7 / 17
本編
第六話 感情の暴走
しおりを挟む
金色の髪がなびきそれと共に鮮血が飛び散る。僕の前に飛び出た影はシフレだった。
僕の方へ倒れてきたシフレは腕の中でフューと呼吸をしていたが、長くは持たいことは目に見えていた。
「反逆の村を守った反逆者を守るか…。よく分からんな。とはいえ貴様も反逆の村出身なのだから同罪か。」
こいつはなにを言ってるのだろうか?無関係の村の娘を切っておいて罪のがれか。容赦なく剣を構えるロドリゲス公爵が剣を振り下ろすと同時にいつの間にか右手に収まっていた刀で受け止める。
「……フュー……英雄さん。私は強いですか?」
「ああ、立派だった。僕は恐怖で刀を振れなかった。」
虫の息のシフレが僕に問いかけてくる。その間ロドリゲス公爵は片手で自分剣を受け止められ静止している事に驚きを隠せないでいた。
「私もです英雄さん。……ハァハァ……村長が首を跳ねられた時、貴方を止めることしか出来なかった。貴方を逃がすのに必死だった。」
「そうだ!この女や村の人共もそうだ!自分が生きる道しか選ばなかった!だから今こんな…」
「黙れ…。」
膠着状態にあった剣を一閃すると剣はスパッと真っ二つに折れ消滅する。しかし存在そのものは消さなかった。ロドリゲス公爵は恐怖に怯え尻餅を付いた。
「もう何も喋らなくていい。まだ助かるはずだから…じっとしててくれ。」
しかしシフレは首を横に振る。そして僕の左手を掴む。
「英雄さん。最後に貴方の名前を教えて下さい。私だけ言うのは不公平ですよ。」
そっと笑いかけてきた目には涙がこぼれた。僕の目にも涙が溜まる。
「キサラギ……如月 徹それが僕の名前だ。」
「良い名前ですね。私の分まで………生きて………それで………また………天国で………お話ししましょう……ね……」
完全に少女の生命はこの世から去っていった。
左腕で抱えているシフレの亡骸をそっと地面に置き、ゆっくりと立ち上がる。その間に刀から黒い物質が溢れ出し僕の両隣に刀の形状を作って空中で静止する。
「僕は悪人ですか?この村を守ったのに反逆者呼ばわりされ、始めて気の合う人を殺された僕は果たして本当に悪人ですか?」
「そ、そうだ!貴様は悪人だ!裁かれるべき悪なのだ!なら大人しく…」
「悪人は本当に全員が絶対悪なのか…答えは否だ。少なくともと僕は違う。でも…貴方がこの世界の正義なら…僕は…」
右手に握った刀をロドリゲス公爵に向ける。それと 連動して両隣にある刀もロドリゲス公爵の方を向く。そして、めいいっぱいの怒りと憎しみと殺意を込めて微笑み
「喜んて絶対悪になるよ。」
その瞬間に両隣の刀はロドリゲス公爵へと高速で飛翔する。ロドリゲス公爵も負けじと手合わせ術式を唱える。
「か、刀ぐらい何本でもかかってきたまえ!この私が魔法で討ち滅ぼして…」
言い終わる前にロドリゲス公爵の腕を肩から切断する。存在も姿も消滅させない。痛みと恐怖に怯えさせるためである。どす黒い汚れた血が大量に吹き出しロドリゲス公爵は気絶寸前の痛みに耐えていた。
「ああああああッ!ああ…ああ…私の、私の腕がああああああああああああッ!」
ゆっくりとロドリゲス公爵に近づく。しかしこの頃には自分の体の自由が効かなくなっていた。ただ、怒りや憎しみなどの感情を増幅させている、この妖刀と言わんばかりの代物に動かされていた。
切った腕の切断面を切先でグリグリとかき回す。憎しみの感情はこの刀の能力を抑える。今は切れ味が全く無く、ただの鉄の棒で傷口をえぐり返す。声にならない悲鳴をロドリゲス公爵は上げ、何とか出てくる微かな声で僕に訴える。
「す…まな………かった。ハァ…本当に。あれは……事故なのだ。」
「それ以上何か抜かしてみろ。次は両足が飛ぶぞ?」
「ハァ………と、取引だ!取り引きをしよう!ここで見逃してくれたら何でも好きな村をやろう!それに好きな女もやる。な、いい話だろ?」
もちろん応じる気は無いが、遊んで見る。
「そうだな……女か。」
「あ、ああ!好みの女を言ってくれ!そうすれば必ず…」
「シフレをここに連れて来てくれ。ちゃんと生きてる人を。」
「そんなの無理だ…それ以外なら…」
「なら用済みだな。今から死んでシフレに土下座してこい。」
刀を構え一閃し首を飛ばす。悲鳴が聞こえた気がするが無視した。
「そういやこの世から消すから意味無いか。大丈夫だ存在までは消さないから。必ず貴方の帝国に報復しに行くよ。絶対に…」
ここで僕の体力は限界を迎え記憶はそこから飛んでいた。
僕の方へ倒れてきたシフレは腕の中でフューと呼吸をしていたが、長くは持たいことは目に見えていた。
「反逆の村を守った反逆者を守るか…。よく分からんな。とはいえ貴様も反逆の村出身なのだから同罪か。」
こいつはなにを言ってるのだろうか?無関係の村の娘を切っておいて罪のがれか。容赦なく剣を構えるロドリゲス公爵が剣を振り下ろすと同時にいつの間にか右手に収まっていた刀で受け止める。
「……フュー……英雄さん。私は強いですか?」
「ああ、立派だった。僕は恐怖で刀を振れなかった。」
虫の息のシフレが僕に問いかけてくる。その間ロドリゲス公爵は片手で自分剣を受け止められ静止している事に驚きを隠せないでいた。
「私もです英雄さん。……ハァハァ……村長が首を跳ねられた時、貴方を止めることしか出来なかった。貴方を逃がすのに必死だった。」
「そうだ!この女や村の人共もそうだ!自分が生きる道しか選ばなかった!だから今こんな…」
「黙れ…。」
膠着状態にあった剣を一閃すると剣はスパッと真っ二つに折れ消滅する。しかし存在そのものは消さなかった。ロドリゲス公爵は恐怖に怯え尻餅を付いた。
「もう何も喋らなくていい。まだ助かるはずだから…じっとしててくれ。」
しかしシフレは首を横に振る。そして僕の左手を掴む。
「英雄さん。最後に貴方の名前を教えて下さい。私だけ言うのは不公平ですよ。」
そっと笑いかけてきた目には涙がこぼれた。僕の目にも涙が溜まる。
「キサラギ……如月 徹それが僕の名前だ。」
「良い名前ですね。私の分まで………生きて………それで………また………天国で………お話ししましょう……ね……」
完全に少女の生命はこの世から去っていった。
左腕で抱えているシフレの亡骸をそっと地面に置き、ゆっくりと立ち上がる。その間に刀から黒い物質が溢れ出し僕の両隣に刀の形状を作って空中で静止する。
「僕は悪人ですか?この村を守ったのに反逆者呼ばわりされ、始めて気の合う人を殺された僕は果たして本当に悪人ですか?」
「そ、そうだ!貴様は悪人だ!裁かれるべき悪なのだ!なら大人しく…」
「悪人は本当に全員が絶対悪なのか…答えは否だ。少なくともと僕は違う。でも…貴方がこの世界の正義なら…僕は…」
右手に握った刀をロドリゲス公爵に向ける。それと 連動して両隣にある刀もロドリゲス公爵の方を向く。そして、めいいっぱいの怒りと憎しみと殺意を込めて微笑み
「喜んて絶対悪になるよ。」
その瞬間に両隣の刀はロドリゲス公爵へと高速で飛翔する。ロドリゲス公爵も負けじと手合わせ術式を唱える。
「か、刀ぐらい何本でもかかってきたまえ!この私が魔法で討ち滅ぼして…」
言い終わる前にロドリゲス公爵の腕を肩から切断する。存在も姿も消滅させない。痛みと恐怖に怯えさせるためである。どす黒い汚れた血が大量に吹き出しロドリゲス公爵は気絶寸前の痛みに耐えていた。
「ああああああッ!ああ…ああ…私の、私の腕がああああああああああああッ!」
ゆっくりとロドリゲス公爵に近づく。しかしこの頃には自分の体の自由が効かなくなっていた。ただ、怒りや憎しみなどの感情を増幅させている、この妖刀と言わんばかりの代物に動かされていた。
切った腕の切断面を切先でグリグリとかき回す。憎しみの感情はこの刀の能力を抑える。今は切れ味が全く無く、ただの鉄の棒で傷口をえぐり返す。声にならない悲鳴をロドリゲス公爵は上げ、何とか出てくる微かな声で僕に訴える。
「す…まな………かった。ハァ…本当に。あれは……事故なのだ。」
「それ以上何か抜かしてみろ。次は両足が飛ぶぞ?」
「ハァ………と、取引だ!取り引きをしよう!ここで見逃してくれたら何でも好きな村をやろう!それに好きな女もやる。な、いい話だろ?」
もちろん応じる気は無いが、遊んで見る。
「そうだな……女か。」
「あ、ああ!好みの女を言ってくれ!そうすれば必ず…」
「シフレをここに連れて来てくれ。ちゃんと生きてる人を。」
「そんなの無理だ…それ以外なら…」
「なら用済みだな。今から死んでシフレに土下座してこい。」
刀を構え一閃し首を飛ばす。悲鳴が聞こえた気がするが無視した。
「そういやこの世から消すから意味無いか。大丈夫だ存在までは消さないから。必ず貴方の帝国に報復しに行くよ。絶対に…」
ここで僕の体力は限界を迎え記憶はそこから飛んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
女子高生研ぎ師見習い 悪役令嬢に転生しました❗ 〜農高出身転生者の私、勇者の剣を研いだけど、結局追放されました。よっしゃー!~
みちのあかり
ファンタジー
桜 凛(さくら りん)は調理師を目指す農業高校生。調理クラブの先輩から道具の手入れの大切さを叩きこまれ、研ぎの魅力に目覚める。大好きな恋愛シミュレーションゲームの二次制作をしていたら、なぜかゲームの世界の悪役令嬢リリアの子供時代に転生してしまった。
義母義姉からは疎まれ、母屋にも入れてもらえない日々。学園入学する前に餓死しそうよ!
そんな中、農業高校での実習を思い出し、自給自足の生活を。
恋愛フラグ? そんなものよりまずご飯! 自給自足の子供時代
シャベル片手にコカトリスを倒す!
冒険者なら丁寧な言葉遣いなんて使ってられるか!
やさぐれ街道まっしぐら!
偉い人にも忖度なし!
どんどんレベルを上げましょう!
学園編
元王の養女になったリリア。
勇者達の指導係になったり、魔導具開発したり大忙しの学園生活。
目指すは卒業パーティでの追放劇。
早く勇者達から手を切って追放されたいリリアは無事に追放されるように頑張るけれど、ゲームヒロインちゃんが許してくれません。
カクヨムなどで投稿しています。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる