここを抜けた先の村に行こうかと思いましてね。道に迷ってる所です。」

 適当に嘘をつく。もしかしたら村なんて無いかもしれない。無理だったら…帰ろう。

「まだあそこに行こうという物好きがいたのですね。まぁいいでしょう案内します。」

 そう言って男は俺の前を歩き出した。その村に行く途中か行ってからまた世界樹に行けばいいだろう。とりあえずここから出たい。それだけだった。
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

南柱骨太
2017.05.17 南柱骨太
ネタバレ含む
2017.05.17 ハヤト

感想ありがとうございました!
えっとですね。色々あって言えないことが多いのですが、この国の人は連れていかれた後の事を知らないという事を知って置いて下さるとありがたいです。
これからも頑張ります!
(初コメ返しは緊張しますw)

解除

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。  彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。  彼女は思った。 (今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。  今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

真実の愛のおつりたち

毒島醜女
ファンタジー
ある公国。 不幸な身の上の平民女に恋をした公子は彼女を虐げた公爵令嬢を婚約破棄する。 その騒動は大きな波を起こし、大勢の人間を巻き込んでいった。 真実の愛に踊らされるのは当人だけではない。 そんな群像劇。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。