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真実の欠片を求めて(二)
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「……分かった。ユリティス、急いで馬車の手配を頼む」
「かしこまりました、殿下」
敵意を向けているユリティスと呼ばれた男は、すんなりとルドの命令に付き従い、部屋から出て行った。
「ルド様、ルド様はなにをご心配になられているのですか? アーシエは、ちゃんとルド様の側にこの先もずっとおりますよ」
「アーシエ……」
「どうなかさったのですか?」
「……」
「ルド様?」
ルドが私の髪にそっと触れる。
本来ならばルドにとって、私のその言葉はなによりも嬉しいモノのはずだ。
しかしルドの表情は先ほどから晴れることはなく、むしろなにか言いたげだ。
私はなにか言い回しを間違えたのだろうか。
アーシエの記憶のない私にはなにが地雷なのか、なにを彼に言ってはいけないのか、それすら分からない。
胸の中を不安が覆いかぶさってくる。
怒る、とは違うやや悲しみにも近い様なルドの表情。
私は思わずルドの手を掴み、その手を自分の頬に付けた。
殿下という立場にもかかわらず、剣をふるうためにややごつごつした大きな手。
「ルド様……」
「アーシエ、君は本当に僕のことを愛しているかい?」
真っすぐなルドの青い瞳。
ルドは牢屋の中で、『嫉妬に狂うほど僕を愛しいて』という言葉に歓喜していた。
つまりはあの時点までは少なくとも、アーシエはルドを避けてきたか、愛していなかったはず。
だからこそ、ルドはアーシエに固執した。
と、考えるのが無難だろう。
しかし今ルドの前にいるのはアーシエではない。
アーシエの気持ちなど、私には分からなかった。
「わたしは、あなたのことを誰よりも愛していますよ、ルド様」
アーシエではなくてごめんなさい。
アーシエとして答えてしまって、ごめんなさい。
ホントのことを言えなくて……ごめんなさい。
好きになればなるほど積もっていく罪悪感。
苦しくて泣きそうになるのを、微笑みでルドに返す。
きっと彼が真実を知ってしまったら、もうこの愛しいものに向ける瞳は私を見ることはないだろう。
これを失うぐらいならば、真実を隠してでも私は鳥籠の鳥でいたい。
心からそう思った。
「アーシエ、僕はずっと前から君を愛しているよ。だから、どこにも消えないでおくれ」
「ルド様?」
それはどういう、と言いかけたところに先ほどのユリティスが戻ってきた。
「馬車のご用意が出来ました」
「ありがとうございます。では、すぐ戻ってまいりますね、ルド様」
ルドの手にもう一度触れた後、私はなにか言いたげなルドに後ろ髪を引かれながらもユリティスと部屋を後にした。
「かしこまりました、殿下」
敵意を向けているユリティスと呼ばれた男は、すんなりとルドの命令に付き従い、部屋から出て行った。
「ルド様、ルド様はなにをご心配になられているのですか? アーシエは、ちゃんとルド様の側にこの先もずっとおりますよ」
「アーシエ……」
「どうなかさったのですか?」
「……」
「ルド様?」
ルドが私の髪にそっと触れる。
本来ならばルドにとって、私のその言葉はなによりも嬉しいモノのはずだ。
しかしルドの表情は先ほどから晴れることはなく、むしろなにか言いたげだ。
私はなにか言い回しを間違えたのだろうか。
アーシエの記憶のない私にはなにが地雷なのか、なにを彼に言ってはいけないのか、それすら分からない。
胸の中を不安が覆いかぶさってくる。
怒る、とは違うやや悲しみにも近い様なルドの表情。
私は思わずルドの手を掴み、その手を自分の頬に付けた。
殿下という立場にもかかわらず、剣をふるうためにややごつごつした大きな手。
「ルド様……」
「アーシエ、君は本当に僕のことを愛しているかい?」
真っすぐなルドの青い瞳。
ルドは牢屋の中で、『嫉妬に狂うほど僕を愛しいて』という言葉に歓喜していた。
つまりはあの時点までは少なくとも、アーシエはルドを避けてきたか、愛していなかったはず。
だからこそ、ルドはアーシエに固執した。
と、考えるのが無難だろう。
しかし今ルドの前にいるのはアーシエではない。
アーシエの気持ちなど、私には分からなかった。
「わたしは、あなたのことを誰よりも愛していますよ、ルド様」
アーシエではなくてごめんなさい。
アーシエとして答えてしまって、ごめんなさい。
ホントのことを言えなくて……ごめんなさい。
好きになればなるほど積もっていく罪悪感。
苦しくて泣きそうになるのを、微笑みでルドに返す。
きっと彼が真実を知ってしまったら、もうこの愛しいものに向ける瞳は私を見ることはないだろう。
これを失うぐらいならば、真実を隠してでも私は鳥籠の鳥でいたい。
心からそう思った。
「アーシエ、僕はずっと前から君を愛しているよ。だから、どこにも消えないでおくれ」
「ルド様?」
それはどういう、と言いかけたところに先ほどのユリティスが戻ってきた。
「馬車のご用意が出来ました」
「ありがとうございます。では、すぐ戻ってまいりますね、ルド様」
ルドの手にもう一度触れた後、私はなにか言いたげなルドに後ろ髪を引かれながらもユリティスと部屋を後にした。
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