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協力者
ドラゴンゾンビとの邂逅
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「ヴァンパイアと共に生者を打つ計画があるのだが、お前も参加しないか」
俺はそう声をかけたが、ドラゴンゾンビの回答は何か違う物だった。
「私はかつて、人間の勇者に討たれた。そして、気が付いたら蘇っていた。ここで人間の勇者の再来を待っているのだが、人間はすぐに死んでしまうのだな」
聞けば、勇者という者に討たれたのは、遥か昔のようだ。
百年まで年を数えたが、そこから先はもうわからないと言っている。
そして、この地に縛られ、動けないというのだ。
「何回か、飛んだり走ったりして山を下りようとした。そして、気が付けばここにいるのだ。明らかに何かの力が働いている」
俺の脳裏に、ルーが黄色い歯で笑う姿がよぎった。
エッジが崖を昇り切った姿が視界に入る。
俺の隣に並ぶエッジもドラゴンゾンビに触れた。
「もういいのか?剣士よ」
ドラゴンゾンビの問いに、エッジは首を振る。
「平地なら俺の勝ちだが、ここではお前の勝ちだ。参ったよ」
ドラゴンゾンビは翼を広げ、首を上げた。
「はっはっは。久しぶりに愉快な気分だ。剣士よ、お前は元勇者ではないのか?」
「違うさ。ただの剣士だ。勇者なんざ、ごめんだね」
地に縛られたドラゴンゾンビは俺達を気に入ってくれたようで、ある物を
吐き出して差し出した。
それは、青白い小さな玉だった。
「これは元々、この山を守っていた力だ。お前達の力となろう」
俺は何かを察した。これを守護して勇者を待っているのではないか。
「これを失ってしまえば、お前の元に勇者はこないかもしれないぞ」
「構わん。お前達は私を楽しませた。その礼だ」
俺がその玉を受け取ると、指輪のようになり指に巻き付いた。
ドラゴンゾンビは、その腐敗している目を一度大きく閉じてから開いた。
「お前を主と認めたようだな」
「感謝する。では、俺達は行く」
「次は粉々にしてやるからな」
エッジの言葉にドラゴンゾンビは笑う。
「はっはっは。また会おう、戦士たちよ」
そうしてドラゴンゾンビの元を去り、雪原に戻ると、あの雪を吐くゴーストが佇んでいた。
そして、俺に飛び掛かってきた。
だが…
「お前が、お前達が取り返したのか?あのドラゴンから」
「なんだ、お前は。何を言っている?」
俺と半分重なるゴーストは上半身しかなく、俺の腰のあたりにいる。
エッジは何を思ったか、鞘を失なって手に持つシミターでゴーストを切った。
ヒラヒラとした胴体部分が切断されたが、元に戻る。
「い、痛い!やめてくれ。私は敵ではない」
コイツの話しを聞いたが、あまり信用ならなかった。
元々は人間であり、この山に祈りを捧げる民の祈祷師だったらしい。
死後、山の精霊に呼ばれ、山を守護するように言われた。
山や自然を荒す人を諫めて、自身も祈りの対象となっていたようだが、突如飛来したドラゴンゾンビに襲われた。
半身を食われ、半狂乱の状態になっていたようだが、それがいつからだったのか、元々がそうで、ドラゴンゾンビの力で以前よりも落ち着きを取り戻したのかは定かではないようだ。
「私自身もわからないのです。しかし、自然を壊し、街などを作り、世界を我が物顔にしている今の人間達は許せませんね。あなたたちと共に人間を打ちたいです」
「まあ、やる気があるのならついてこい」
両手を万歳して喜んでいるのか、わからんが山頂に向かって叫んでいる。
「山に感謝と別れを。ドラゴンゾンビよ、後は頼みましたぞ。では、いきましょう。その指で出番を待ちます。なにかあれば、呼び出してください」
俺の指に巻き付く青い指輪に吸い込まれる。
ドラゴンゾンビと比較すると、かなりのスケールダウンだが戦力が増えたとカールに報告できるな。
俺はそう声をかけたが、ドラゴンゾンビの回答は何か違う物だった。
「私はかつて、人間の勇者に討たれた。そして、気が付いたら蘇っていた。ここで人間の勇者の再来を待っているのだが、人間はすぐに死んでしまうのだな」
聞けば、勇者という者に討たれたのは、遥か昔のようだ。
百年まで年を数えたが、そこから先はもうわからないと言っている。
そして、この地に縛られ、動けないというのだ。
「何回か、飛んだり走ったりして山を下りようとした。そして、気が付けばここにいるのだ。明らかに何かの力が働いている」
俺の脳裏に、ルーが黄色い歯で笑う姿がよぎった。
エッジが崖を昇り切った姿が視界に入る。
俺の隣に並ぶエッジもドラゴンゾンビに触れた。
「もういいのか?剣士よ」
ドラゴンゾンビの問いに、エッジは首を振る。
「平地なら俺の勝ちだが、ここではお前の勝ちだ。参ったよ」
ドラゴンゾンビは翼を広げ、首を上げた。
「はっはっは。久しぶりに愉快な気分だ。剣士よ、お前は元勇者ではないのか?」
「違うさ。ただの剣士だ。勇者なんざ、ごめんだね」
地に縛られたドラゴンゾンビは俺達を気に入ってくれたようで、ある物を
吐き出して差し出した。
それは、青白い小さな玉だった。
「これは元々、この山を守っていた力だ。お前達の力となろう」
俺は何かを察した。これを守護して勇者を待っているのではないか。
「これを失ってしまえば、お前の元に勇者はこないかもしれないぞ」
「構わん。お前達は私を楽しませた。その礼だ」
俺がその玉を受け取ると、指輪のようになり指に巻き付いた。
ドラゴンゾンビは、その腐敗している目を一度大きく閉じてから開いた。
「お前を主と認めたようだな」
「感謝する。では、俺達は行く」
「次は粉々にしてやるからな」
エッジの言葉にドラゴンゾンビは笑う。
「はっはっは。また会おう、戦士たちよ」
そうしてドラゴンゾンビの元を去り、雪原に戻ると、あの雪を吐くゴーストが佇んでいた。
そして、俺に飛び掛かってきた。
だが…
「お前が、お前達が取り返したのか?あのドラゴンから」
「なんだ、お前は。何を言っている?」
俺と半分重なるゴーストは上半身しかなく、俺の腰のあたりにいる。
エッジは何を思ったか、鞘を失なって手に持つシミターでゴーストを切った。
ヒラヒラとした胴体部分が切断されたが、元に戻る。
「い、痛い!やめてくれ。私は敵ではない」
コイツの話しを聞いたが、あまり信用ならなかった。
元々は人間であり、この山に祈りを捧げる民の祈祷師だったらしい。
死後、山の精霊に呼ばれ、山を守護するように言われた。
山や自然を荒す人を諫めて、自身も祈りの対象となっていたようだが、突如飛来したドラゴンゾンビに襲われた。
半身を食われ、半狂乱の状態になっていたようだが、それがいつからだったのか、元々がそうで、ドラゴンゾンビの力で以前よりも落ち着きを取り戻したのかは定かではないようだ。
「私自身もわからないのです。しかし、自然を壊し、街などを作り、世界を我が物顔にしている今の人間達は許せませんね。あなたたちと共に人間を打ちたいです」
「まあ、やる気があるのならついてこい」
両手を万歳して喜んでいるのか、わからんが山頂に向かって叫んでいる。
「山に感謝と別れを。ドラゴンゾンビよ、後は頼みましたぞ。では、いきましょう。その指で出番を待ちます。なにかあれば、呼び出してください」
俺の指に巻き付く青い指輪に吸い込まれる。
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