現実から始まる異世界転生

たまがわむさこ

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メイドで始まる異世界転生

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「ごめん下さいまし!家政婦紹介所から参りました、市原と申します。」

私の名前は市原秋子。ベテランの域に入った家政婦だ。

見たところ敷地は軽く100坪を越えているようだ。庭の芝は綺麗に手入れがされている。松の木もあるから庭師は通いで3人といったところか。他人事ながら水撒きの水道代が気になるが、あそこに井戸が見えているから、地下水を電動ポンプで汲み上げているのだろう。

屋根や装飾は贅沢に銅板を使っているのか。既に緑青色の良い感じを醸し出している。

屋敷の造りは予想通り総檜。襖を開けると全ての部屋が繋がるのだろう。今時珍しい、良い造りの日本家屋だ。

家政婦には保守義務がある。前の家庭では、その欺瞞ぶりに我慢が出来ず、洗いざらいぶちまけたところで首になってしまった。反省はしているが、後悔はしていない。

今日も紹介所に戻ったら家政婦仲間と暴露大会だ♪

今夜も暴露大会で盛り上がったが、明日も早い。

名残惜しいが切り上げて電気を消すと、闇の中に私の愛しい飼い猫である都ちゃんの目の光が浮かび上がる。

あれ?
何か不思議な紋様が浮かんでいるような?

『猫の目ではありません。』
光の中から誰かがしゃべった。

『貴方を異世界に転生します。』
「!?」

・・・
人生のやり直し、それは過去の知識というチートを貰ったに他ならない。その上私には現代人の知識まである。新しく生まれ変わった私の前には、無限とは言えなくても生前より多くの選択肢が広がった。

さあ、新しい人生で幸せを掴もう。

私は色々な可能性、選択肢を頭の中でもシュミレーションする。そうか、転生した異世界には家政婦という職業は無いのか。

そしていろいろ考えた結果、私の職業選択はメイド一択となった。コスプレみたいなヒラヒラな衣装はどうかと思ったが、若返った今なら問題はないだろう。

見た目よりも仕事内容が大事。
私の生き甲斐は覗き見、暴露、噂話なのだから♪


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