あの娘のスクール水着を盗んだ ~ちょっとエッチな短編集~

かめのこたろう

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パパ活していたクラスの女子をチクってやった。

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 パパ活していたクラスの女子をチクってやった。
 匿名で自分とわからないように、善意の保護者の一人を装って、学校にメールで証拠を送り付けてやった。


 別に特別ソイツがキライだったワケではない。
 何か個人的な恨みがあったとか、生理的に受け付けないとかムカついたりしていたわけではない。

 むしろ俺はソイツの事をちょっとイイなと思っていた。
 ブスじゃないし、あんまりギャーギャーしない、おとなしそうな感じが俺でもなんとかなりそうな気がして、同じクラスになったときからチラチラ気になっていた。
 もし何かいいきっかけでもあれば、あわよくば付き合ってやってもいいとすら思ってた。
 俺にとっての初めての彼女にしてやることだってやぶさかじゃなかった。

 だからこそ、ソイツがオッサンと金銭のやり取りを経て、たぶん肉体的なものを含めた時間を過ごしていることを知ったときにはすさまじい衝撃を受けたのだった。
 もっとギャルめの、いかにもやってる感じの女子ならともかく、よりにもよってアイツが。
 
 そんな汚らわしいことをしてたなんて。
 この世で一番卑しく、醜い行為をするようなヤツだったなんて。

 俺が惚れかけた、生まれて初めて付き合ってもいいと思ったアイツは金で男に股を開く、いわゆる「売女(バイタ)」ってヤツだった。
 
 これ以上ない最低最悪な裏切り。
 その怒りと軽蔑はどこまでも俺を焼き焦がして突き動かしていく。

 社会的に抹殺してやろうとすぐに決めた。
 つまりは学校にチクって居場所を失くしてやればいいと想った。
 パパ活なんてバレたら、停学で済めば御の字、下手すりゃ退学だろう。
 仮に学校の処分が緩くても、噂が広まったりすればもう登校なんてできなくなるはず。

 言い逃れできない決定的な証拠があった。
 慎重な尾行とスマホによって齎された、扇情的で赤裸々な生々しい映像と音声は誰にも覆すことなどできない絶対的真実に他ならなかった。

 それを学校のホームページに記載されてるメアドに送信して二日後の今日。
 アイツが放課後呼び出された理由なんて他にありえないことを確信し、生徒指導室に偶然を装って近づいていく。

 パパ活が学校にバレたときの女子の顔というのがどんなもんか見てやろうと想った。
 そうしてこの世の絶望を一心に背負ったような悲痛な表情でも確認しないと、こっぴどく踏みにじられて裏切られた俺の純情が報われない。
 溜飲ってやつが下がらない。

 苛立ちと好奇心とが入り混じった複雑な興奮に包まれたまま、「生徒指導室」の表示板が視認できる距離まで近づいた途端。


 「じゃあ学校やめます」


 という言葉が聞こえてきた。

 普段見知ったクラスにいるイメージとはかけ離れた、だけど確実にアイツの声で。
 大きく堂々とした響きだった。
 何らの後ろめたさも怯えも卑屈もない。
 腹立たしいほどに真っすぐでゆるぎない。

 およそパパ活がバレて呼び出されたヤツのものとは思えない響きの声が俺の耳を打った。
 何故か「ガンっ」とハンマーで頭を殴られたようなショックを受けてビクッと竦んでしまった。

 と、間も無く音を立ててドアがスライドすると、普段とまったく変わらないアイツの姿がそこにあった。
 細身のブレザーとスカート姿がみるみるこっちに近づいてくる。

 俺は硬直したままその顔に釘付けになった。
 予定では怯えと後悔で染め上げられた、情けない泣きべそ顔でも確認して内心ほくそえんでやるはずだったそこには全く想定外のものしかなかった。


 何らの感情も感じられない、硬質の無表情。
 ただ内心に渦巻く猛々しいものが否応なくにじみ出るかのように僅かに染まった頬。
 真っすぐ中空の一点を見据えて微動だにしない視線。
 こちらには全く気が付かないように見向きもしない。

 醜く卑しい売女(バイタ)であるはずのソイツの顔。

 全然醜悪さの欠片も見つからなかった。
 軽蔑も嘲笑も生み出すことができなかった。

 パパ活なんてしてるヤツが備えてはいけないものが満ち溢れていた。
 もっと不細工で嗤えるような感じじゃないといけないはずだったのに、なぜか真逆のものだけで構成されていた。
 その不条理と不可解。

 こちらを一瞥もすることなくスタスタと通り過ぎていく背中を茫然と見送ることしかできなかった。
 そして完全にその姿が消えてから、俺は滅茶苦茶イラついて何かに八つ当たりしなくちゃいられなくなった。





 了
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