【完結】レスだった私が異世界で美形な夫達と甘い日々を過ごす事になるなんて思わなかった

むい

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一応、理解はした。 R

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「ひんっ…何…や…」
花弁を上下になぞられて信じられないくらいに溢れた愛液がちゅぷちゅぷと音を立てる。
意味が分からない。なんでこんなに気持ちいいの?

「はぁ…すごく綺麗だ。ほら、赤く熟れ育った果実を見せて」
「~っ~っ!!!ああぁっ!!」

花弁の上部にある1番感じる場所をぬるぬると軽く数回撫でられただけだったのに。

(意味が分からない。意味が分からない)

イった。私。あれだけで。
ふぅーふぅーっと息を吐きながらカナメさんを見上げると、正に滴る色気というものを体現した表情で私を見つめているものだから、ドキンと心臓が大きく跳ねる。と同時にキュンっと子宮が彼を求めるように収縮した。

「ふふ。感じやすいんだね。嬉しいよ」

(これが…泉の精霊がいってた加護ってやつ?)

くちゅりっと再び指が動いて、私は未知の快楽の予感に慄いたーーーー



 ーーーーー




美形様に手を握られるという畏れ多い状況に心臓をバタつかせながらもそっと泉に手を浸す。
瞬間、手から何かがスーっと抜けていくような感覚がして意識が遠のいた。


『こんにちは』
「…こんにちは?」 

泉の精霊…だろうか?
女神っぽいコスプレをした美人な日本人のお姉さんって感じで違和感がすごい。
ここは金髪碧眼西洋美女じゃないのか。

『そうですね。この世界には貴女の思うような容姿の女性はいません。泉の精である私がそうであるように、この世界の女性の容姿は貴女のような日本人と殆ど変わらないんですよ。男性には華やかな色彩の容姿の者もいますが』

ほーなんか孔雀みたい。雄は派手で雌は地味って…ん?声に出てたっけ?

『いいえ、でもここは意識の中ですから。声に出さなくても分かってしまうのです』
「あ、そうなんですか。失礼しました」
『ふふ、落ち着いていますね。思った通りです』
「え、まぁ。驚きすぎて逆に冷静になると言うか。あの、私はどうしてここにいるんでしょう?」
『はい。ご説明しますね。まず、この世界の女性は、人口の一割にも満ちません』 

え?それじゃあこの世界滅びない?っていうか滅びていてもおかしくないよね?!

『ええ。今のところ一人の妻に多くの夫を番わせる事によって人口を保っていますが』
「一妻多夫って事ですか…」 

でもそれってどう考えても無理がある。
種を蒔くだけの男性だったら1ヶ月で何人も孕ませる事は可能だろうけど、女性はいくら夫が多くたって産めるのは1年に1回、運が良くて双子や三つ子。いくら夫が多くてもあまり意味は無いんじゃないの?

『ああ、そうでした。こちらと地球とでは子を作る為の行為は同じでも、子が出来る過程と出産する形が全く違いましたね。
こちらの女性の妊娠期間は2~5ヶ月程で、子は5~10cm程度の大きさの卵で生まれて来ます。地球の女性のような負担も産褥期も無いですから、年に4~5回産む方もいますよ。着床ではなく男性側の魔力を心身で受け入れる事によって初めて卵になりますから無理強いなどもってのほか。女性は物凄く大切にされますからそこは安心して下さいね。
そして妊娠をすると男性は産卵が出来るまで毎日子宮に精を注ぎ続ける事になります。妊娠期間に開きがあるのは魔力が満ちるのが早いか遅いかですね。ですから夫の人数が多い程、妊娠期間も短く直に次の子を孕むことが出来るのです』
「へ…ええ~…」

なんか…すごい…。じゃあこっちの女性って結婚したらずっとヤってるって事?

『まあ、そうですね。こちらの女性は生涯で最低でも30個くらいは卵を産みますから』

ひぇえ…。

『ですが…やはり生まれてくる女性が少な過ぎるのです。子は9割方男性側の遺伝子魔力を受け継ぐとはいえ血も近くなりますし。そこで女神様は泉の精を介し地球から女性を連れてくる事にしたのです。
勿論この世界に馴染めなければ意味がありませんし、ひとつの泉で1人喚ぶ為に100年程力を溜めねばなりません。ですから人選は厳しく、まずは異世界に理解があり突然連れて来られても落ち着いていられる事、穏やかな性格である事、現在不幸だと感じてる事、性的な事に忌避感がない事、欲求不満な事、愛されたいと思っている事、子が欲しいと思っている事、地球から離れても未練が無い事、なんとなく死にたいと思っている事…』

全部が全部当てはまる…でも、はぁ…後半…客観的に聞かされると本当に胸が抉られるな。

『あ、すみません。あとは、この世界の男性にとって好みの容姿であることですね』
「え?好み?」
『ええ、いくら貴重な女性といえど醜女と美女なら美女の方が性的欲求が高まるというものでしょう?
今世の容姿が既に刻まれている地球の魂は、こちらの神には変えようがないので容姿はとても重要なのですよ。
たとえ加齢が進んでいても魂には生まれた時からの容姿が全て刻まれていますから、こちら仕様に身体を作り変える時に1番魅力的な時期の容姿を当て嵌めれば済む事ですしね。
と…色々と勝手をして申し訳ありませんが、作り変える際に女神様から加護として体力や回復力を最大に、病気や怪我に強く、痛みに鈍く快感を強く感じるようにしてありますから、地球とは違って楽しんで子作りして頂けると思いますよ』

美女とか醜女とか…ずいぶんあけすけだけど、色々気になるけどっ。

「あの、私の容姿ってこちらの方の好みなんですか?」
『それはもうっ!私が召喚した中でも断トツですよ!顔のつくりもそうですけど、身長が低くて胸や尻が大きくウエストも適度にくびれていて、むっちりと柔らかい女性的な肢体はこの世界の理想そのものです!!』
「はぁ…」

容姿が大切だと言うのは良く分かる。
容姿の良ければそれだけ人にちやほやと優しくされるし大切にしてもらえる。
美人なあの子だけ贔屓されてる!なんて展開は誰しも体験や目撃をしている事だろう。
現に私は非凡な美形のカナメさんに初対面で馴れ馴れしくされても嫌悪感がなかった。
これが不細工なおじさんだったら感情は全く違っただろうと思う。

そして今の外見…若い時の私の評価を考えてみる。
当時はモテてるとちょっと勘違いしてた時期もあったけど…実際は巨乳だし一発ヤッてみたいけど連れて歩くのはちょっと…な女。それが当時の私の正当な評価だろう。
せめて身長が高ければセクシー系としてイケてたんだろうけどね。
150cmでギリ標準体重とかね。顔もぽやっとしたタヌキ顔だし。エロ漫画に出て来そうな外見、なんて最低な事を言われた事もある。
すごく好みのタイプ(外見)だと、真剣にアタックされた事もあった。
実は旦那もそのクチだったというのは、同じタイプの女性と浮気されて初めて知った事だけど。
そう、結局そういうヤツは好みのタイプなら私でなくても、誰でも良かったのだ。
前者に関してはそれこそ身体だけが目的。後者も私自身を見ているワケじゃなかった。

そしてそんな誘いに乗って楽しむには、私は不感症過ぎたし、愛されたいと願い過ぎていた。

一体私という人間の人格を何だと思っているのか。
愛されない理由を考える度に打ちのめされる。

何にしても男に関してロクな記憶は無い。
私が正統派美女だったら男達の対応も違っただろうな。なんて考えてしまうほどに。
ここでは一応、正統派美女に当て嵌まるらしい私はどうなるんだろう。

現実でも架空でも愛されヒロインっていうのは、貧乳なのがちょっぴりコンプレックスな華奢で可憐な女の子と相場が決まってる。
巨乳なら巨乳で健全な少年漫画や修正しまくりのグラビアアイドルみたいに華奢な身体に大きな胸がくっついてる子が理想。
骨太で痩せたら華奢になる前に骸骨になる私には逆立ちしたって叶わない。
性格は…うん。性格も駄目だったな。せめて性格が癒やし系なら需要はあったのかなー。
  
『ふふ。そんな貴女にこそ、この世界は良いものとなるでしょう。どうぞ楽しんで、幸せになって下さいね』

スーっと身体に熱が戻ったような感覚がして目を開くと、手を浸した時と同じ体勢だった。
 
「精霊と話は出来た?」
「はい。私みたいな人は、よくいるんですか?」
「リコのような贈り者?それなら数年から数十年に1人、世界各国に点在する泉のどこかに贈られて来たという話はよく聞くよ。この国でも確か20年以上前に北地方の泉に贈られたとか…。私が実際に贈り者に会ったのは今日が初めてだけれどね」

数年に1人って多くない?!
大丈夫なの日本人。
いや、あくまで日本人のような容姿…だから中国や台湾あたりの人も来てるのかも知れないし、何より日本だけでも行方不明者は年間何百人もいるって言うし。
私もその1人になっちゃったのかなぁ。
あの人は、私を心配しているかな。それとも、消えた事を喜んでいるかな。
案外、気づかなかったりして。

「リコ?」
「へ?何ですか?」
「…。とりあえず私の…そうだな、実家に行こう。あそこなら女性用の服もあるし安全だ」

心配そうなその顔に、私は暗い顔をしていたんだと気付く。
あの人の事を考えると自然とそうなってしまうのだ。


カナメさんの運転する車は、様々な店が建ち並ぶ大通りを抜けて閑静な住宅街も抜けて…なんだかヨーロッパの貴族のお屋敷のような豪邸が広い庭園と共に並ぶ通りを走っている。

「え…家、この辺なんですか?すごい豪邸だらけなんですけど」
「ああ、ここは女性の住む住居が並んでいるからね。家族が多い分建物も大きくなるし、女性は豪華で華美な物が好きだろう?自然と豪邸だらけになる」

くすくすと笑うカナメさんに世界の違いを感じた。
そうか。大家族で部屋が必要。貴重な女性はちやほやされて稼ぎ手は何人もいる。豪邸になるのは、自然な事なのか。

と、その後数十分車を走らせて辿り着いたのはもはや城だった…。

「はわ…」

城に相応し過ぎるイケメン王子(ちょい和風)、カナメさんによって扉を開けて待ち構える従者達の前に引っ張り出されようとしている。
エスコートされるに相応しいヒロインになるには、今すぐ身長を15cm伸ばして悪女風メイクでセクシー女になるか、骨ごと細くなって華奢で庇護欲をそそる女になるかの二択しか無い気がする。無理だけど。
でも少なくともこんなもっさりした自分がエスコートされていい場所じゃない。
服装だって通販のセールで買ったドルマンスリーブのカットソーとコットンパンツだ。
メイクもUVカット下地にパール入りのフェイスパウダーをササッと叩いただけでファンデは塗ってないし、あとは眉墨と睫毛に付いたフェイスパウダーを誤魔化す為の申し訳程度のマスカラと潤い重視の色付きリップだけ。
だって休日だしっ!近所のスーパー行くのには申し分ない格好だよ?
こんな、城に来るなんて聞いてないからね!!  



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