【完結済み】「こんなことなら、婚約破棄させてもらう!」幼い頃からの婚約者に、浮気を疑われた私。しかし私の前に、事の真相を知る人物が現れて……

オコムラナオ

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完結話

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その後、全てはアルフレッドの差し金だったことが明らかになった。

社交場に私を連れてきて、別れさせ屋の男に声をかけさせる。そして社交場の外で私を襲わせるようなことをし、それを目撃し不倫だと訴えて、婚約を解消する。

何もかも計算尽くのこと。しかし全ての証拠を握っていた義弟の前に、アルフレッドが反論できる余地はなかった。


私との婚約をなぜ解消したかったのかという理由について尋ねられると、アルフレッドは、私の性格に難がありそれが耐えられなくなったと述べた。しかしその本当の理由についても、スラウィビィオラはしっかりと証拠を握っていた。

兄のアルフレッドが、私ではない別の女性と密会をしている写真。彼は浮気相手と結ばれるため、私との関係をばっさり断ち切ろうと考えていたのだ。


全てが明らかになり、彼の父親は激怒。私や私の両親に謝罪するとともに、息子を家から追い出し、絶縁することを決定した。

こうしてアルフレッドは、彼の家から永久的に追放された。






そして私はといえば。

「ごめんなさい」

アルフレッドが家から追い出され、両家のごたごたも少しずつ落ち着いてきた、数週間後。

私は学園のカフェテリアで、謝っていた。

「何が?」

そう答えるのは、義弟の……いや、今となってはその関係ではなくなった相手、スラウィビィオラだ。


「私ね、あのダンスパーティーに行く何日か前から、誰かに見られている感じがして、それをこう……何か良くない考えを持った人の仕業だと思っていたの。

でもあれって、あなたの視線でしょう。今回のことではいろいろと動いてくれていたし、私に妙なことが起こらないか、ずっと見守っていてくれたのね」

このカフェテリアにいたときも、おそらく生徒に紛れて、私の様子を窺っていてくれたのだ。何か変わったことはないか、アルフレッドに酷いことはされていないかと確かめるため。

「……別に、大したことはしてないよ」

義弟は、いつものような気難しい顔で目を背けた。


そのとき初めて、私はこれまで気が付かなかったことを発見した。

私から顔を背けた彼の耳が、ほんのりと赤くなっていることを。

『まさか、ね……』

ごたごたがあったばかりで、今はまだ先のことなど考えられない。

でももしかしたら。

そんな未来も……あるのかしら。


「何、どうかした?」とスラウィビィオラに言われ、我に返る。

「えっ?」

「何か、顔赤いぞ。熱でもあるのか?」

「そっ……それを言うなら、あなたの方でしょ!?」

「はぁ!?」

耳だけでなく、頬まで赤く染まる彼。

「別に、俺は……赤くなってねーよ!」

「私だって違うよ!」




スラウィビィオラとの間に感じていた壁は、今回の一件で、全くなくなったように感じた。

と同時に、私と彼との関係が、もう子供の頃のような「姉」と「弟」ではなく、かといってよそよそしくなった「義姉」と「義弟」とも違う、

何か胸がくすぐったくなるような、

気恥ずかして、誰にも知られたくなくて、

でも自分の胸の中でだけはずっと大切にしておきたいような。

そんな感覚の芽生えるものに変わったことを、私は薄々だが、感じ始めていた。

彼の方でもそうだといいなと、淡い期待を抱きながら。
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