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本編
第七話 愚か者共
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俺達3人はつい先月新米の騎士として帝国に仕えることになった。ベック、トーテル、そしてこの俺オズの3人は8歳の頃からの憧れで、3人で皇帝をお守りすると誓い、剣の技術はほぼ独学だったが研修学校では4、5、6番目を取り有望だとされた。
しかし実際帝国騎士になって見るとそれはヒドイ物だった。騎士だからといって店のものを食っては不味いと言い、金を払わず出てゆく。剣の稽古は怠け遊んでいるものが大多数で、稽古用のカカシも壊れているものはほとんど無い。ホコリを被っているものまである。
最初はお構い無しで稽古をしていたのだが、悪い空気は移ってしまう。最近では稽古もいい加減になり、食い逃げのようなものまでする様になった。
「俺達、騎士なんだよな…」
独り言のようにベックが呟く。今はクラルの街に招集されていた。皇都から少し離れたところにある街で、武器庫などもありそこそこ重要な街である。
「そうだ、俺達は皇帝にお仕えする勇猛な騎士だ……よな?」
「一応そうなってる。」
トーテルが疑問形で返してきたので適当に答える。最近騎士らしいことを全くしていない。警備とか言っても、ただ鎧を着てふらついてるゴロツキの様なことしかしてないし、ナンパだってしたことがある。今も警備で見回りしているが怪しい奴なんていやしない。むしろこっちが怪しいくらいだ。
片手に飲み物を持って歩いていると、前から人がぶつかってきた。反動で飲み物がこぼれる。ぶつかったのはローブを着て黒髪の見るからに軟弱そうな男性だった。尻餅を付いた男性は俺を見上げる。喧嘩をふっかけようと思ったがここは騎士らしく
「すまない、大丈夫か?」
「すみません。飲み物こぼれちゃいましたね。僕が出すので新しいのを買ってください。」
随分気前がいい人だ。本能的に10ルビほどの飲み物を100ルビだと言った。すると出してくれる。チョロイな。すまないなと言いつつ俺は通り過ぎ、少しだけ2人に金を分けた。
数時間たって、何事もなく。そう、何事もなく終わった警備の帰り。いつものように3人で駄弁っていると武器庫の方で爆発がおきた。騎士がまた招集されそこに向かう。ある程度の騎士はもう向かっているようで俺達は援護をしに行くようだ。どうせすぐ終わるそう思っていた。
武器庫前に付いた途端に血の匂いが鼻を刺す。そこら中に死体が転がり、首が無い者や腕がない者もいた。煙の中から人が見えた。左腕を抑えてこっちに足を引きずりながら来た。
「逃げろ新米!君達では手に終え…」
言い終わる前に首が何かに食べられた。グシャッという生々しい音と共に爆発を起こした正体が見える。獅子の頭、山羊の胴、そして蛇の尻尾が見える。
「キマイラだ……キ、キマイラだ!」
キマイラ。魔界にのみ生息しミニオンなどの下級の魔物を食し暮らしている猛獣。何故こんな所に。でもこいつを倒せば軍隊長待ったナシだな。
「みんな…こいつを倒そう。この街の平和を守るために!」
自分の名誉のためです。
10分後、50人を超えていた騎士は今や俺とベックしかいない。鎧が全く役に立たず無残に食いちぎられた死体が積み重なった。トーテルは逃げている途中に鉤爪で胴体から切断された。俺とベックは路地にかくれ、怯えていた。
「な、なぁ。俺達死なねぇよな?まだ生きていけるよな?」
「い、生きていけるよ。生きていける。生きていける。ハ、ハハ、血だ、血。始めてあんなに見た。アハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
完全にベックが壊れた。ずっと笑いっぱなしでいる。場所がバレたくないので口を塞ぐが暴れ始めて蹴飛ばされた。
「アハハハハハハハハハハハハハハハ!、死んでく!死んでく!人が死んでく!血だ血だアハハハハハハハハハ!俺も行くわアハハハハハハハハハ!」
そう言って路地から駆け出した。路地から出てすぐに踏み潰され血が飛び散る。遂に俺だけになった。気が狂いそうだ。狭い路地に入れずにじっとこちらを見つめ続けているキマイラの尻尾が動き、路地にスルスルと入り込む。しかし後ずさりしていギリギリ届かない位置に行った。すると何かに背中が当たる。
「これが帝国の騎士か。こんなんで大丈夫なの?」
見ると数時間前にぶつかった男性だった。そう言えば数日前の新聞の軍隊長失踪事件の関係者に特徴が似ている。
「戦わないの?今倒したら昇格出来るんじゃないの?」
「そ、そんな簡単に言うな!」
「平和を守るとか何とか言ってなかったっけ?」
何も言い返せない。でももう無理だ。勝てっこない。しかし質問攻めは続く。
「君の覚悟はそれぐらいなの?口だけいっちよ前に言って、目の前で人が死んで、仲間が死んで、それでも責任から逃れようとするの?」
「う、うるさい!うるさい!うるさい!」
「君が信じる正義ってそんな物なの?そんなに大した者じゃないの?」
質問攻めに対して遂には泣き出してしまった。自分の不甲斐なさを実感したのだ。自分の愚かな言動で多くの人の命を無駄にしてしまった。自分のためだけにやってしまった。
「俺は愚か者だ。さっきだって貴方に詐欺をした。すまない。本当にすまない。騎士として失格だ。………頼む俺を……俺を殺してくれ。」
俺は死んで当然だ。仲間を殺した殺人者だ。悪人だ。死を覚悟してめを瞑ったがその男性は俺の頭に手をおいて言った。
「君を殺すことは出来ない。死んだって何の罪滅ぼしにもならないから。でもその代わりに正しく生きてくれ。君は騎士だ。今、仲間の死を乗り越えてこの腐った騎士の中から本当の騎士になれたんだ。だから……」
そう言って俺の前に出ると気づかなかったが、腰にあった刀を抜いた。そして続けて、
「守れる命は全力で守ってくれ。そして僕を、大事な人を守れなかった悪人を、復讐に燃えるこの愚かな悪人を……」
刀を横に一閃すると同時にキマイラが跡形も無く消え去った。確かにそこに居たはずのキマイラが、消えたのだった。そしてこちらを向き優しく微笑む男性はこう言った。
「正しく裁いてくれ。」
その微笑みからは優しさと同時に悲しさも見えるようだった。
しかし実際帝国騎士になって見るとそれはヒドイ物だった。騎士だからといって店のものを食っては不味いと言い、金を払わず出てゆく。剣の稽古は怠け遊んでいるものが大多数で、稽古用のカカシも壊れているものはほとんど無い。ホコリを被っているものまである。
最初はお構い無しで稽古をしていたのだが、悪い空気は移ってしまう。最近では稽古もいい加減になり、食い逃げのようなものまでする様になった。
「俺達、騎士なんだよな…」
独り言のようにベックが呟く。今はクラルの街に招集されていた。皇都から少し離れたところにある街で、武器庫などもありそこそこ重要な街である。
「そうだ、俺達は皇帝にお仕えする勇猛な騎士だ……よな?」
「一応そうなってる。」
トーテルが疑問形で返してきたので適当に答える。最近騎士らしいことを全くしていない。警備とか言っても、ただ鎧を着てふらついてるゴロツキの様なことしかしてないし、ナンパだってしたことがある。今も警備で見回りしているが怪しい奴なんていやしない。むしろこっちが怪しいくらいだ。
片手に飲み物を持って歩いていると、前から人がぶつかってきた。反動で飲み物がこぼれる。ぶつかったのはローブを着て黒髪の見るからに軟弱そうな男性だった。尻餅を付いた男性は俺を見上げる。喧嘩をふっかけようと思ったがここは騎士らしく
「すまない、大丈夫か?」
「すみません。飲み物こぼれちゃいましたね。僕が出すので新しいのを買ってください。」
随分気前がいい人だ。本能的に10ルビほどの飲み物を100ルビだと言った。すると出してくれる。チョロイな。すまないなと言いつつ俺は通り過ぎ、少しだけ2人に金を分けた。
数時間たって、何事もなく。そう、何事もなく終わった警備の帰り。いつものように3人で駄弁っていると武器庫の方で爆発がおきた。騎士がまた招集されそこに向かう。ある程度の騎士はもう向かっているようで俺達は援護をしに行くようだ。どうせすぐ終わるそう思っていた。
武器庫前に付いた途端に血の匂いが鼻を刺す。そこら中に死体が転がり、首が無い者や腕がない者もいた。煙の中から人が見えた。左腕を抑えてこっちに足を引きずりながら来た。
「逃げろ新米!君達では手に終え…」
言い終わる前に首が何かに食べられた。グシャッという生々しい音と共に爆発を起こした正体が見える。獅子の頭、山羊の胴、そして蛇の尻尾が見える。
「キマイラだ……キ、キマイラだ!」
キマイラ。魔界にのみ生息しミニオンなどの下級の魔物を食し暮らしている猛獣。何故こんな所に。でもこいつを倒せば軍隊長待ったナシだな。
「みんな…こいつを倒そう。この街の平和を守るために!」
自分の名誉のためです。
10分後、50人を超えていた騎士は今や俺とベックしかいない。鎧が全く役に立たず無残に食いちぎられた死体が積み重なった。トーテルは逃げている途中に鉤爪で胴体から切断された。俺とベックは路地にかくれ、怯えていた。
「な、なぁ。俺達死なねぇよな?まだ生きていけるよな?」
「い、生きていけるよ。生きていける。生きていける。ハ、ハハ、血だ、血。始めてあんなに見た。アハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
完全にベックが壊れた。ずっと笑いっぱなしでいる。場所がバレたくないので口を塞ぐが暴れ始めて蹴飛ばされた。
「アハハハハハハハハハハハハハハハ!、死んでく!死んでく!人が死んでく!血だ血だアハハハハハハハハハ!俺も行くわアハハハハハハハハハ!」
そう言って路地から駆け出した。路地から出てすぐに踏み潰され血が飛び散る。遂に俺だけになった。気が狂いそうだ。狭い路地に入れずにじっとこちらを見つめ続けているキマイラの尻尾が動き、路地にスルスルと入り込む。しかし後ずさりしていギリギリ届かない位置に行った。すると何かに背中が当たる。
「これが帝国の騎士か。こんなんで大丈夫なの?」
見ると数時間前にぶつかった男性だった。そう言えば数日前の新聞の軍隊長失踪事件の関係者に特徴が似ている。
「戦わないの?今倒したら昇格出来るんじゃないの?」
「そ、そんな簡単に言うな!」
「平和を守るとか何とか言ってなかったっけ?」
何も言い返せない。でももう無理だ。勝てっこない。しかし質問攻めは続く。
「君の覚悟はそれぐらいなの?口だけいっちよ前に言って、目の前で人が死んで、仲間が死んで、それでも責任から逃れようとするの?」
「う、うるさい!うるさい!うるさい!」
「君が信じる正義ってそんな物なの?そんなに大した者じゃないの?」
質問攻めに対して遂には泣き出してしまった。自分の不甲斐なさを実感したのだ。自分の愚かな言動で多くの人の命を無駄にしてしまった。自分のためだけにやってしまった。
「俺は愚か者だ。さっきだって貴方に詐欺をした。すまない。本当にすまない。騎士として失格だ。………頼む俺を……俺を殺してくれ。」
俺は死んで当然だ。仲間を殺した殺人者だ。悪人だ。死を覚悟してめを瞑ったがその男性は俺の頭に手をおいて言った。
「君を殺すことは出来ない。死んだって何の罪滅ぼしにもならないから。でもその代わりに正しく生きてくれ。君は騎士だ。今、仲間の死を乗り越えてこの腐った騎士の中から本当の騎士になれたんだ。だから……」
そう言って俺の前に出ると気づかなかったが、腰にあった刀を抜いた。そして続けて、
「守れる命は全力で守ってくれ。そして僕を、大事な人を守れなかった悪人を、復讐に燃えるこの愚かな悪人を……」
刀を横に一閃すると同時にキマイラが跡形も無く消え去った。確かにそこに居たはずのキマイラが、消えたのだった。そしてこちらを向き優しく微笑む男性はこう言った。
「正しく裁いてくれ。」
その微笑みからは優しさと同時に悲しさも見えるようだった。
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