ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん

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第百九十四話:領都への道と、農民の矜持

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 ガタゴトと、規則正しい振動が全身を揺らす。
 車輪が街道の小石を噛む音、蹄が硬い土を叩くリズム、そして時折混じる革具の擦れる音。それらが渾然一体となって、旅のBGMを奏でていた。
 リーフ村を出発してから、早くも三日が経過していた。俺とフェンを乗せた馬車は、辺境伯の懐刀である騎士ギデオンが率いる精鋭部隊に守られながら、辺境伯領の心臓部である領都ランドールへと続く平坦な街道を、埃を舞い上げながら進んでいた。

「……ふむ。この辺りの土壌は、少し粘土質が強いな。水はけを工夫すれば、根菜類よりも果樹の方が向いているかもしれない。特に、少し酸味のあるプラムやベリー系なら、この土の鉄分が良い隠し味になるはずだ」

 俺は馬車の小窓から流れる景色を見つめながら、無意識に『鑑定(Lv.1)』と『土壌改良(Lv.1)』の予備知識を総動員して周囲の土地を分析していた。
 職業病、あるいは前世の「効率化オタク」としての性分だろうか。見渡す限りの広大な大地が、単なる風景ではなく、すべて「未開拓のポイント埋蔵金」に見えてしまうのだ。

(主よ、また変な顔をして外を眺めているな。……それよりも、この座席のクッションが少し硬いぞ。王都に行くのなら、もっとふかふかのスライムレザーを何重にも敷くべきではないか? 尻が痛いぞ、尻が)

 膝の上で丸まっていたフェンが、大きな欠伸をしながら念話で文句を言ってくる。
 この数日、フェンは完全に「可愛い子犬」に徹していた。騎士たちが休憩中に差し出す干し肉の端切れを愛嬌たっぷりにねだり、尻尾を千切れんばかりに振っては彼らの頬を舐める。殺伐とした旅路において、彼は騎士たちの「癒やし担当」として君臨しているのだ。
 だが、俺だけは知っている。

 時折、街道の脇に広がる深い森――かつての戦争で魔法が暴走し、今なお瘴気が漂う「魔法汚染地域」の残滓が色濃い場所を通る際、フェンの瞳が一瞬だけ金色に鋭く光ることを。
 その時だけは、愛らしい子犬の姿をしていても、その内側にある「ブラックフェンリル」としての本能が、俺の服の裾を強く引いて警戒を促してくるのだ。

「我慢しろ。王都に着けば、ポイントで最高級の寝具でも、羽毛布団でも何でも交換してやる。今は……ほら、これでも食ってろ」

 俺は『収納魔法(小)』から、村を出る時に母さんが「道中、お腹が空いたら食べなさい」と持たせてくれた干し果実を一粒取り出し、フェンの口に放り込んだ。

「はぐっ……ムグムグ。……ん、悪くない甘さだ。主の母君は、なかなか良い仕事をする」

【通知:随伴魔獣に適切な食事を与えました。……愛情ボーナス +3pt】

 ウィンドウに表示される微々たる数字。
 目標とする『身体能力強化【初級】』の50,000ptまでは、まだ48,000pt以上の開きがある。一朝一夕で稼げる額ではない。
 だが、俺は諦めない。
 前世のポイントサイト攻略でも、最後の一押しはこうした毎日のログインボーナスや、誰にも気づかれないようなアンケート回答、広告クリックといった地道な積み重ねだった。塵も積もれば山となる。農民が土を積み上げて畑を作るように、俺はポイントを積み上げて「最強」への階段を登るのだ。

---

 太陽が西の山並みに隠れ、辺りが薄闇に包まれる頃、一行は街道沿いの少し開けた場所で野営の準備を始めた。
 騎士たちが慣れた手つきでテントを張り、焚き火を起こす。パチパチと薪が爆ぜる音が、夜の静寂を心地よく埋めていく。

「ルークス殿、今夜はここで夜を越す。不自由をかけるが、騎士の野営食で我慢してくれ」

 ギデオンが、重厚な甲冑をカチャカチャと鳴らしながら近づいてきた。兜を脱いだ彼は、歴戦の戦士らしい彫りの深い顔立ちをしているが、その目には隠しきれない疲労の色が滲んでいた。
 彼が差し出したのは、岩のように硬く乾燥した干し肉と、申し訳程度の乾燥野菜が入った袋、そして水筒だった。
 
「……これを、煮て食べるのですか?」

「ああ。味気ないが、腹は膨れるし栄養もある。我々にとっては、これが一番効率的なのだ」

 ギデオンは苦笑しながら、大鍋に湯を沸かし始めた。
 騎士たちの食事は「生存」と「カロリー摂取」に特化しており、味に関しては「二の次」どころか「考慮外」というレベルだ。塩だけの味付けで煮込まれた干し肉は、ゴムのような食感と獣臭さを残しており、食べるだけで顎と精神力を消耗する代物だ。
 
 焚き火を囲む騎士たちの顔を見る。
 彼らは黙々と準備をしているが、その表情に「食事の楽しみ」はない。ただの燃料補給としての義務感が漂っている。
 ……よし、ここが「稼ぎ時」だ。
 俺の中の「ポイント攻略者」としての血が騒ぐ。

「ギデオンさん。もしよろしければ、今夜の炊き出し、俺に手伝わせてもらえませんか? これでも農民ですから、食材の扱いには慣れているんです」

「ん? 貴殿は辺境伯閣下の大切な客分だぞ。わざわざ労働をさせるわけには――」

「いえ、座りっぱなしで体が鈍っているんです。それに、美味しいものを食べたほうが、明日の進軍も捗るでしょう? 俺のワガママだと思って、鍋を一つ貸してください」

 俺は人畜無害な笑みを浮かべ、強引に調理場(焚き火の傍)へと潜り込んだ。
 ギデオンは困惑していたが、俺の熱意に押され、渋々ながら予備の鍋を貸してくれた。

 まず取り出したのは、ポイント交換で密かにストックしておいた『だしの素(徳用袋)』。そして、村から「サンプル」として持参した特級ジャガイモと、ごく少量の貴重なバターだ。
 さらに、道中でこっそりと採取しておいた、野生のハーブ(鑑定済み:肉の臭み消し効果あり)を加える。

 硬い干し肉をナイフで可能な限り細かく刻み、熱湯でじっくりと戻す。そこへ、皮を剥いて乱切りにしたジャガイモを豪快に放り込む。
 グツグツと煮立つ鍋に、魔法の粉末――『だしの素』を一振り、二振り。
 カツオと昆布の凝縮された旨味が、湯気と共に立ち上る。
 
 仕上げに、バターをほんの数片。
 
 黄金色の脂がスープの表面に広がり、だしの香りと混ざり合って、これまでの野営ではあり得なかった「暴力的なまでに食欲をそそる香り」となって、野営地全体に広がっていった。

「な、なんだこの匂いは……!?」
「ただのスープじゃないのか? 鼻が、鼻が狂いそうだ!」
「おい、誰だ! 隠れて宴会をしている奴は!」

 焚き火を囲んで死んだような目をしていた騎士たちが、一人、また一人と、まるで何かに操られるように吸い寄せられてくる。
 俺は特製のスープを木皿に盛り、まずはギデオンに差し出した。

「さあ、召し上がってください。リーフ村流の、疲れが取れる『農民風ポトフ』です」

 ギデオンは半信半疑のまま、けれどその喉を大きく鳴らしながら、一口そのスープを啜った。
 
「……ッ!?」

 彼の目が大きく見開かれ、その厳格な顔が、驚愕と歓喜によって一瞬で崩れた。
 だしの濃厚な旨味が、干し肉特有の獣臭さを消し去り、代わりに肉本来の味を引き立てている。バターのコクが野菜の甘みを包み込み、冷えた体に染み渡るような優しさを生み出している。

「う、美味い……! なんだこれは、今まで我々が食べていたものは、ただの湯だったのか!? ジャガイモが、口の中で解けるようだ……! 体が、芯から温まる……!」

「隊長! 自分にも! 自分にも一口!」
「ルークス殿、おかわりはあるか!? 金なら払う! いや、私の予備の剣をやるから!」

 野営地は一瞬にして戦場と化した。ただし、血ではなく「おかわり」を求める平和な戦場だ。
 俺は笑顔で鍋をかき混ぜながら、次々と差し出される木皿にスープを注いでいく。

【通知:騎士たちの士気を劇的に向上させました。……貢献ボーナス +15pt × 12名 = 180pt】
【通知:食文化の衝撃(小規模)。……ボーナス +30pt】
【通知:騎士ギデオンとの信頼関係が深まりました。……ボーナス +50pt】

 チャリン、チャリン、と脳内でポイントが鳴る音が聞こえる。
 打算。100%打算だ。
 けれど、こうして誰かが笑顔になり、その対価としてポイントが得られるこのシステムは、やはり悪くない。前世で、誰も喜ばない書類を作成して寿命を削っていた日々に比べれば、今のこの「労働」は、なんと清々しいことか。

「ルークス殿。……貴殿は、ただの農民ではないな。その気配り、王都の接待役でもこれほどはできん。……いや、感服した。この恩は、必ずや」

 ギデオンが、スープを飲み干し、真剣な眼差しで俺に深々と頭を下げる。
 彼は俺の「ポイント稼ぎ」を、若くして行き届いた「高潔な配慮」だと完全に勘違いしているようだった。……まあ、好都合だ。王都での護衛役として、彼の信頼は何よりも重要になる。

---

 翌日。一行はついに、辺境伯領の都、城壁都市ランドールへと到着した。
 リーフ村の数百倍はあろうかという巨大な石造りの城壁が、威圧的にそびえ立っている。
 門をくぐると、そこには別世界が広がっていた。
 綺麗に舗装された石畳の大通り。立ち並ぶ商店の活気。行き交う人々の服装の鮮やかさと、様々な屋台から漂う香辛料の香り。
 村とは明らかに違う「文明の厚み」と「経済の奔流」に圧倒されつつも、俺は冷静に都市の構造を観察していた。

(ここなら、特産品の流通レートも高そうだ。ギルドの支部もある。……ポイント稼ぎの舞台としては、申し分ないな。あの路地裏の市場、あそこの客層なら『リサイクル品』の需要もありそうだ……)

 馬車は、都市の中央に位置する白亜の辺境伯邸へと入っていく。
 重厚な鉄扉が開き、手入れの行き届いた庭園を抜けると、屋敷の玄関ホールには、一人の少女が待っていた。
 煌びやかなドレスに身を包みつつも、どこか寂しげな瞳をした少女――辺境伯の愛娘、エレナ様だ。

「ルークス様……! 本当にお越しくださったのですね」

 エレナ様が、周囲の侍女たちが驚くほどの速さで、なりふり構わず駆け寄り、馬車から降りた俺の手を取った。
 その顔には、以前村で会った時よりも、少しだけ年相応の華やかさと、安堵の色が戻っている。

「エレナ様、お久しぶりです。収穫祭の疲れは出ていませんか? 急な呼び出しで驚きましたが、お元気そうで何よりです」

「ええ、あのお菓子(プリン)のおかげで、毎日が夢のようですわ。……ルークス様、少し、逞しくなられましたね。王都のどんな香水よりも、貴方から香るその大地の香りが……私には何よりの安らぎで、落ち着きます」

 エレナ様が、俺の泥汚れの落ちた手を見て、ふわりと頬を染める。
 その純粋な歓迎に、俺は柄にもなく少しだけ照れ臭さを感じていた。
 
 だが、この平穏な再会の裏側。
 この屋敷の奥、そしてさらに遠い王都では、俺という「イレギュラー」をどう利用し、あるいは排除するかを画策している者たちがいる。
 
 俺は、エレナ様の柔らかな手の感触を確かめながら、心の中で見えないクワを強く握り直した。
 どんな陰謀が待ち構えていようと、俺は農民の知恵とポイントで、すべてを耕してやる。
 まずは、この領都ランドールを俺の「畑」に変えることから始めようか。

---


読者の皆様、第百九十四話「領都への道と、農民の矜持」をお読みいただきありがとうございました!
街道での「だしの素」無双、そして領都ランドールへの到着。
ルークスの地道なポイント稼ぎが、騎士たちの胃袋を掴み、物語は再びエレナ様との合流へと繋がりました。
「農民風ポトフ」、夜食に食べたくなってしまいましたか?

次回、いよいよ辺境伯レオナルドとの正式な会談、そして王都へ向けた本格的な準備が始まります。
王都の闇は、農民の光で照らせるのか!?
続きが気になる方は、ぜひ【評価】や【ブックマーク】をお願いします!
皆様の応援が、ルークスの「次なる投資先」を決定します!
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