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グルドフ旅行記・4 怪しい奴らの正体を暴け!
対決
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そこは町の集会場のようで、奥に大きな部屋があった。
悪党どもはかなり前からポイの町のことを調べていたようだから、いざとなったらこの集会場に逃げ込むということも考えていたのかもしれない。
グルドフたちが広い部屋に入ると、バチバチバチッと火花が散った。
「ただのこけおどしだね」
ポポンが言った。
広間の中央に体格のいい男が三人、体に見合った大きな剣を持って立っている。
奥の一段高くなった壁際には、魔法使いの姿をした若い男が一人いた。
「貴様もマットアンの回し者か!」
若い魔法使いが叫んだ。
「私はただの旅の通りすがりの者。訳あって悪者退治に協力いたす」
グルドフはそう言いながら、広間の中央にいる男たちに歩み寄っていった。
すると、大男の一人が大剣を構えながらグルドフ目指して走った。
グルドフは腰の剣を抜いた。木刀で戦えそうな相手ではなかった。
大男の振った剣をグルドフは剣で受けたが、危うく後ろに倒れそうになった。それほど男の打撃は重かった。
すかさず大男は次の攻撃で剣を振ったが、グルドフはそれをかわして男の懐に飛び込み、足を斬ろうとした。
男は体に似合わず素早い動きでグルドフの剣をかわした。
その時、グルドフはもう一人の男が、滑るように近づいてくるのに気が付いた。一人でも手強いのに、それが二人となるとグルドフのほうが不利になる。何とか先に一人を片付けてしまわねばと、グルドフはもう一度先の男の近くに飛び込み、剣を振った。
しかし男はそれもかわし、グルドフの剣は男の服と腹の皮を薄く斬っただけだった。
グルドフはさらに踏み込み、後ろに逃れる男の足を斬った。
男は尻餅をつくように仰向けに倒れた。
グルドフは背後に気配を感じていた。
身をかがめながら後ろに迫る男の足を斬ろうとした。
だが背後の男はグルドフの剣を飛びあがってかわしながら、グルドフの頭上に剣を振り下ろした。
グルドフは床に転がって男の剣を避けた。
さらにもう一人がグルドフに迫ってきた。
迫る男の背後にまた影が現れ、たたっと跳んで剣を振った。
迫っていた男は振り向きざまに剣を振い、新たに現れた影の木刀を斬った。
新たな影はイナハだった。
イナハが三番目の男と対峙し、グルドフは二番目の男と向かい合って剣を構えた。
最初の、グルドフに足を斬られた男には、ポポンが妙な布を頭にかぶせ、何かしている。
一対一の戦いになれば、世の中広しといえども、グルドフとまともに渡り合える者は数えるほどしかいない。
その時、離れたところから戦いの状況を見ていた魔法使いが強力な炎を放った。
炎は一直線に広間の中央で戦っている者たちに向かってきた。
グルドフと男との間を炎が走り、男の手を焼いた。
「てめえ!」
男が魔法使いを睨んだ。
炎はそのまま反対側の壁まで走り、そこで左右に分かれ、導火線を伝う火のように壁際をさらに進んだ。
炎の走った所がめらめらと燃え出す。
広間の中央で戦っていた者たちは、炎にぐるりと取り囲まれた。
「てめえ、裏切ったな!」
もう一度男が叫んだ。
「手下の代わりなどいくらでもいるわ」
魔法使いも叫んだ。
怒り狂う男にグルドフはそっと近づき、木刀で胸を突いた。
キューッとなって男はそのまま床に倒れた。
イナハも丁度、戦っていた男を打ちのめすところだった。
ポポンは何かポンプのようなものをキコキコと押している。
するとポポンの手先から何やら液体が勢いよく飛び出し、若い魔法使いにかかった。
魔法使いは慌てて身をひるがえし、マントの陰に隠れたが、すでに遅かった。
そこへさらにポポンが液体を浴びせた。
さらに炎にも液体をかけると、炎は消えていった。
しかし一分もしないうちに液体の勢いは弱まり、チョロチョロッとなった。
「マスクとゴーグル!」
火の消えた部分を走り、魔法使いのもとに行こうとするグルドフに、ポポンが声をかけた。
グルドフは立ち止まると、マスクとゴーグルを装着し、再び走り出した。
魔法使いは慌てた様子で背にしているカバンを取り外そうとしている。
ポポンは近くの炎に、手にした火薬玉を近付け、導火線に火を点けると、魔法使いめがけて投げつけた。
魔法使いの近くでポンと音がして、火薬玉が弾けた。
魔法使いはグルドフに炎を浴びせかけようとしていたが、火薬玉が弾けて広がった大量の粉を吸い込み、背中を丸めてゴホゴホとせき込み始めた。その背中に、ゴーグルをしたグルドフが木刀を振り下ろした。
広間の向こうでは、駆けつけた役人や町の人々が大慌てで炎に水をかけて消火作業を始めていた。
悪党どもはかなり前からポイの町のことを調べていたようだから、いざとなったらこの集会場に逃げ込むということも考えていたのかもしれない。
グルドフたちが広い部屋に入ると、バチバチバチッと火花が散った。
「ただのこけおどしだね」
ポポンが言った。
広間の中央に体格のいい男が三人、体に見合った大きな剣を持って立っている。
奥の一段高くなった壁際には、魔法使いの姿をした若い男が一人いた。
「貴様もマットアンの回し者か!」
若い魔法使いが叫んだ。
「私はただの旅の通りすがりの者。訳あって悪者退治に協力いたす」
グルドフはそう言いながら、広間の中央にいる男たちに歩み寄っていった。
すると、大男の一人が大剣を構えながらグルドフ目指して走った。
グルドフは腰の剣を抜いた。木刀で戦えそうな相手ではなかった。
大男の振った剣をグルドフは剣で受けたが、危うく後ろに倒れそうになった。それほど男の打撃は重かった。
すかさず大男は次の攻撃で剣を振ったが、グルドフはそれをかわして男の懐に飛び込み、足を斬ろうとした。
男は体に似合わず素早い動きでグルドフの剣をかわした。
その時、グルドフはもう一人の男が、滑るように近づいてくるのに気が付いた。一人でも手強いのに、それが二人となるとグルドフのほうが不利になる。何とか先に一人を片付けてしまわねばと、グルドフはもう一度先の男の近くに飛び込み、剣を振った。
しかし男はそれもかわし、グルドフの剣は男の服と腹の皮を薄く斬っただけだった。
グルドフはさらに踏み込み、後ろに逃れる男の足を斬った。
男は尻餅をつくように仰向けに倒れた。
グルドフは背後に気配を感じていた。
身をかがめながら後ろに迫る男の足を斬ろうとした。
だが背後の男はグルドフの剣を飛びあがってかわしながら、グルドフの頭上に剣を振り下ろした。
グルドフは床に転がって男の剣を避けた。
さらにもう一人がグルドフに迫ってきた。
迫る男の背後にまた影が現れ、たたっと跳んで剣を振った。
迫っていた男は振り向きざまに剣を振い、新たに現れた影の木刀を斬った。
新たな影はイナハだった。
イナハが三番目の男と対峙し、グルドフは二番目の男と向かい合って剣を構えた。
最初の、グルドフに足を斬られた男には、ポポンが妙な布を頭にかぶせ、何かしている。
一対一の戦いになれば、世の中広しといえども、グルドフとまともに渡り合える者は数えるほどしかいない。
その時、離れたところから戦いの状況を見ていた魔法使いが強力な炎を放った。
炎は一直線に広間の中央で戦っている者たちに向かってきた。
グルドフと男との間を炎が走り、男の手を焼いた。
「てめえ!」
男が魔法使いを睨んだ。
炎はそのまま反対側の壁まで走り、そこで左右に分かれ、導火線を伝う火のように壁際をさらに進んだ。
炎の走った所がめらめらと燃え出す。
広間の中央で戦っていた者たちは、炎にぐるりと取り囲まれた。
「てめえ、裏切ったな!」
もう一度男が叫んだ。
「手下の代わりなどいくらでもいるわ」
魔法使いも叫んだ。
怒り狂う男にグルドフはそっと近づき、木刀で胸を突いた。
キューッとなって男はそのまま床に倒れた。
イナハも丁度、戦っていた男を打ちのめすところだった。
ポポンは何かポンプのようなものをキコキコと押している。
するとポポンの手先から何やら液体が勢いよく飛び出し、若い魔法使いにかかった。
魔法使いは慌てて身をひるがえし、マントの陰に隠れたが、すでに遅かった。
そこへさらにポポンが液体を浴びせた。
さらに炎にも液体をかけると、炎は消えていった。
しかし一分もしないうちに液体の勢いは弱まり、チョロチョロッとなった。
「マスクとゴーグル!」
火の消えた部分を走り、魔法使いのもとに行こうとするグルドフに、ポポンが声をかけた。
グルドフは立ち止まると、マスクとゴーグルを装着し、再び走り出した。
魔法使いは慌てた様子で背にしているカバンを取り外そうとしている。
ポポンは近くの炎に、手にした火薬玉を近付け、導火線に火を点けると、魔法使いめがけて投げつけた。
魔法使いの近くでポンと音がして、火薬玉が弾けた。
魔法使いはグルドフに炎を浴びせかけようとしていたが、火薬玉が弾けて広がった大量の粉を吸い込み、背中を丸めてゴホゴホとせき込み始めた。その背中に、ゴーグルをしたグルドフが木刀を振り下ろした。
広間の向こうでは、駆けつけた役人や町の人々が大慌てで炎に水をかけて消火作業を始めていた。
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