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俺はモテる
俺はモテる 2 (モテすぎてやばい結末)
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俺はモテる男だ。
今まで好きだとか、付き合ってほしいと言ってきた何人もの女を泣かせてきた。
ただ一度、ちょっと気になっていた娘から交際を申し込まれた時だけOKした。
俺は熱しにくく冷めにくいタイプだったから、初めのうちは何となく付き合っていたのに、一年もすると俺はすっかり彼女に惚れ込んでいた。そんな俺の中で彼女に対する想いが絶好調の時に、突然別れ話を切り出された。
私にはあなたは素敵すぎるとかいった、よくわからない理由で俺はフラれた。
彼女は熱しやすく冷めやすいタイプだったのかもしれない。
それからの俺は全ての交際の申し込みを断ってきた。
そんな俺が大学に入るために都会に来た。
広々として遠い山々が見渡せる田舎の景色は大好きだったが、人と建物ばかりで、喧騒に包まれた暮らしも悪くはないと思った。
都会で暮らし始めてしばらくすると、また俺と付き合いたいという女が現れた。田舎に比べ都会は人口密度が比べ物にならないほど高かったし、大学も同じような状況だったから、俺に言い寄ってくる女の数も飛躍的に増えた。
でも、俺は以前にフラれた経験がまだ頭にこびりついていたから、誰とも本気で付き合う気はなかった。
初めてあいつを見た時、目が離せなかった。そんなに綺麗な女を見たことがなかった。とにかくその時以来、あいつのことが頭から離れられなくなった。
俺は熱しにくく冷めにくい男のはずだったが、もしかしたら熱しやすく冷めやすい人間になってしまったのかと思った。
何度目かにあいつが働く店に行った時、俺は思い切って声をかけた。
あいつとは違う学校だったけど、同じ大学生で、同い年だった。あいつは店でアルバイトをしていた。
あいつは綺麗なだけじゃなくて、性格も朗らかで、言い寄ってくる男もたくさんいたようだ。けど本気で付き合ったことはほとんど無く、付き合っても長続きしなかったらしい。俺と同じだ。
それから俺たちは付き合うようになった。
俺は熱しにくく冷めにくいと同時に、熱しやすく冷めにくくもあったようだ。
あいつも同じタイプらしかった。
それからの三年間、俺たちは熱く付き合ってきた。
周りの奴らが就職活動の話をし始める頃、俺はあいつとこの先どうするかを本気で考えるようになった。
田舎には両親がいる。やがて俺は両親の事業を継がなければならない。
あいつにもその話をした。
何年か都会で働いてから田舎に帰ってもいい。だけど俺はすぐに帰って事業を継ぐ準備をしたかった。
あいつには大学卒業と同時に俺と一緒に、両親のいる田舎に来てほしいと告げた。
あいつはしばらく考えさせてほしいと言った。
生まれた時からずっと都会暮らしで、周りにはいつも人がいた。そして愛らしかった子供の頃から、誰もが振り返るような存在だった。
そんなあいつが、ちっぽけな田舎の村での暮らしになじめるわけがないと分かってはいた。
だけど、もしかしたら。
そんな希望的な思いもあった。
田舎に帰るための荷造りをしている俺の部屋に来た時、あいつは大きな目いっぱいに涙を溜めていて、頬に流れ落ちようとするのを懸命にこらえているように見えた。
「やっぱりあなたのところには行けない」
あいつは絞り出すように言った。
分かっているつもりだったけど、ショックだった。
「うん。しょうがないね。さよならだ」
俺も泣きたい気持ちでいっぱいだったけど、できるだけそっけなく言った。
「ごめんなさい、さようなら」
そう言って、あいつは部屋を出ていった。
俺はアマゾン川の上流にある田舎に帰ってきた。
あいつと別れたことを知った女たちが何十人も、俺を追ってジャングルの奥地へとやってきた。
そんな女たちを放っておくわけにもいかず、俺は親父の所有する鉱山で働けるようにした。
鉱山で働けない女たちのために、周りの広いジャングルを開墾し、広大な農場を作って働く場所を与えた。
さらに農業さえできない女たちのために、俺は都会から大きな工場を誘致し、そこに就職させた。農場や工場は女たちだけでは廻せないから、男たちも呼んできた。
俺のいた小さな村は人がどんどん増え、町になった。
俺が農地を作り、工場を誘致するため、あちこちにでかけるたびに知り合った女たちが俺の町にやってきた。
人が増えたので、俺は町にコンビニを始めとしたさまざまな商店を建てた。そこでは鉱山でも農場でも工場でも働くことのできなかった女たちのために働く機会を提供した。さらに夜の店もいくつかオープンさせた。
町は飛躍的に発展していき、俺は女たちのために寝る暇もないほど必死になって働いた。
なんで俺が女たちのためにこれほど働かなければならないのだろう。
本当にモテる男はつらいね。
今まで好きだとか、付き合ってほしいと言ってきた何人もの女を泣かせてきた。
ただ一度、ちょっと気になっていた娘から交際を申し込まれた時だけOKした。
俺は熱しにくく冷めにくいタイプだったから、初めのうちは何となく付き合っていたのに、一年もすると俺はすっかり彼女に惚れ込んでいた。そんな俺の中で彼女に対する想いが絶好調の時に、突然別れ話を切り出された。
私にはあなたは素敵すぎるとかいった、よくわからない理由で俺はフラれた。
彼女は熱しやすく冷めやすいタイプだったのかもしれない。
それからの俺は全ての交際の申し込みを断ってきた。
そんな俺が大学に入るために都会に来た。
広々として遠い山々が見渡せる田舎の景色は大好きだったが、人と建物ばかりで、喧騒に包まれた暮らしも悪くはないと思った。
都会で暮らし始めてしばらくすると、また俺と付き合いたいという女が現れた。田舎に比べ都会は人口密度が比べ物にならないほど高かったし、大学も同じような状況だったから、俺に言い寄ってくる女の数も飛躍的に増えた。
でも、俺は以前にフラれた経験がまだ頭にこびりついていたから、誰とも本気で付き合う気はなかった。
初めてあいつを見た時、目が離せなかった。そんなに綺麗な女を見たことがなかった。とにかくその時以来、あいつのことが頭から離れられなくなった。
俺は熱しにくく冷めにくい男のはずだったが、もしかしたら熱しやすく冷めやすい人間になってしまったのかと思った。
何度目かにあいつが働く店に行った時、俺は思い切って声をかけた。
あいつとは違う学校だったけど、同じ大学生で、同い年だった。あいつは店でアルバイトをしていた。
あいつは綺麗なだけじゃなくて、性格も朗らかで、言い寄ってくる男もたくさんいたようだ。けど本気で付き合ったことはほとんど無く、付き合っても長続きしなかったらしい。俺と同じだ。
それから俺たちは付き合うようになった。
俺は熱しにくく冷めにくいと同時に、熱しやすく冷めにくくもあったようだ。
あいつも同じタイプらしかった。
それからの三年間、俺たちは熱く付き合ってきた。
周りの奴らが就職活動の話をし始める頃、俺はあいつとこの先どうするかを本気で考えるようになった。
田舎には両親がいる。やがて俺は両親の事業を継がなければならない。
あいつにもその話をした。
何年か都会で働いてから田舎に帰ってもいい。だけど俺はすぐに帰って事業を継ぐ準備をしたかった。
あいつには大学卒業と同時に俺と一緒に、両親のいる田舎に来てほしいと告げた。
あいつはしばらく考えさせてほしいと言った。
生まれた時からずっと都会暮らしで、周りにはいつも人がいた。そして愛らしかった子供の頃から、誰もが振り返るような存在だった。
そんなあいつが、ちっぽけな田舎の村での暮らしになじめるわけがないと分かってはいた。
だけど、もしかしたら。
そんな希望的な思いもあった。
田舎に帰るための荷造りをしている俺の部屋に来た時、あいつは大きな目いっぱいに涙を溜めていて、頬に流れ落ちようとするのを懸命にこらえているように見えた。
「やっぱりあなたのところには行けない」
あいつは絞り出すように言った。
分かっているつもりだったけど、ショックだった。
「うん。しょうがないね。さよならだ」
俺も泣きたい気持ちでいっぱいだったけど、できるだけそっけなく言った。
「ごめんなさい、さようなら」
そう言って、あいつは部屋を出ていった。
俺はアマゾン川の上流にある田舎に帰ってきた。
あいつと別れたことを知った女たちが何十人も、俺を追ってジャングルの奥地へとやってきた。
そんな女たちを放っておくわけにもいかず、俺は親父の所有する鉱山で働けるようにした。
鉱山で働けない女たちのために、周りの広いジャングルを開墾し、広大な農場を作って働く場所を与えた。
さらに農業さえできない女たちのために、俺は都会から大きな工場を誘致し、そこに就職させた。農場や工場は女たちだけでは廻せないから、男たちも呼んできた。
俺のいた小さな村は人がどんどん増え、町になった。
俺が農地を作り、工場を誘致するため、あちこちにでかけるたびに知り合った女たちが俺の町にやってきた。
人が増えたので、俺は町にコンビニを始めとしたさまざまな商店を建てた。そこでは鉱山でも農場でも工場でも働くことのできなかった女たちのために働く機会を提供した。さらに夜の店もいくつかオープンさせた。
町は飛躍的に発展していき、俺は女たちのために寝る暇もないほど必死になって働いた。
なんで俺が女たちのためにこれほど働かなければならないのだろう。
本当にモテる男はつらいね。
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