いつも近くに(短編集)

こまいまい

文字の大きさ
3 / 8

警告

しおりを挟む
とある廃墟ホテルへ行った時のお話です。
仕事の先輩と一緒に暇つぶしに行ったのですが、今では後悔しています。
私は昔から、何かの気配を“感じる”ことが多かったです。
しかし、実際に“見た”ことがなかったのです。自分に危機感がなかったのだなと痛感しました。

先輩は全く霊感などないとのことでした。
そのため、自分の前を歩いてくれていました。

ホテルの玄関につくとまず目留まったのは大量の献花とお米、お酒のお供えものです。
その時点で嫌な予感がしたのですが、先輩の手前なので強がっていました。
恐怖心を笑顔で隠しふざけて見せていました。

懐中電灯で照らしながら、ホテルへ入りました。
しんと静まり返った廊下には2人の足音がするだけです。

時折、外から虫の鳴き声が聞こえる暗闇のなか足を進めました。
一階を回り受付だった所の前を通過しようとした時、寒気を感じました。

先輩は何にも感じていない様子でした。

いろんな部屋の壁にはスプレーなどによるタチの悪い落書きが目立ちました。

2階に行き、先輩は客室の部屋のドアを開けました。
そこの部屋にはネクタイと革の靴がおちていました。

昔のものにしては状態が良い感じがしました。

「なんだ、つまんね~」
先輩が大きな声でいい、その声に驚いてしまいました。

思わず声をあげそうになったのですがなんとか隠し通せました。

3階に上がる階段の途中のことです。
知人かもらった数珠が千切れたのです。

階段には御守りの石が飛び散り、カツンと音を立てて落ちていきました。

本能的にそのことで危険なのだとわかったのです。

気がつくと先輩の手を掴み、私は階段を駆け降りていました。

「おい!?どうしたんだよ!」
先輩は少し怒ったように声をあげましたが、気にする余裕はなかったのです。

なぜなら、黒いが人の形をした何かが先輩の後ろからついてきていたのです。

急いで車に乗り込むと発進させその場を後にしました。

数珠が弾けたのは危険だと警告してくれていたのだと思っています。

のちに知ったことなのですが以前このホテルでサラリーマンの男性が首を吊って亡くなったそうです。

あの靴とネクタイは•••
その方のもので追ってきたのはー
自殺した男性なのではと思います。

あくまでこれは自分の推測でしかないのですが、皆さんはどう思いますか?

安易に言ってはいけない場所があると思い知った肝試しでした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

洒落にならない怖い話【短編集】

鍵谷端哉
ホラー
その「ゾワッ」は、あなたのすぐ隣にある。 意味が分かると凍りつく話から、理不尽に追い詰められる怪異まで。 隙間時間に読める短編ながら、読後の静寂が怖くなる。 洒落にならない実話風・創作ホラー短編集。

意味がわかると怖い話

邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き 基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。 ※完結としますが、追加次第随時更新※ YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*) お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕 https://youtube.com/@yuachanRio

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

芥川の怪談

橋平礼
ホラー
芥川龍之介の鋭いペンで、冷徹でエゴイスティックな、それでいて繊細なタッチの怪談です。あなたを怪談の世界にいざないます。

処理中です...