プロレタリア

毒鼠STRUM

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最凶

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投げ銭が宙を舞う、それは褒美なのか、単なる慰めなのか・・・
わかっているのは、それが今日必要な金って事だけ・・・
俺は、その投げ銭をかき集めバックに突っ込み、商売道具をリアカーに積み、その場から静かに消える・・・
そして、少し歩くと、自作のアクセを路上販売しているヤツを見つけた。
実はソイツは、俺が高校辞めるまで、唯一ずっとつるんでたヤツだ・・・
名前は、影谷隆・・・
俺の左手首に付いてるリストバンドは、コイツから買ったものだ・・・

『よう隆・・・調子どうだ?』

『おう!独邪!いらっしゃい』

俺と隆は、縁石に腰を掛け煙草を吸った・・・

『なぁ隆、この女の人見たことねぇ?』

俺は隆に例の写真を見せた。

『う~ん・・・俺も、こんな商売して色んな客見るけど・・・悪い、わかんねぇわ』

『俺もだ・・・』

『独邪が人探しってぇのも珍しいじゃん?何かあった?』

『ああ、最近ダチになってよっ常連でもあんだけど、その母親なんだわ、2年前に旦那とこじれて出て行って、それから帰って来ないんだとよ・・・』

『んで、手伝ってるって訳か・・・』

『まっそういうこった・・・ハハっ』

コイツとは小学校からのダチで唯一信用できるヤツだ・・・

『俺も一緒に探してやるわ、感謝しろよ!』

『ウルセェ・・・ぶっ殺すぞ・・・ハハハ』

『独邪変わんねぇなぁ・・・最凶ヤンキー・・・ハハっ』

『隆も人の事言えねぇだろうが・・・』

俺と隆は、久しぶりに飯を食いに行った。
その食堂で、色々話した・・・

『なぁ隆、マッド・ソサエティって集団知ってっか?』

『ああ知ってる、かなりヤバイ連中らしいな・・・』

『こないだ元也に会ってよ、アイツその連中とグルんなって何か、やらかしてるみたいなんだわ』

『マジかよ・・・アイツ何やってんの?』

『ヤミ金っその連中と一緒にシメてやった』

晴香の母親の写真見せた途端マッド・ソサエティが動いた・・・
裏で何らかあんのか・・・?

『隆、マッド・ソサエティの頭知ってっか?』

『あっ独邪知らんの?葛城真太郎・・・』

『!?・・・あの葛城・・・』

『そう、独邪が1年の時に半殺しにした2コ上の先輩っ』

確か、葛城は高校卒業して自衛隊に入ったはず・・・

『何か知らんけど、何かやらかしてクビんなったって・・・』

『誰かのケツでも掘ったか?』

『ギャハハハっウケるなソレ!?』

この日は、2人で色々話をして盛り上がった・・・
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