トノサマニンジャ 外伝 『剣客 原口源左衛門』

原口源太郎

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第二章

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 赤吹藩の二代目藩主、永野友成も父の意志を受け継ぎ、賢人として藩政を行い、その生き様も父同様であった。
 友成には八人の子があった。父親似の嫡子は、元服を前に大病を患い、早世した。次男も早世し、他の五人の子は女子で、最後に生まれたのが兼成であった。
 兼成の出産は難産となり、その時の影響からか生後の発達は遅かった。出生時に酸素欠乏状態が長く続き、脳に何らかの障害を負ったものと思われた。
 兼成以後、友成に子はなく、兼成が家督を継ぐこととなった。
 兼成はすくすくと成長したが、難しいことを考えたり行ったりすることが苦手であった。元服に近づくころにはボ―としていることが多くなり、友成は兼成に藩を継がせることを断念した。
 友成は娘の子を次の藩主として幕府に届け出た。

 関ケ原の戦いにおいて無様な戦をしておきながら、その後、家康の寵愛を受けて特別扱いされる永野家の事を、快く思っていない大名は少なからずいた。特に譜代大名の中には多かれ少なかれそのような思いを抱いている者が多かった。
 友成の出した届けは、ことごとく何かしらの因縁を付けられて却下された。幕府の政治を行う家老たちの中には特に赤吹藩永野を毛嫌いする者たちがいた。跡継ぎである兼成の素行不良の申し立ては認められなかった。家老たちは能力のない兼成を藩主にして、何か問題を起こせば早速、藩の取り潰しをしてしまおうと考えていた。
 そうこうしているうちに高齢の友成は病気を患い、床に就いたまま起き上がることができなくなった。遂にうつけの跡継ぎ様と呼ばれていた兼成が、うつけの殿様となったのである。
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