24 / 24
第1次極東危機
4-4
しおりを挟む
「それで戦線の様子はどうか!?」
マッカーサーは焦っていた。
新日本国政府たる共産政府による他国兵士の完全撤兵要求もさることながら、多くの一般市民と大切な部下が死傷していることが原因だ。
――まさか亡命政府があそこまで過激だったとは!!!
そう、自らの責任において日本政府に事前説明なく行った、山口県内に米軍基地の新設と域内に韓国亡命政府を置いたこと。これが最悪の結果を招いたのだ。
まず、完全撤兵の要求について。日本本土からの撤退は留萌釧路ライン以北のソ連軍の南下を意味しており、当然アメリカ国民の血で得た領土を失うことと同意であった。もちろん、認められない。
そして、韓国臨時政府について。彼らは軍用のライフル銃を多量に積み込んだまま日本に逃げ込み、それら武器は過激派の組合組織に渡されていた。
軍無き日本でそれらが使われると一方的な虐殺が生じるのみであり、そして、それは実際のこととなった。
いま日本国内の主要都市では文字通り地獄が広がっている。
「駄目です!持ちこたえられそうにありません!!」
「クソッ」
国内の状況のみならず、マッカーサーが頭を抱えるのは、北北海道のソ連軍兵士が南下を開始した事だ。
240キロにも上る留萌釧路ラインはソ連軍の戦車と圧倒的な人的資源により蹂躙され、既にGHQでは札幌まで戦線を後退する方針が予定されている。
「千歳基地は何があっても死守せよ!海軍にも艦砲射撃で支援砲撃をするよう命令を」
――いや、現有の戦力で守りきる事は無理だ。数が足りなすぎる。
「山口基地から緊急です!」
「次はなんだ!?」
「はっ!それが、韓国亡命政府が中国と同盟を結んだ、と」
――何を言っているんだ?
表情に出ていたのであろう。伝えてきた部下は詳細を話す。
いわく、“日帝に奪われた正当な我が領土を奪還する”として、中国共産党政府と同盟関係を樹立したらしい。
「彼らは亡命政権だぞ!?何を勝手にしているのだ!」
そして、正当な領土というのが本土のどこなのかを彼らは口にしていない。言い換えると、本土全ての可能性もあるということだ。
「なぜ察知できなかった。我が軍の基地内だぞ亡命政府が置かれていたのは」
何を言ってももはや後の祭りだ。
今や日本は北からソ連軍の侵攻を受け、全国各地で武装集団が決起し資本家を虐殺している。
そして、中国大陸から侵攻を受けることが決定的になった。
世界規模での戦争が終結し、戦場は極東に移行する。
そして、旧軍軍人たちは再び銃を手にしていく。
物語は平和主義・民主化を進めたGHQが、みずからそれを崩壊させる激動の時代。
彼らは再び戦場へ向かう。
マッカーサーは焦っていた。
新日本国政府たる共産政府による他国兵士の完全撤兵要求もさることながら、多くの一般市民と大切な部下が死傷していることが原因だ。
――まさか亡命政府があそこまで過激だったとは!!!
そう、自らの責任において日本政府に事前説明なく行った、山口県内に米軍基地の新設と域内に韓国亡命政府を置いたこと。これが最悪の結果を招いたのだ。
まず、完全撤兵の要求について。日本本土からの撤退は留萌釧路ライン以北のソ連軍の南下を意味しており、当然アメリカ国民の血で得た領土を失うことと同意であった。もちろん、認められない。
そして、韓国臨時政府について。彼らは軍用のライフル銃を多量に積み込んだまま日本に逃げ込み、それら武器は過激派の組合組織に渡されていた。
軍無き日本でそれらが使われると一方的な虐殺が生じるのみであり、そして、それは実際のこととなった。
いま日本国内の主要都市では文字通り地獄が広がっている。
「駄目です!持ちこたえられそうにありません!!」
「クソッ」
国内の状況のみならず、マッカーサーが頭を抱えるのは、北北海道のソ連軍兵士が南下を開始した事だ。
240キロにも上る留萌釧路ラインはソ連軍の戦車と圧倒的な人的資源により蹂躙され、既にGHQでは札幌まで戦線を後退する方針が予定されている。
「千歳基地は何があっても死守せよ!海軍にも艦砲射撃で支援砲撃をするよう命令を」
――いや、現有の戦力で守りきる事は無理だ。数が足りなすぎる。
「山口基地から緊急です!」
「次はなんだ!?」
「はっ!それが、韓国亡命政府が中国と同盟を結んだ、と」
――何を言っているんだ?
表情に出ていたのであろう。伝えてきた部下は詳細を話す。
いわく、“日帝に奪われた正当な我が領土を奪還する”として、中国共産党政府と同盟関係を樹立したらしい。
「彼らは亡命政権だぞ!?何を勝手にしているのだ!」
そして、正当な領土というのが本土のどこなのかを彼らは口にしていない。言い換えると、本土全ての可能性もあるということだ。
「なぜ察知できなかった。我が軍の基地内だぞ亡命政府が置かれていたのは」
何を言ってももはや後の祭りだ。
今や日本は北からソ連軍の侵攻を受け、全国各地で武装集団が決起し資本家を虐殺している。
そして、中国大陸から侵攻を受けることが決定的になった。
世界規模での戦争が終結し、戦場は極東に移行する。
そして、旧軍軍人たちは再び銃を手にしていく。
物語は平和主義・民主化を進めたGHQが、みずからそれを崩壊させる激動の時代。
彼らは再び戦場へ向かう。
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
日露戦争の真実
蔵屋
歴史・時代
私の先祖は日露戦争の奉天の戦いで若くして戦死しました。
日本政府の定めた徴兵制で戦地に行ったのでした。
日露戦争が始まったのは明治37年(1904)2月6日でした。
帝政ロシアは清国の領土だった中国東北部を事実上占領下に置き、さらに朝鮮半島、日本海に勢力を伸ばそうとしていました。
日本はこれに対抗し開戦に至ったのです。
ほぼ同時に、日本連合艦隊はロシア軍の拠点港である旅順に向かい、ロシア軍の旅順艦隊の殲滅を目指すことになりました。
ロシア軍はヨーロッパに配備していたバルチック艦隊を日本に派遣するべく準備を開始したのです。
深い入り江に守られた旅順沿岸に設置された強力な砲台のため日本の連合艦隊は、陸軍に陸上からの旅順艦隊攻撃を要請したのでした。
この物語の始まりです。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。
作家 蔵屋日唱
改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
If太平洋戦争 日本が懸命な判断をしていたら
みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら?
国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。
真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…分水嶺で下された「if」の決断。
破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。
現在1945年夏まで執筆
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる