転生した私の普通じゃない日々

森川 八雲

文字の大きさ
10 / 13
中等部編

初めての中間テスト

しおりを挟む
 月日は流れもうすぐ夏休み!
 休みの前はアレだよねって事でもうすぐ中間テストがある

 テストは一人でダンジョンへ潜り最奥部まで行き、また戻ってくるというもの

 今回はリコールは無いから往復は徒歩だ

 なお、支給品も無いから回復ポーションや薬草、魔術の素材は自分で持ってこなくてはならない

 一応、今までの授業でヒールは習っているからほとんどの生徒は自分で回復が出来るようになっている

 ほとんど、というのはハリィの様な100%剣士はスキルの仕様により、なかなか成功しないからだ

 カミュは…家庭教師の教えが良いのか槍使いでもヒールは唱えられるようになっている
 剣士スキルがまだ低いのかな?
 本人は「ヒールなんて要らねぇ!ヤラれる前にヤル!」と言っている…

 そんなこんなで休みの日は同じ村に引っ越してきたプリスと共に裏山へ素材集めをしに行く事になった

 木陰に潜んでいると子鹿が現れた
 しゃがんだまま弓を水平に構え、撃つ!

 ヒュッ!

 ズッ!

 見事に首へ刺さった!
 もう一本!

 ヒュッ!
 ズッ!

 次は脇腹に刺さった!
 すかさず短剣で首を切りに行く
 シュッ!

 まだ心臓が動いているので血がどんどん溢れてくる

 後ろ脚を縛り高い枝にロープをかけて引っ張り上げる

 ボタボタボタッ

 逆さまにすることでどんどん血が抜けていく
「これで大丈夫かな」

「さすがユカ!かなり慣れてるね!」
「プリス!」

 ちょうど待ち合わせの時間の様だ

「小さい頃ここで熊に会ったからね、なるべく手早くやらないと」
「え?マジか!そういえばそんな事聞いた覚えが…」
「あれから警備を強化したみたいなんだけど、それ以来見てないね」
「そっか、ならもう居ないんじゃないか?」
「会った時は油断してたからかなり焦ったよ」
「そうだろうなぁ、この山には熊は居ないってオヤジも言ってたからなぁ」

「もう素材は集めた?」
「まだ来たばかりだよ」
「そっか、そうだったね」
「それじゃ血抜きの間に集めようぜ」
「うん!」

 この山は資源が豊富で木々の育ちも良い
 おかげでどんどん素材が集まっていく

 むき出しになった岩に魔法石が埋まっていることもある

「ユカ!そっちはどうだ?」
「かなり集まったよ!プリスは?」
「こっちも問題ない!」

 吊るされた鹿の前に集まる

「私もヒールの練習しようかなぁ」
「その方が良いよ!生きて帰るためには絶対必要だよ!」

 しかし辺りは薄暗くなってきた

「よし、それじゃ試験が終わったら練習してみるわ!」
「そだね、今からじゃちょっと無理だもんね…」
「あ、そうだ!今からうちに来ない?一緒に鹿肉食べようよ!」
「あ~悪い、そのまま帰るって言ってきちゃったからな…」
「そっか、それじゃまた今度ね!」
「ああ!またな!」

 他愛もない会話をしつつそれぞれの家へ帰った


 ─試験当日─

「おはようハリィ!」
「おはよう!ユカちゃん」
「おはよー!」
「おはよう!プリス!」
「プリスちゃんおはよう!」

「みんな席につけ!」
「今日は中間テストだ!」
「全員一人づつダンジョンへ潜り、最奥部の回収物を持って帰還すること!」
「試験は超初級ではなく、初級だ!心してかかれ!」

「はい!」

 次々と帰還を果たす生徒達
 中には怪我をして途中帰還の者もいる

「このダンジョンは少し手強いみたいだね」
「そうだな、これは気合を入れていかなきゃな」

 そしてプリスの番が来た
「じゃ、サクッと終わらせるわ」
「うん、気をつけてね」

 結構な時間が経ったがなかなか帰ってこない
「大丈夫かなプリス…」
「少し心配だよね…」

 そう思ってると帰ってきた
「ヤッホーただいま!」

 回収物を試験官に渡しこちらに来る

「おかえりプリス!」
「おかえり!」
「や、ただいま!」

「遅かったじゃない、そんなに難しかったの?」
「うーん、規則だから詳しくは言えないけど、打撃が効かない奴が居たからさ、ちょっと手こずったよ」
「えっ、それは私も困るなぁ」
「私もだよ、剣しか使えないから…」

 そろそろ私の順番が来る

「よし、そろそろ私の番だな」
「気をつけろよー何かは言えないけど!」
「ユカちゃん気をつけてね」
「まぁ、任せて!」

 弓と矢のチェックをし、ナイフを腰の後ろ側に装着する

「それじゃ、ユカ!中へ入れ!」
「はい!」

 大きく開いた入り口が少し怖い

 ザッザッザッ─

 直ぐに真っ暗闇になった
「ライト!」
 ポウッ

 ライトの魔法が辺りを照らす

 えっ?!これは!

「こんなに魔法石があるなんて凄い!!」
「サボってないで早く行け!!」

 ありゃ、声が大きかったのか外まで聞こえたらしい

 ある程度回収すると先へ進む

 早速大ネズミが居る

 まだ気付いてないのか地面をクンクンしながら歩いている

 しゃがんで弓を構える

 行き先を予測して矢を放つ!
 (偏差撃ちというやつだ)

 シュッ!
 ズッ

 一撃で仕留めた!

 ネズミは群れで行動するので辺りを見回して確認をする

 どうやらこの大ネズミは単独で行動していたようだ

 しかしライトの魔法で灯りが灯って居るのでモンスターに居場所を知らせている様なものだが…

 奥へ進むほど段々と暗くなっていき、もう入り口の明かりも見えなくなった
 それに連れモンスターに見つからない様にライトの灯りも絞っていく

 奇妙な匂いがする…
 腐った様な香ばしい様な?…

 どこだ?何の匂いだ?

 所々水溜りの様になっている

 匂いが強くなった

 嫌な予感がして水溜りへ矢を放つ!

 刺さった途端、水溜りが分裂した!

 これは「ウーズ」だ

 ウーズとはスライムの様な見た目でネバネバした生き物だ

 水溜りの大きさが個体ではなくとても小さなウーズ同士の群体なのだ

 属性も見た目では殆ど分からない
 今回のコイツらは腐った匂いがするから腐食系だと思うが喰らって確認する訳にもいかない

 しかし下手に攻撃をして分裂(分断?)をさせると、収集がつかなくなる

 だから倒すには纏めて倒すしかない

 プリスが言っていたのはコイツの事だったのだ

「確かに打撃では倒せないしナックルボンバーだと飛び散って面倒な事になりそうね」

「我が手に集え、燃え盛る炎!赤き怒りとなりて敵を焼き尽くせ!ファイアボール!」

 ジュウウウウ!

「うっ!臭い!」

 焼ける匂いが辺りに漂う

「まだ居るんだもんな…」

 ウーズは自分から襲ってくる事はない
 水溜りへ踏み込むと襲われるのだ

 だから道を塞ぐような大きなものだけを焼けば良いのだが…とても臭い

 臭い中を進んでいくとあからさまに怪しい宝箱がある

「これかな?」

 慎重に開けるとメダルが一枚入っていた
「なるほど、これを持って帰るのが試験クリアの条件ね」

 ポケットにしまい、さっきのウーズ地帯を引き返す

 また巨大ネズミを倒しながら入り口まで戻ってきた

 先生にメダルを手渡す

「よし!試験合格だ!次の者入れ!」

 今思ったけど、順番が後のほうがモンスターが少なくなるから有利じゃないか?

「おかえり!ユカ!」
「おかえりなさい」
「ただいま!」

 しばらくしてハリィの番が来た
「いってらっしゃい!」
「行ってきます!」

「ねぇプリス、打撃が効かないってウーズの事?」
「そうなんだよ!あれには参った…ファイアボールぐらい覚えておけば良かったよ」
「じゃあ明日からヒールとファイアボールの練習ね!」
「そうだな、遠距離攻撃も必要だな!」

「ところでカミュは?」
「あぁ、あっちのグループに居たと思うんだけど…」
 カミュは隣のグループだ

「うおおおぉぉぉぉ!」
 ドドドドド!

 カミュが走って出てきた
「先生!タイムは?!」
「そんなものは測っていません!」
「えぇ~そんな…」

「何をやっているんだ?あいつは…」

 しばらく談笑しているとハリィが戻ってきた
「せんせ~…ただ今戻りました…」
「おう、よく頑張ったな!合格だ!」
「ありがとうございます~…」

「おかえり!」
「おかえり!」
「ただいま~…」

「どうしたの?ボロボロじゃない!」
「ウーズが…ウーズが~…」
 相当手こずったらしい

 そんなこんなで中間テストも無事終わり
 明日から夏休みだ

 ─いっぽうそのころマイケルは─
 風魔術の威力を最小限にしてスカート捲りをしたのがバレて怒られていた
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

構造理解で始めるゼロからの文明開拓

TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。 ​適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。 だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――! ​――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

処理中です...