君がいる今

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君がいる今 18話

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―アキラー
クラスで話し合って、活動し始めて数日が経った。
部活よりもクラス優先ってことで、皆作業が終わったら、毎日部活に行かずに帰っている。
後一週間で文化祭。
他のクラスは焦っているみたいだけど、俺たちは下準備がスムーズに言ったおかげか結構順調だ。
俺の勘が正しければ、南ちゃんに避けられている。
そのうえ、俺と南ちゃんが近づかないように美稀ちゃんが色々と指示しているようだ。
少し気になることがあるから南ちゃんに話しかけたいけど、家にはあのヴァンパイアのお兄さんがいるし。
あの人さえいなければ、家に行ってみてもいいけどな。
問題がもう一つ。桜子ちゃんの推薦で悪魔をモチーフになったけど、そこが今でも気になる。
飾りつけを決めるときに一回聞いたけど、違う話題に切り換えられた。
とういうか、そこにも何か違和感を感じている。
俺の正体がばれていなければいいけど…
「あっ!南ちゃん!!」
帰り道、目の前には南ちゃん一人だけだった。
今、ここに一人だと気づいた南ちゃんはすぐに帰り道のほうへ逃げて行った。
思ったよりも遠くまで走っていく。
疲れながらも俺たちは、人通りの少ない道までずっと走った。
ほんとにどこまで逃げるんだよ。
ここら辺までくれば、あとは俺らしか通らないはず。
こうなったら奥の手!!
俺は南ちゃんのいるところまで飛んで行った。
そこは前に助けてもらった公園だった。(2話参照)
「うそーん。頑張って走ったのに~」
「お疲れ様!ねぇ、話そうよ」
「やだ!話すことなんかないよ!いつも一緒にいる女の子たちと話せば!!」
また逃げようとしたから、腕をつかんだ。
「ダメ!こっちは南ちゃんと話したいの!!」
南ちゃんは少し申し訳なさそうな顔で、「ごめん」と言った。
別に南ちゃんは少しも悪くないのに謝っている。
「なんで、南ちゃんが謝るの?変なことして困らせたのは俺なのに?」
「だって、アキラくんお互いのためにあのタイミングであんなことしてくれたのに避けちゃって…」
「あの行動の意味、分かってたんだ」
「うん、私だってあれくらいのことは分かるよ!アキラくんの正体知ってるんだからさ」
こんなに勘づいていたとは思わなかった。
ここまで気づいているなら、もう言うしかないか。
新太の気持ちが南ちゃんに向いてるってこと以外。
「あのね、もうそこまで気づいているなら言うけど、これから先南ちゃんの恋が実るまでは、あらたにヤキモチを妬かせるためにああいったことをすることが多いと思う。だから、もうそんなに気にしなくていいし、それに俺のことはその度に嫌いになってもらっていい。」
「またそれ?」
「え?」
「これからは、避けるなとか、色々と覚悟しといてとかは別にいいけど、嫌いになってもいいって…嫌いな人なんか自分で決める!!だから、自分から嫌いになってもいいなんてもう言わないで!」
結構怒られた。
南ちゃんは怒っているのに、涙目で今にも泣きそうになっている。
おそらく、昔何かあったんだろう。
こんなに俺のことを悪く言わないでくれる人は、おばあちゃん以来だ。
なんだろう。この温かい感じ。
俺は南ちゃんにそっと近づき、手を背中に回し、抱きついた。
「ありがとう」
「ちょっ!何!?」
「少しだけこのままでいさせて。」


何かの物音がした。
「そろそろ離れてくれる?」
「あぁ、ごめん」
「ねぇ、今何か音がしなかった?」
「やっぱり?」
「ニャ~」
「猫か…よかった」
確かに猫の声だった。
けど、俺は見てしまった。
あの猫は柏木家の猫だ。
もしかして、みなとさんに頼まれて俺らを監視でもしてたのか?
だとしたら、みなとさんに怒られそうだな。
あったい何が目的なんだ。
「帰ろっか」
「待って!まだ一つ話したいことが」
「何?」
「この前の話し合いさ、俺らの喧嘩止められなくて責任感じてなかった?」
南ちゃんは図星を突かれたようで反応がすごく面白い。
「な、なんでそれを…まさかデルミンって超能力者!?」
「おいおい、そんなわけないでしょ!この前のいおパイセン告白事件のことがあったから、分かったよ。俺も伊達にこの数か月一緒にいないって!ちゃんと目標があって、ここに来たんだからさ」
「なるほど。アキラくんは有能なデルミンってことか!」
「そうそう、俺は有能だからねっておい!!」
南ちゃんが少し自分の気持ちをごまかそうとしているのがわかる。
結構自分の中で考え込んでしまっているみたいだ。
「悪いのはさ、あのタイミングで喧嘩しだした俺らなんだから、止められなかった自分にそんなに責任を感じなくていいよ。って言っても南ちゃんは、俺が思うに一つ一つのことを考えすぎるタイプだからなぁ~」
「悪かったね!こんな性格で!!」
頬っぺたを膨らませて撫すくれた様子で言った。
別に悪いまで入ってないのになぁ。
逆に良い性格だと思うけど。
「南!!ここにいたのか!」
「お兄ちゃん?」
突然、みなとさんと美稀ちゃんが走ってやってきた。
美稀ちゃんの腕の中には、さっきの猫もいた。
まだ日の明るい中、南ちゃんを探してたみなとさんは、疲れている。
「早く一緒に来て!おばさんが職場で倒れたの!!」
美稀ちゃんが言っている「おばさん」っていうのは、多分南ちゃんのお母さんのことだろう。
南ちゃんは、すごくパニックになっている。
この光景を見て、さっきなぜここにあの猫がいたのかが理解できた。
南ちゃんを探しにここに来たんだろう。
本当は、桜子ちゃんのことも相談したかったけど、それよりも早くお母さんの所へ行かせないと
「南ちゃん!早くお母さんの所に行ってあげて!」
「う、うん」
「行くぞ!」
南ちゃんは、みなとさんに呼ばれ、みなとさんたちの方へと走っていった。
「待て」
美稀ちゃんに抱っこされている柏木家の猫が喋った。
「みかんちゃん喋っちゃダメでしょ!あーアキラ今のは、私が一人二役したの」
美稀ちゃんは猫の正体を知っているようだ。
俺が猫が喋れることを知らないと思って、嘘をつき始めた。
猫は、美稀ちゃんの腕から地面に飛び降りた。
「みき、こいつは俺の正体を知っている。嘘をつかなくても大丈夫だ。それよりアキラ、お前も一緒に来い。この際、二人の母の聖菜せなとお前について話してやる」
二人のお母さんと俺のことについて。
猫以外、ここにいる全員が何の事だか分らなくなっている。
俺の知らない過去、人間との関係でもあるというのか。
知るのは怖いが、早く知りたい。
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