君がいる今

mone♪

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君がいる今 9話

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―みかんー

俺様は、みなとが魔界にいたころから一緒にいるしゃべる猫だ!!
みなとと一緒に柏木家に拾われた。
と言っても拾った主は、俺とは昔からの仲である南の母親、聖菜せな
親に捨てられたみなとは、俺と一緒じゃなかったら、もしかしたらどこかで一人ぼっちだっただろう。
いや、俺がいなくても、あの時と同じで、倒れていたのがみなとだけだったとしても、聖菜はきっと助けていた。
柏木家はほんとに良い人たちだ。
俺様は、さっきまでみなとと一緒に散歩をしていたが、途中でヴァンパイアと悪魔のハーフとかいうアキラに会った。
アキラというやつはみなとの義理の妹、南にナンパをしたようで、みなとがとても怒っていた。
まぁ、それはある条件があっての計算のうちのだと思うがな。

「ヴァンパイアと悪魔のハーフ?」
「あ、はい。そうです。」
みなとは自分が知らない生物の存在を知って、固まってしまっている。
それに戸惑いながらもアキラが答えている。
同じ会話をロボットのように何度も繰り返している二人。
「み、みなとさん?いつまでこの会話続ける気ですか?」
「あーみなとは気にせずにお前は帰っていいぞ!!みなとは俺様がどうにかする!」
「え?猫の君が?」
「あーそうだ!」
「無理すんなって!」
アキラは、俺をバカにしながら笑った。
「うるさい!いいからお前は帰れ!」
「ほんとに猫が?まぁいいや!じゃあがんばれよ!」
そう言って、アキラは諦めて帰っていった。
頑張れよって、俺様を誰だと思っているんだ。全く…

さてと、俺様はみなとを元に戻すか…

テイッ!!

俺様のお得意の頭突きで、みなとを起こした。
「うわっ!!もしかして、俺また同じ言葉繰り返してたのか?」
「そうだぞ!お前はほんとに昔から自分の驚きを超えると固まって、同じ言葉繰り返して、相手を困らせてさ~」
「すまん!お前がいてよかったよ!」
「だろっ!やっと俺様のありがたさに気づいたか!!ははは!!って、あ?今日はやけに素直だな~」
「そうか?頭ぶつけたら、バカになるとかみたいなやつじゃないのか?」
「は?大体な、今の親である聖菜がお前に気づいたのも俺様のおかげなんだからな!!俺様にちゃんと感謝しろよ!」
「はい、はい!ありがとうございます~そんなことよりアキラは?」
「なっ!そんなことよりッて!もういいやい!お前なんかもう知るもんか!!」
俺様が場を収めたっていうのに「そんなこと」の一言でこの流れを片付けたことにムカついたから家の方へと走っていった。
「おい待て!!みかん!!」

人がいる中飛べないみなとが疲れながらも走って追いかけてくる中、俺様は、そんなことを気にせず家までずっと走っていった。
俺様の足の速さは、家族1!いや、世界中の猫1だ!!
おっ!家が見えたぞ!!あとは、ジャンプしてドアを掴み回転して、中で着地するだけだ!
「おいっ!みかん危ない!!」
ドアが目の前だっていう時にみなとが話しかけてきた。
「お前の話なんか聞くかよ!!」

ドンッ!!

俺様は、ドアにぶつかってしまったようだ。
「いってぇ~」
「ほら、言っただろ!」
お、俺様の華麗な着地が失敗してしまった。
「み、みかんちゃん!!」
ドアを開けたのは、南の友達、美稀だった。
「おみかん、お兄ちゃんおかえり~!!」
「た、ただいま」
みなとが、疲れながらも返事をした。
「お兄ちゃんは、なんかヘトヘトだし、おみかんは倒れているし二人してどうしたの?」
「もしかして、みかんちゃんが倒れているのって私のせい?」
「俺様は、大丈夫だ!美稀は気にするな!」
美稀は、俺様にとっても優しい、やさし~~い南の幼馴染だ。
俺の正体も知っている。
それにみなとの正体も。
それなのに美稀は、みなとのことが好きらしい。
みなとは気づいているらしいが、自分がヴァンパイアだからといって、いろいろとごまかしている。

「みなとさんと散歩中だったんだね!」
「そうだ!帰る途中でアキラとかいうチャラ男に会ったぞ!」
美稀は、帰ろうとしていたのに、わざわざ俺の手当てをしてくれている。
なんて優しい子なんだ。
「美稀もアキラってやつ知ってるのか?」
「うん!知ってるよ!同じクラスだし、さっきまで勉強会やってたし!!」
「そうなのか!みき~あいつは気をつけろよ!あいつは…」
「あいつは?」
「あいつは結構なチャラ男だ!!」
「そんなこと知ってるって!」
「そっか」
俺は美稀にアキラのことを話そうとしたが、隠した。
美稀は、俺たちの正体を知っているから、話してもいいと思ったが、生死が関わる問題だからな。
「それに見た目はあれだけど、私はアキラのこと好きになんてならないよ!」
「そーだよ!おみかん!美稀にはさっ!ね?」
「あ~そうだったな、みなみ~」
俺様と南はみなとのほうに目を向けた。
みなとはとてもきょとんとしている。
「え?二人ともどうした?」
ほんとにここまでしてきょとんとできるなんて、あいつは、バカだな。
「い~や!なにも~」
「そうか、美稀ちゃん、家近いけどもうこんな時間だから帰ったほうがいいよ!」
「は、はい」
その上、勘違いかよ。
美稀はみなとに言われてとても悲しそうだ。
俺様はわかった。今の美稀の気持ちを…
たぶん、美稀はせっかくみなとに会えたのに少ししか一緒にいられないのが嫌だと思う。
「ほんと、みなとは女心ってものがわかってないな~」
「おみかんは男でしょ!」
「あれ?声に出してた?」
「お兄ちゃんが女心がわかってないってところは、声出してたよ!」
「アレマッ!」

「じゃあ、そろそろみなとさんの言う通り帰るね!」
「え~俺様はいてほしい~」
「ごめんね、みかんちゃん!また今度来るね!」
「おう!明日でも数時間後にでも、いや数分後にでもいつでも来い!」
「は~い!」
美稀は、俺様の冗談に優しく笑い返してくれた。
「おじゃましました~!」
「美稀じゃ~ね~!!」
南と俺様に見送られながら、帰って行ってしまった。
「ほんとお兄ちゃんってひどいよね~」
「ね~」
「さっきから、なんなんだよ!」
俺たちが、話しながらリビングに戻るとみなとがつっかかってきた。
「ちょっとは自分で考えてみたら!!」
「ちょっ!おい!!」
南はみなとの反応にイラついて自分の部屋に行った。
これは南に怒られて当然だな。
「なんで、俺は南に怒られたんだ?」
「まだわからないのか?」
「あぁ」
「ほんとお前はバカなやつだな~俺様はもう寝る!おやすみ~」
「いや、お前も行くのかよ!」
このままだと美稀の恋の行方が心配だな。
美稀にもみなとにも俺がいないとダメだな。
でも、あいつの矢印がどう動くのかも見ておかないといけないみたいだがな…
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