狐月夜の終わりに

猫山はる

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とある少女の日記①

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【とある少女の日記より抜粋】

6月9日

お父さんの仕事で引っ越しをしたので、心機一転して日記を始めることにした。
日記を書くのは初めてだから、何を書こうか迷った。
前の学校の友達と別れるのは悲しかったけど、また新しい友達を作れるように頑張りたい。

この村は、お父さんの生まれ故郷なんだって。
ずっと前に、お祭りを見に、この村に来たことがあった。
そのお祭りで、少し年上の綺麗な女の子と友達になった。
またあの子に会えたらいいな。

---

6月10日

明日から新しい学校生活が始まる。
学校で新しい友達、できるといいな。

この村には、娯楽があまりない。
ちょっと退屈かも。
お兄ちゃんはバイクを買ってもらおうかな、なんて言ってた。


神社のお孫さんに、私より少し年上の女の子がいるらしい。
今は東京に住んでるみたい。
きっと前にお祭りで出会った女の子だ。
また、会いたかったのにな。

綺麗にお化粧をして、狐の面をつけ、天女のように舞っていた。
私はその子に、「とっても綺麗だったよ」って声をかけた。
その子は戸惑いながら「ありがとう」って言った。
その時から私は、心の中でその人のことをこっそり「お姉さま」って呼んでる。
だって、とっても綺麗でかっこよかったから。

---

6月11日

新しい学校に登校した。
なんだか、周りの子たちはわたしのことを遠巻きに見ていて、話しかけてもあまり会話が続かない。
こんな感じで、友達できるのかな。

---

6月12日

ここ数日、ずっと頭にもやがかかったみたいで、体が重い。
お兄ちゃんはすぐ良くなるって言うけど、私は全然そんな気がしない。
そんな時は、寝る前にお姉さまのことを思い出す。
もしもう一度会えたら、きっと元気になれる。


---

6月16日

学校を休んだ。
熱が出たからだ。
ずっと体の調子が悪い。

こんな夢を見た。
狐のお面をつけたお姉さまが、森の奥で私を待っていた。
近づこうとすると、誰かに袖を引かれて動けなくなった。
振り向くと、白い影が私の袖を掴んでいた。
お兄ちゃんに話したら、ただの夢だと言って笑った。
……でも夢じゃない。あの白い影は、本当にそこにいた。

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