あの娘のスクール水着を盗んだ ~ちょっとエッチな短編集~

かめのこたろう

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それでも僕がパパ活女子と別れられない理由(ワケ)

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 僕が付き合ってる彼女はパパ活をしている。


 一応、肉体関係はないということにはなっているけれども。
 いいお小遣い稼ぎだし、彼氏である僕を裏切るようなことは一切ないからとさんざん言い含められているけれども。

 だからといって全然気にしないで、泰然自若と平気でいられるわけなどない。
 すごくつらくて気になって仕方がない。

 そもそもセックスしないからって、彼氏公認でパパ活しようなんて発想自体、本来ならありえないことのはずだと思う。
 普通なら少なからず後ろめたさとか申し訳なさとかを感じて、せいぜいこそこそ隠れて卑怯な裏切りという体(てい)でやってくれるのが本来の在り方なんじゃないか。

 そうファミレスのテーブルの対面から、恨みがましい視線と表情を送る僕を彼女は実にあっけらかんと笑い飛ばしてくれる。
 「そんなこと気にしてんの?」という態度で、いかにもこちらがつまらない些事に拘る小さな人間であるかというように、それでいてなるべく傷つけず穏便に事を済まそうと話を逸らして流そうとする。
 駄々っ子をあやす保護者のような、上から目線の包容力。
 大好きな恋人から送られてくる、そんな傲慢と不遜に僕はまた堪らなく落ち込んだり苛立ったり、塞ぎこみがちになりそうになるのだけれど。

 目の前に並べられたファミレス特有の魅力的なメニューの数々、その提供者が彼女であるという事実。
 そして今のところどれだけ揺さぶられおろおろ右往左往と動揺はすれども、根本的には変わらないでいる想いがぎりぎりで僕をつなぎとめてしまうのである。
 喉元まで出かかった情念たっぷりの恨み言辛み節をごくんと飲み込ませてお腹の中に閉じ込めてしまうのである。

 惚れてしまった弱み。
 好きになったら負け。

 僕は相変わらず馬鹿みたいに彼女が好きだった。
 付き合い初めて数年、見た目も中身も未だ心惹かれてやまなかった。

 彼女を失ったら、僕にはもう他に相手なんていない。
 恋人のように過ごせる別の異性なんて全く心当たりなんてない。

 特にセックスができなくなるなんて、絶対嫌だった。
 孤独にオナニーで済ますなんてとても無理だった。

 それだけ彼女が教えてくれた、異性と肉体的につながることができる感覚、充足と実感はとても大きな割合で僕を占めてしまっている。
 なくてはいられない状態にすっかり陥ってしまっている。

 ここ最近は特に性欲が溢れて我慢ができなくなってきた。
 彼女が傍にいるときいないとき関係なく、頻繁に猛烈な欲求が襲ってきてあのステキな肉付きの身体を思う存分に蹂躙して堪能したいと希(こいねが)ってしまうのだ。

 そうしてセックスするたびに、僕は我を忘れてケダモノになった。
 前からうしろから、上から下から身体を必死で動かして受信機関をフルに活用し続けた。

 彼女もとても気持ちよさそうなのが、僕をさらに満足させる。
 女の性的欲求を素直に隠すことなく、おおっぴらに開陳して情報公開してくれるようすが、こちらをどこまでも興奮させて安心させてくれる。

 僕に「男」の矜持と自覚をもたらす唯一の存在。
 それが彼女に他ならない。 
 どうぶつのような四つん這いで激しい運動をしながら、そう再認識するのが常だった。
 ビタンビタンと、普段の生活ではおよそ縁がなさそうな衝撃音を聞きながらあらためて確信する。

 だからどれだけ自分以外の相手の痕跡をまざまざと見せつけられても、為す術など何もない。
 何時からこんな感じ方をするようになったのか、こんな場所でイクことができるようになったんだとか。
 僕には皆無だった発想の男を悦ばせるための技術、優しく淫猥な奉仕と真心の数々。
 特に隠そうとしているとも思えないフラグメンツの集積。
 無意識に出ちゃうままに任せている、自制の痕跡も見当たらない見知らぬ性行為。

 彼女は僕以外とセックスはしていないという。
 いわゆる「大人なし」という条件だけはきちんと守って、裏切ることはないと臆面もなくはっきり断言してくれる彼女。

 でも僕はもうパパ活相手とのセックスをすっかり確信していた。
 もはや完全にその境界は破られて超えられてしまったのだと、彼女との交わりを通じて完璧に把握した。

 これでやってないわけがない。
 これだけ厳然とした証拠の数々が隙間もないほど敷き詰められて、一つの道を構築してくれているのに理解しないでいられるわけがない。

 今自分のモノを激しく突っこんでいるこの水気の多い場所で、顔も知らぬどこぞの小金持ちのオッサン(たぶん)もさんざん気持ちよくなって粘っこいのを出しまくったのだろう。
 ここもそこも、彼女の柔らかくて温かい場所は全部、無駄なく有効に性的な活用をされて消費されたのだろう。

 僕はそうセックスを通じて彼女の裏切りをはっきり理解した。
 どれだけきれいごとを並べて慎重に保険を張ってもパパ活とは結局そういうことなのだと、投げやりな諦観でさほど傷つきもしないで受け入れた。

 彼女も、どこぞのオッサンも、そして僕も、ぞれぞれ自分のために、自分の幸せとか快感とか心地よさのためにやりたいことをやってるだけなんだと思う。
 こうして恋人の不倫的肉体関係を確信しても別れたり離れたりする気持ちが微塵もわかないのもまた、僕のエゴイズムに他ならないから。

 ただ、ここ最近になって性器に鈍痛とかゆみを感じることが増えた。
 取り返しのつかない悲惨な性病だったりしたらどうしようと、漠然とした不安がひたひたと背中を追いかけつつある。


 もしそんな不幸が訪れたとしたら僕らはどうなってしまうのか、今はそれだけが気になっている。





 了
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