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【第8話】二人の星5
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オベロン先生は、鋭い目で生徒を見渡した。
「いいか、まずはこのクソみてぇな学校のルールを叩き込む。そして、お前らには魔物や魔神と戦うための基礎訓練を受けてもらうことになる」
「座学もあるが、ほとんどが実戦訓練だ。つまらんことばかり考えるな」
「実際、死ぬこともある。分かったな?」
「まず、この学校内で無駄な争いは一切禁止だ。生徒同士の決闘? 殺し合い? そんなくだらねぇことしたら、即刻魔神討伐行きだ」
「二度とここには戻れねぇと思え。わかったな?」
僕たちは、ただ前を向いて魔神を倒すことだけを強いられている。
「そして、この学校じゃ定期的に筆記テストと戦闘テストを行う」
「特に戦闘テストは3人一組でやってもらう。組めねぇ奴は知るか」
「年に一度、お前らのテスト結果を厳しく採点して、基準値を満たさなかった奴は問答無用で魔神討伐行きだ」
「魔神討伐が嫌だったら、死に物狂いで知識と強さを身につけろ。それしか生き残る道はねぇぞ、このクソみたいな世界じゃな!」
教卓を力強く「バンッ!」と叩きながら先生は、舌打ちした。
その行動に皆、体を「ビクっ」とさせた。
「結局、魔神討伐しに行った時点で死ぬがな!」
「ちっ、で、今日は座学だ。どうせ退屈だろうが聞け」
「このラティオ星はな、お前らが思ってるより遥かに過酷な環境にある」
先生は、図を描き始めた。
「外に出れば魔物だらけ、壁の中にいたって税金だの何だので苦しめられる」
「そんな中で生き残るために必要な、最低限の基本知識を叩き込んでやる」
「寝るんじゃねぇぞ。死にたいなら勝手にしろ」
「まず、このラティオ星は潮汐ロックの星だ。つまり、太陽がずっと片面を照らし続けてやがる」
「だから、人がまともに住めるのは、明暗境界線、通称ターミネーターゾーンあたりだ」
先生は、境界線を強調した。
「それより外に行くと死ぬぞ。分かったか!?」
「無駄死にしたい奴は勝手にしろ」
オベロン先生はそう言いながら、黒板に簡単な図形を貼り付けた。
「見ろ、黒板の図形だ。これがラティオ星だ」
「空に妙な形の岩が3つ浮かんでるのが見えるだろ?」
「あれが月だ。イーラ、テオ、タナスってな」
「ふん! クソみたいに小さいから、ただの岩にしか見えねぇがな」
先生は、教室の時計を指した。
「この月の位置で時間が分かる仕組みだ」
「この教室の時計も、あの三つの丸い点が月のモチーフになってる。見慣れてるだろ」
「馬鹿でもわかるようにできてんだよ! いいか、魔神討伐に行くなら、時間の確認は死活問題だ」
「寝る時間の配分を間違えたら、それだけでお陀仏だぞ。舐めてると、文字通り死ぬぞ」
先生は、力強く黒板を拳で殴った。
「巨大な惑星ウプロンドによる日食のことだがな、この日食を数えて自分の年齢を確認しろ」
「自分の歳を数え間違えて、魔神討伐に行く前に、天帝国の中で時限爆弾作動させて爆死した阿呆もいるからな」
「迷惑だから、やめろ。いいな。余計な手間かけさせんじゃねぇぞ」
数え間違えなんて、それこそ死に直結する。
バルストとロニアの顔が、さらに青ざめているように見えた。
「あと、この図みたいに、恒星が二つあるのが分かるな?」
先生は、図を指した。
「常にこの星を照らしてるのが第一恒星キプリオス。もう一つ、この星の周りをぐるぐる回ってやがるのが第二恒星クリグロスだ」
「あいつが明側にいる時は、温度が5度上がる。余計な汗をかくってことだ」
「暗側にいる時は、真っ暗にはならねぇ。少し暗いくらいで、周りが良く見える」
「こいつが一周するのに約45年もかかるから、お前らが生きているうちに大きく位置が変わることはねぇ」
先生は、重要な点を強調した。
「ちなみに、魔神城は南南西、暗側にある」
「良いか? 方向も覚えてコンパスを使え! 明側は東、暗側は西、そして、南、北だ」
「今は運良く、その暗側に第二恒星がいるから、真っ暗で何も見えないってことはねぇはずだ」
「少しはマシってことだ。これでも助かってると思え」
あの魔神城の方向が少しでも明るいのは、もしかしたら僕にとっての唯一の希望なのかもしれない。
オベロン先生の言葉は皮肉っぽかったけど、気持ちが少し和らいだ。
◇ ◇ ◇
座学が終わり、僕は少し疲れていた。
「ふう……やっと終わった」
僕は、バルストに話しかけた。
バルストは、青ざめた顔で小さく頷いた。
「ああ……。先生の言う通り、初日から、とんでもねぇ話ばっかりだったな。へへへ……」
彼の表情には、昨日埋め込まれた時限爆弾の恐怖が色濃く残っていた。
廊下側の席から、バスティオが元気いっぱいの声で言った。
「疲れたなー! 先生の声、ずっとイライラしてて耳に響くんだよ!」
バスティオは、大きく伸びをした。
「でも、俺たち諦めた者たちかぁ……勝手な決めつけだな」
「結局、俺たち、何しても爆死か魔神討伐行きだろ? へへへ……」
バルストは、力なく笑った。
「もう人生諦めるしかねぇじゃんか……」
「でも、先生は『魔神討伐が嫌だったら、死に物狂いで知識と強さを身につけろ』って言ってた」
僕は、二人を見た。
「最後まであきらめないで、誰よりも楽しんだもの勝ちだと思うんだ」
バスティオは、力強く頷いた。
「そうだぜ! 死ぬなら死ぬで、派手に暴れてやろうぜ!」
ロニアが僕の方を見て、にっこり微笑んだ。
「あら、私もそう思うわ、テリアルは強かったもの。戦闘のコツ、色々教えてくれるかしら?」
彼女の視線には、期待の色が宿っていた。
僕は、少し照れながら答えた。
「うん、僕で良ければ!」
「なぁ! 俺にも教えてくれよ。戦闘経験も知識もないから不安でさ……足を引っ張らないかな……」
「大丈夫! きっとバルストも強くなれるよ!」
「ありがとう、テリアル!」
◇ ◇ ◇
次の日。
「今日は、テメェら、一人一人の実力を見るため、俺と一戦交えてもらう」
「それから、戦闘テスト用の組み合わせを各自でバランスよく組め。バランスが悪い時は、俺が決める」
「一度決めたら、一年はそのままだ」
「よく考えろ。お前らの人生がかかってんだぞ」
「バルスト、まずはお前だ。こい」
バルストは、恐怖に顔を歪ませながら前に出た。
「ひっひっ……うわ~~~!!」
バルストは叫びながら、剣を闇雲にぶんぶん振り回し、およそ戦闘とは言えない動きを見せた。
オベロン先生は、その様子を見て明らかに苛立ちを募らせた。
「おい、馬鹿みたいに武器を振り回すな! お前は武器を振り回せば倒せると思っているのか?」
「どういう頭をしている!? 話にならない、次!」
バルストは、震えながら後ずさった。
「ロニア、お前の番だ」
ロニアは、先生の言葉に真剣な面持ちで剣を構え、果敢にもオベロン先生に切りかかった。
しかし、彼女の剣は力なく、先生に軽くあしらわれる。
そして、鼻で笑われた。
「お前も話にならないな。力がなさすぎる」
「これじゃあ、すぐに死ぬぞ! だが……無謀だが、その根性は認めてやる」
先生の言葉には、皮肉とわずかな驚きが混じっていた。
「次! バスティオ!」
オベロン先生の声に、バスティオは力強く頷いた。
バスティオは、その巨体に見合わない軽やかさで特大剣を力の限り振り回し、先生の懐にまで踏み込んだ。
彼は豪快な力任せの攻撃で、先生を押し込める場面も見せた。
オベロン先生は、初めてわずかに息をのんだ。
「っ……もういい……」
先生は、少し驚いた顔をした。
「よく、その剣で戦えるな」
先生の声が、少し柔らかくなった。
「だが、まだ剣に使われているぞ。剣の特徴を生かせるように精進しろ」
先生はそう言い放つと、感心したような、それでいて不機嫌そうな顔で、次の名を呼んだ。
「テリアル、次はお前だ!」
僕は、剣を構え、オベロン先生の方に向かった。
剣で切るふりをして先生の注意を引きつけ、その隙に懐へと深く入り込む。
そのまま、隠し持っていた短剣の柄を、先生の首筋に正確に当てた。
先生は、僕の予想以上に不意を突かれたようだった。
隙だらけだったわけではないが、僕の攻撃が予想外だったのだろう。
オベロン先生は、驚いて目を見開いた。
一瞬の沈黙の後、先生は舌打ちをした。そして、険しい表情で僕に命じた。
「わかった。もういい。下がれ」
そして、オベロン先生は小さな声でつぶやいた。
「ちっ、こんな奴が……クソっ……」
◇ ◇ ◇
実力試験が終わり、張り詰めていた空気が一瞬だけ緩んだ。
オベロン先生は、生徒たちを鋭い眼光で見回しながら、声を張り上げた。
「五段階評価するぞ、良いか」
「星1は雑魚、星2は弱い、星3は普通、星4は強い、星5は強い大人並だ。この評価を基準にしろ」
オベロン先生が、皆にランク評価を見せた。
バスティオは星5。
バルストは星1。
ロニアは星2。
僕は、星5だった。
先生の声が響き渡る中、教室は一瞬静まり返り、その後、歓声が上がった。
バルストが、興奮した声で叫んだ。
「すっげえじゃん、二人とも! 俺も二人に戦闘技術を教えてもらえれば、強くなれそうだ! へへへ……」
「すごい、すごい! 星5だよ! うふふ」
ロニアも、嬉しそうに笑った。
他のクラスメイトも、バスティオと僕を称賛し、その場は僕たちの功績を祝う喜びに満たされた。
この温かい空気が嬉しくて、僕も満面の笑みになる。
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【第8話 終わり】
次回:【第9話】独り
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オベロン先生は、鋭い目で生徒を見渡した。
「いいか、まずはこのクソみてぇな学校のルールを叩き込む。そして、お前らには魔物や魔神と戦うための基礎訓練を受けてもらうことになる」
「座学もあるが、ほとんどが実戦訓練だ。つまらんことばかり考えるな」
「実際、死ぬこともある。分かったな?」
「まず、この学校内で無駄な争いは一切禁止だ。生徒同士の決闘? 殺し合い? そんなくだらねぇことしたら、即刻魔神討伐行きだ」
「二度とここには戻れねぇと思え。わかったな?」
僕たちは、ただ前を向いて魔神を倒すことだけを強いられている。
「そして、この学校じゃ定期的に筆記テストと戦闘テストを行う」
「特に戦闘テストは3人一組でやってもらう。組めねぇ奴は知るか」
「年に一度、お前らのテスト結果を厳しく採点して、基準値を満たさなかった奴は問答無用で魔神討伐行きだ」
「魔神討伐が嫌だったら、死に物狂いで知識と強さを身につけろ。それしか生き残る道はねぇぞ、このクソみたいな世界じゃな!」
教卓を力強く「バンッ!」と叩きながら先生は、舌打ちした。
その行動に皆、体を「ビクっ」とさせた。
「結局、魔神討伐しに行った時点で死ぬがな!」
「ちっ、で、今日は座学だ。どうせ退屈だろうが聞け」
「このラティオ星はな、お前らが思ってるより遥かに過酷な環境にある」
先生は、図を描き始めた。
「外に出れば魔物だらけ、壁の中にいたって税金だの何だので苦しめられる」
「そんな中で生き残るために必要な、最低限の基本知識を叩き込んでやる」
「寝るんじゃねぇぞ。死にたいなら勝手にしろ」
「まず、このラティオ星は潮汐ロックの星だ。つまり、太陽がずっと片面を照らし続けてやがる」
「だから、人がまともに住めるのは、明暗境界線、通称ターミネーターゾーンあたりだ」
先生は、境界線を強調した。
「それより外に行くと死ぬぞ。分かったか!?」
「無駄死にしたい奴は勝手にしろ」
オベロン先生はそう言いながら、黒板に簡単な図形を貼り付けた。
「見ろ、黒板の図形だ。これがラティオ星だ」
「空に妙な形の岩が3つ浮かんでるのが見えるだろ?」
「あれが月だ。イーラ、テオ、タナスってな」
「ふん! クソみたいに小さいから、ただの岩にしか見えねぇがな」
先生は、教室の時計を指した。
「この月の位置で時間が分かる仕組みだ」
「この教室の時計も、あの三つの丸い点が月のモチーフになってる。見慣れてるだろ」
「馬鹿でもわかるようにできてんだよ! いいか、魔神討伐に行くなら、時間の確認は死活問題だ」
「寝る時間の配分を間違えたら、それだけでお陀仏だぞ。舐めてると、文字通り死ぬぞ」
先生は、力強く黒板を拳で殴った。
「巨大な惑星ウプロンドによる日食のことだがな、この日食を数えて自分の年齢を確認しろ」
「自分の歳を数え間違えて、魔神討伐に行く前に、天帝国の中で時限爆弾作動させて爆死した阿呆もいるからな」
「迷惑だから、やめろ。いいな。余計な手間かけさせんじゃねぇぞ」
数え間違えなんて、それこそ死に直結する。
バルストとロニアの顔が、さらに青ざめているように見えた。
「あと、この図みたいに、恒星が二つあるのが分かるな?」
先生は、図を指した。
「常にこの星を照らしてるのが第一恒星キプリオス。もう一つ、この星の周りをぐるぐる回ってやがるのが第二恒星クリグロスだ」
「あいつが明側にいる時は、温度が5度上がる。余計な汗をかくってことだ」
「暗側にいる時は、真っ暗にはならねぇ。少し暗いくらいで、周りが良く見える」
「こいつが一周するのに約45年もかかるから、お前らが生きているうちに大きく位置が変わることはねぇ」
先生は、重要な点を強調した。
「ちなみに、魔神城は南南西、暗側にある」
「良いか? 方向も覚えてコンパスを使え! 明側は東、暗側は西、そして、南、北だ」
「今は運良く、その暗側に第二恒星がいるから、真っ暗で何も見えないってことはねぇはずだ」
「少しはマシってことだ。これでも助かってると思え」
あの魔神城の方向が少しでも明るいのは、もしかしたら僕にとっての唯一の希望なのかもしれない。
オベロン先生の言葉は皮肉っぽかったけど、気持ちが少し和らいだ。
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座学が終わり、僕は少し疲れていた。
「ふう……やっと終わった」
僕は、バルストに話しかけた。
バルストは、青ざめた顔で小さく頷いた。
「ああ……。先生の言う通り、初日から、とんでもねぇ話ばっかりだったな。へへへ……」
彼の表情には、昨日埋め込まれた時限爆弾の恐怖が色濃く残っていた。
廊下側の席から、バスティオが元気いっぱいの声で言った。
「疲れたなー! 先生の声、ずっとイライラしてて耳に響くんだよ!」
バスティオは、大きく伸びをした。
「でも、俺たち諦めた者たちかぁ……勝手な決めつけだな」
「結局、俺たち、何しても爆死か魔神討伐行きだろ? へへへ……」
バルストは、力なく笑った。
「もう人生諦めるしかねぇじゃんか……」
「でも、先生は『魔神討伐が嫌だったら、死に物狂いで知識と強さを身につけろ』って言ってた」
僕は、二人を見た。
「最後まであきらめないで、誰よりも楽しんだもの勝ちだと思うんだ」
バスティオは、力強く頷いた。
「そうだぜ! 死ぬなら死ぬで、派手に暴れてやろうぜ!」
ロニアが僕の方を見て、にっこり微笑んだ。
「あら、私もそう思うわ、テリアルは強かったもの。戦闘のコツ、色々教えてくれるかしら?」
彼女の視線には、期待の色が宿っていた。
僕は、少し照れながら答えた。
「うん、僕で良ければ!」
「なぁ! 俺にも教えてくれよ。戦闘経験も知識もないから不安でさ……足を引っ張らないかな……」
「大丈夫! きっとバルストも強くなれるよ!」
「ありがとう、テリアル!」
◇ ◇ ◇
次の日。
「今日は、テメェら、一人一人の実力を見るため、俺と一戦交えてもらう」
「それから、戦闘テスト用の組み合わせを各自でバランスよく組め。バランスが悪い時は、俺が決める」
「一度決めたら、一年はそのままだ」
「よく考えろ。お前らの人生がかかってんだぞ」
「バルスト、まずはお前だ。こい」
バルストは、恐怖に顔を歪ませながら前に出た。
「ひっひっ……うわ~~~!!」
バルストは叫びながら、剣を闇雲にぶんぶん振り回し、およそ戦闘とは言えない動きを見せた。
オベロン先生は、その様子を見て明らかに苛立ちを募らせた。
「おい、馬鹿みたいに武器を振り回すな! お前は武器を振り回せば倒せると思っているのか?」
「どういう頭をしている!? 話にならない、次!」
バルストは、震えながら後ずさった。
「ロニア、お前の番だ」
ロニアは、先生の言葉に真剣な面持ちで剣を構え、果敢にもオベロン先生に切りかかった。
しかし、彼女の剣は力なく、先生に軽くあしらわれる。
そして、鼻で笑われた。
「お前も話にならないな。力がなさすぎる」
「これじゃあ、すぐに死ぬぞ! だが……無謀だが、その根性は認めてやる」
先生の言葉には、皮肉とわずかな驚きが混じっていた。
「次! バスティオ!」
オベロン先生の声に、バスティオは力強く頷いた。
バスティオは、その巨体に見合わない軽やかさで特大剣を力の限り振り回し、先生の懐にまで踏み込んだ。
彼は豪快な力任せの攻撃で、先生を押し込める場面も見せた。
オベロン先生は、初めてわずかに息をのんだ。
「っ……もういい……」
先生は、少し驚いた顔をした。
「よく、その剣で戦えるな」
先生の声が、少し柔らかくなった。
「だが、まだ剣に使われているぞ。剣の特徴を生かせるように精進しろ」
先生はそう言い放つと、感心したような、それでいて不機嫌そうな顔で、次の名を呼んだ。
「テリアル、次はお前だ!」
僕は、剣を構え、オベロン先生の方に向かった。
剣で切るふりをして先生の注意を引きつけ、その隙に懐へと深く入り込む。
そのまま、隠し持っていた短剣の柄を、先生の首筋に正確に当てた。
先生は、僕の予想以上に不意を突かれたようだった。
隙だらけだったわけではないが、僕の攻撃が予想外だったのだろう。
オベロン先生は、驚いて目を見開いた。
一瞬の沈黙の後、先生は舌打ちをした。そして、険しい表情で僕に命じた。
「わかった。もういい。下がれ」
そして、オベロン先生は小さな声でつぶやいた。
「ちっ、こんな奴が……クソっ……」
◇ ◇ ◇
実力試験が終わり、張り詰めていた空気が一瞬だけ緩んだ。
オベロン先生は、生徒たちを鋭い眼光で見回しながら、声を張り上げた。
「五段階評価するぞ、良いか」
「星1は雑魚、星2は弱い、星3は普通、星4は強い、星5は強い大人並だ。この評価を基準にしろ」
オベロン先生が、皆にランク評価を見せた。
バスティオは星5。
バルストは星1。
ロニアは星2。
僕は、星5だった。
先生の声が響き渡る中、教室は一瞬静まり返り、その後、歓声が上がった。
バルストが、興奮した声で叫んだ。
「すっげえじゃん、二人とも! 俺も二人に戦闘技術を教えてもらえれば、強くなれそうだ! へへへ……」
「すごい、すごい! 星5だよ! うふふ」
ロニアも、嬉しそうに笑った。
他のクラスメイトも、バスティオと僕を称賛し、その場は僕たちの功績を祝う喜びに満たされた。
この温かい空気が嬉しくて、僕も満面の笑みになる。
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【第8話 終わり】
次回:【第9話】独り
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