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電話ボックス
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私が子供の頃の話になります。
当時はまだスマホなどなく、皆は自宅にある家の電話を使用するような時代でした。
自室の窓からいつも気になるものがありました。
それは電話ボックスです。
とある廃墟の敷地の近くにあった電話ボックスは緑いろの光に包まれて夜はとても不気味に見えました。
その廃墟は”いわくつき”の廃墟として近所でも有名です。
幼いころはそこには立ち入らないようきつく言いわれていました。
そのこともあり、あそこは”危険だ”と認識するようになっていました。
しかし、塾の帰り道どうしてもそこを通らなければなりませんでした。
田舎の裏通りなので街頭もなく、夜は民家の明かりだけが頼りです。
自分の足元を見ることがやっとです。
電話ボックスを横切ろうとしたときに、ふと視界に女性の姿が入りました。
直視しないよう横目で見ると、髪の長い女性が電話ボックスいました。
(この電話ボックス使う人いるんだ)
そう思いながら目を離せずにいたのですが、女性がこちらをちらりと見たのです。
私は慌てて前を向き、走りました。
彼女を見てしまい、なんだか失礼なことをしたのかもと思いました。
彼女の顔はやつれて、頬がこけていました。
細身の華奢な女性です。
今でも鮮明に思い出せます。
どことなく、近寄ってはいけない類の人間だと今ならわかります。
ですが、当時の私にはそのことがわからなかったのです。
その”わからなかった”ということがいかに危険なのか。
私は、この後の経験で思い知らされるのです。
次の日の塾の帰り道のことです。
いつもの道で帰宅していました。
電話ボックスが見えなかにはあの女性の姿がありました。
今度は目が合わないよう、前だけを見て足を進めました。
電話ボックス前を通りかかったときです。
ぎぃっと電話ボックスのドアがあき、女性がうなだれた様子で出てきました。
驚いた私は思わず悲鳴を上げました。
何故なら女性の手には猫の首が握られていました。
彼女は赤いワンピースを着ており、不気味さが増していました。
本当に怖いのはこの後です。
彼女は私の家を指さし、微笑んでいました。
何故、自宅を知られているのかなどこの時考える余裕はありません。
全力で走り家のドアを開け、急いで鍵を閉めようとしました。
手が震えチェーンを素早くかけることができませんでした。
そんな姿を母が見ていたようで、何があったのかときかれました。
私は一生懸命に説明すると、母は通報するといいました。
その時の記憶は曖昧ですが、警察に連絡したように思えます。
部屋に入りカーテンを閉めようとしたとき、私は見てしまったのです。
赤いワンピースの女性がこちらを見て立っている姿を。
その後、父に電話ボックスの話をしました。
帰ってきた父は私に言いました。
「あの電話ボックス、受話器と本体をつなぐ線があるだろう?」
「うん」
「あの線・・・切られていた」
父と私は顔を見合わせました。
今になってはもうわからないのですが、あの女性が切ったのでしょうか?
あの女性は何者だったのでしょうか?
40歳になった今、実家に帰るたび思い出してしまうのです。
当時はまだスマホなどなく、皆は自宅にある家の電話を使用するような時代でした。
自室の窓からいつも気になるものがありました。
それは電話ボックスです。
とある廃墟の敷地の近くにあった電話ボックスは緑いろの光に包まれて夜はとても不気味に見えました。
その廃墟は”いわくつき”の廃墟として近所でも有名です。
幼いころはそこには立ち入らないようきつく言いわれていました。
そのこともあり、あそこは”危険だ”と認識するようになっていました。
しかし、塾の帰り道どうしてもそこを通らなければなりませんでした。
田舎の裏通りなので街頭もなく、夜は民家の明かりだけが頼りです。
自分の足元を見ることがやっとです。
電話ボックスを横切ろうとしたときに、ふと視界に女性の姿が入りました。
直視しないよう横目で見ると、髪の長い女性が電話ボックスいました。
(この電話ボックス使う人いるんだ)
そう思いながら目を離せずにいたのですが、女性がこちらをちらりと見たのです。
私は慌てて前を向き、走りました。
彼女を見てしまい、なんだか失礼なことをしたのかもと思いました。
彼女の顔はやつれて、頬がこけていました。
細身の華奢な女性です。
今でも鮮明に思い出せます。
どことなく、近寄ってはいけない類の人間だと今ならわかります。
ですが、当時の私にはそのことがわからなかったのです。
その”わからなかった”ということがいかに危険なのか。
私は、この後の経験で思い知らされるのです。
次の日の塾の帰り道のことです。
いつもの道で帰宅していました。
電話ボックスが見えなかにはあの女性の姿がありました。
今度は目が合わないよう、前だけを見て足を進めました。
電話ボックス前を通りかかったときです。
ぎぃっと電話ボックスのドアがあき、女性がうなだれた様子で出てきました。
驚いた私は思わず悲鳴を上げました。
何故なら女性の手には猫の首が握られていました。
彼女は赤いワンピースを着ており、不気味さが増していました。
本当に怖いのはこの後です。
彼女は私の家を指さし、微笑んでいました。
何故、自宅を知られているのかなどこの時考える余裕はありません。
全力で走り家のドアを開け、急いで鍵を閉めようとしました。
手が震えチェーンを素早くかけることができませんでした。
そんな姿を母が見ていたようで、何があったのかときかれました。
私は一生懸命に説明すると、母は通報するといいました。
その時の記憶は曖昧ですが、警察に連絡したように思えます。
部屋に入りカーテンを閉めようとしたとき、私は見てしまったのです。
赤いワンピースの女性がこちらを見て立っている姿を。
その後、父に電話ボックスの話をしました。
帰ってきた父は私に言いました。
「あの電話ボックス、受話器と本体をつなぐ線があるだろう?」
「うん」
「あの線・・・切られていた」
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