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第二章:帝国の滅亡
五話:この世界の日常
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「ぬ、きたか」
おっさんが扉を開けると、そこにはミルトが立っていた。
「メリシア様、クロンベルク様、イマイソウタ様、おはようございます」
「おはよう。さ、遠慮せず入ってくれ」
「失礼いたします」
おっさんに招き入れられ、恐縮しきりな様子で中に入ってくる。この辺りはさすが接客業といった感じだ。
「おはようございます。昨晩は良く眠れましたか?」
ミルトが改めてお辞儀をしながら言ってきたので、地獄の空気を入れ替えるならここしかない! とばかりに声を張る。
「グッスリ快眠できました。ありがとうございます!」
「それは良かった。主人も喜びます」
「ベッドも凄く頑丈で助かりました! お陰でメリシアも怪我をせずに――」
しまった。と思ったときには既に遅く、今朝のことを思い出した様子のメリシアが隣で顔をうつむけ、俺も思わずそっぽを向いてしまう。
そんな俺たちの様子を見て、ミルトが不思議そうに片眉を持ち上げ問いかけてきた。
「どうかなさいましたか?」
「ウォホンッ……して、例のものは手に入りそうか」
すかさずおっさんが話題を逸らしてくれる。
さすが、助かるぜ……!
「え、えぇ。オールタニア所蔵の聖鎧には及びませんが、今回の仕事を請け負っていただいた皆様には、それぞれにロイタージェンとっておきの品をご用意させていただいております」
「それは心強い。あとで取りに行く」
「かしこまりました。それでは失礼いたします」
ミルトが部屋を出ていき、再び静寂が訪れる。
「……セイガイって、俺が壊したあの鎧のことだよな」
「そうだ。とっておきの品と言っておったから、期待しておれ」
いったいどんな鎧が出てくるのか全く想像が付かないが、それを着るということは……いよいよ依頼遂行が現実味を帯びてきてしまうのを意味する。
先のことを考えると、メリシアのお陰で束の間忘れることができていた不安が再び押し寄せてきた。
そんな心の機微に気が付いたのか、おっさんが意を決したような表情で話しかけてきた。
「イマイソウタ、昨晩、俺が言ったことだがな……」
「ん? あぁ……それ以上言わなくても分かってるよ。まだ、時間はあるんだろ? 悪いけどもう少し考えさせてくれ」
「ふむ……まぁあまり気にするでない。もちろん強要もせん。だがな、これだけは覚えておいてくれ」
おっさんがゆっくりとした動作で窮屈そうに腕を組み、ニカッと笑って続ける。
「人生には色んな山場があるがな、昨日は脅えて逃げたことでも、今日は不思議と立ち向かえる……なんてこともあるものよ」
「脅えて逃げるって……そんな経験おっさんには無いだろ?」
「ガッハッハッハ、何を言うかと思えば。人間なのだからあるに決まっておろう。己に何ができて何ができぬのか、オレにも分からぬことなどまだまだ残っておるさ。お主よりも少々長生きしておるから、幾分か詳しい。ただそれだけよ」
そう言うと席を立ち、扉を開け「さて、悩める若者よ。買い物に出掛けるぞ」などと言いながら、おっさんは部屋を出ていってしまった。
「……ソウタ様、私たちもまいりましょう」
「そう、だな」
メリシアのおかげで軽くなっていた心は、気が付けばすっかり不安と責任感で押しつぶされそうになっていた。
昨晩、メリシアに自分の弱さをとことん曝け出した俺だが、おっさんとのたったあれだけのやり取りでこんなにも狼狽えてしまう情けなさには、さすがに気が付かれたくない。
何とか足に力を入れて立ち上がり、できるだけ自然な動作で部屋を出る――と、目の前の道を轟音と共に何かが駆けていった。
「うわぁっ!」
一瞬、大軍勢が鬨の声を挙げながら押し迫ってきたのかと思い、悲鳴をあげながら尻餅を付いてしまう。
「ソウタ様、大丈夫ですか!?」
「ば、馬車……」
よく見れば、シュロルの引く馬車が石畳をゴトゴト鳴らしながら通り過ぎていっただけだった。
「うん、大丈夫……大丈夫だから……」
「ソウタ様……」
ここみたいな狭い路地には歩道や車道という区分けや概念が無いらしく、今のように、扉を開けたすぐ目の前をわがもの顔で荷車や馬車が走り去っていくという光景は、オールタニアでも何度か見ていた。
おそらくこれが、こういうところがこの世界の日常なのだろう。
生まれてから死ぬまでずっと、元いた世界で安全快適な暮らしを送っていた俺からすれば、徐行などという概念のない荷車が建物の扉を猛スピードでかすめていくこの世界は異常でしかない。
というか、おっさんの隠れ家に居たときにも思ったが、この世界の建築物はどれも遮音性に優れているようで、中にいる間はとても静かなのだが、ひとたび扉を開けてみれば、今のように石畳を踏み鳴らす馬車や荷車の音、道を行き交う人々の息遣い、子供のじゃれあう声、朝っぱらから飲んだくれてるオヤジの歌声……そんな多種多様な街の音が混ざり合い、うるさいくらいに鼓膜を刺激してくる。
だというのに、この世界の異常な日常が詰まった音は、今の俺にとっては安らぎすら覚えるメロディとして心を癒してくれる。
そんな不思議な喧騒に包まれながら扉に鍵をかけるメリシアを待っていると、これまでの感傷を含めたすべてを吹き飛ばすがなり声が轟いてきた。
「おーい、こっちだこっちー!」
うるさっ――これじゃさすがに遮音性意味ねぇ!
声のしたほうに顔を向け、建物を出て少し右に進んだところにある十字路で手招きしているおっさんを軽く睨む。
「近所迷惑だなぁ、あのおっさん」
「ふふっ、そうですね」
呆れる俺になぜかメリシアが噴き出す。
「えっ……な、なんかおかしかった?」
「あ、いえ。トルキダスを相手にそこまでくだけて接する男性はソウタ様がはじめてなので、なんだか嬉しくて」
「あー。確かにあのおっさん見た目いかついもんなぁ」
「クスクス。ソウタ様、トルキダスに失礼ですよ」
「そっか? ま、向こうも俺に結構酷いこと言ってくるし、おあいこってことで」
おっさんのお陰(?)で心機一転して、楽しいお喋りに興じながら十字路に向けゆったり歩いていると、おっさんがドシドシと駆け寄ってきた。
「おぉいお主ら。何をイチャついておる! 今日は忙しいと言ったろう」
「忙しい……? いやそんなこと言われてないから」
「んっ? そうだったか?」
「えぇ。初めて聞きました」
「まぁそのような些事はどうでもよい! まずは鍛冶屋からいくぞ」
「鍛冶屋? 何しに行くんだ?」
「少しヤボ用をな!」
「はいはい、ヤボ用……ね」
こんな調子で、なぜここに来たのかとか何をどうしてその判断にしたのかという、目的や予定といったものを告げずマイペースにズンズン決めていくおっさんにただついていくというのは、なかなかどうして、余計な不安を感じなくて済むから気楽なものだった。
そうしておっさんに引きずられるようにして――
「次は道具屋に行くぞ」
次々と――
「金物屋と装具屋も覗いておかねばな」
店を巡り――
「最後にルル商会の代表に挨拶を済ませて、ロイタージェンに戻るとするか」
グステンでも最大手らしいルル商会の商館に辿り着いた頃には、既に太陽も西に傾きはじめていた。
おっさんが扉を開けると、そこにはミルトが立っていた。
「メリシア様、クロンベルク様、イマイソウタ様、おはようございます」
「おはよう。さ、遠慮せず入ってくれ」
「失礼いたします」
おっさんに招き入れられ、恐縮しきりな様子で中に入ってくる。この辺りはさすが接客業といった感じだ。
「おはようございます。昨晩は良く眠れましたか?」
ミルトが改めてお辞儀をしながら言ってきたので、地獄の空気を入れ替えるならここしかない! とばかりに声を張る。
「グッスリ快眠できました。ありがとうございます!」
「それは良かった。主人も喜びます」
「ベッドも凄く頑丈で助かりました! お陰でメリシアも怪我をせずに――」
しまった。と思ったときには既に遅く、今朝のことを思い出した様子のメリシアが隣で顔をうつむけ、俺も思わずそっぽを向いてしまう。
そんな俺たちの様子を見て、ミルトが不思議そうに片眉を持ち上げ問いかけてきた。
「どうかなさいましたか?」
「ウォホンッ……して、例のものは手に入りそうか」
すかさずおっさんが話題を逸らしてくれる。
さすが、助かるぜ……!
「え、えぇ。オールタニア所蔵の聖鎧には及びませんが、今回の仕事を請け負っていただいた皆様には、それぞれにロイタージェンとっておきの品をご用意させていただいております」
「それは心強い。あとで取りに行く」
「かしこまりました。それでは失礼いたします」
ミルトが部屋を出ていき、再び静寂が訪れる。
「……セイガイって、俺が壊したあの鎧のことだよな」
「そうだ。とっておきの品と言っておったから、期待しておれ」
いったいどんな鎧が出てくるのか全く想像が付かないが、それを着るということは……いよいよ依頼遂行が現実味を帯びてきてしまうのを意味する。
先のことを考えると、メリシアのお陰で束の間忘れることができていた不安が再び押し寄せてきた。
そんな心の機微に気が付いたのか、おっさんが意を決したような表情で話しかけてきた。
「イマイソウタ、昨晩、俺が言ったことだがな……」
「ん? あぁ……それ以上言わなくても分かってるよ。まだ、時間はあるんだろ? 悪いけどもう少し考えさせてくれ」
「ふむ……まぁあまり気にするでない。もちろん強要もせん。だがな、これだけは覚えておいてくれ」
おっさんがゆっくりとした動作で窮屈そうに腕を組み、ニカッと笑って続ける。
「人生には色んな山場があるがな、昨日は脅えて逃げたことでも、今日は不思議と立ち向かえる……なんてこともあるものよ」
「脅えて逃げるって……そんな経験おっさんには無いだろ?」
「ガッハッハッハ、何を言うかと思えば。人間なのだからあるに決まっておろう。己に何ができて何ができぬのか、オレにも分からぬことなどまだまだ残っておるさ。お主よりも少々長生きしておるから、幾分か詳しい。ただそれだけよ」
そう言うと席を立ち、扉を開け「さて、悩める若者よ。買い物に出掛けるぞ」などと言いながら、おっさんは部屋を出ていってしまった。
「……ソウタ様、私たちもまいりましょう」
「そう、だな」
メリシアのおかげで軽くなっていた心は、気が付けばすっかり不安と責任感で押しつぶされそうになっていた。
昨晩、メリシアに自分の弱さをとことん曝け出した俺だが、おっさんとのたったあれだけのやり取りでこんなにも狼狽えてしまう情けなさには、さすがに気が付かれたくない。
何とか足に力を入れて立ち上がり、できるだけ自然な動作で部屋を出る――と、目の前の道を轟音と共に何かが駆けていった。
「うわぁっ!」
一瞬、大軍勢が鬨の声を挙げながら押し迫ってきたのかと思い、悲鳴をあげながら尻餅を付いてしまう。
「ソウタ様、大丈夫ですか!?」
「ば、馬車……」
よく見れば、シュロルの引く馬車が石畳をゴトゴト鳴らしながら通り過ぎていっただけだった。
「うん、大丈夫……大丈夫だから……」
「ソウタ様……」
ここみたいな狭い路地には歩道や車道という区分けや概念が無いらしく、今のように、扉を開けたすぐ目の前をわがもの顔で荷車や馬車が走り去っていくという光景は、オールタニアでも何度か見ていた。
おそらくこれが、こういうところがこの世界の日常なのだろう。
生まれてから死ぬまでずっと、元いた世界で安全快適な暮らしを送っていた俺からすれば、徐行などという概念のない荷車が建物の扉を猛スピードでかすめていくこの世界は異常でしかない。
というか、おっさんの隠れ家に居たときにも思ったが、この世界の建築物はどれも遮音性に優れているようで、中にいる間はとても静かなのだが、ひとたび扉を開けてみれば、今のように石畳を踏み鳴らす馬車や荷車の音、道を行き交う人々の息遣い、子供のじゃれあう声、朝っぱらから飲んだくれてるオヤジの歌声……そんな多種多様な街の音が混ざり合い、うるさいくらいに鼓膜を刺激してくる。
だというのに、この世界の異常な日常が詰まった音は、今の俺にとっては安らぎすら覚えるメロディとして心を癒してくれる。
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「ふふっ、そうですね」
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「えっ……な、なんかおかしかった?」
「あ、いえ。トルキダスを相手にそこまでくだけて接する男性はソウタ様がはじめてなので、なんだか嬉しくて」
「あー。確かにあのおっさん見た目いかついもんなぁ」
「クスクス。ソウタ様、トルキダスに失礼ですよ」
「そっか? ま、向こうも俺に結構酷いこと言ってくるし、おあいこってことで」
おっさんのお陰(?)で心機一転して、楽しいお喋りに興じながら十字路に向けゆったり歩いていると、おっさんがドシドシと駆け寄ってきた。
「おぉいお主ら。何をイチャついておる! 今日は忙しいと言ったろう」
「忙しい……? いやそんなこと言われてないから」
「んっ? そうだったか?」
「えぇ。初めて聞きました」
「まぁそのような些事はどうでもよい! まずは鍛冶屋からいくぞ」
「鍛冶屋? 何しに行くんだ?」
「少しヤボ用をな!」
「はいはい、ヤボ用……ね」
こんな調子で、なぜここに来たのかとか何をどうしてその判断にしたのかという、目的や予定といったものを告げずマイペースにズンズン決めていくおっさんにただついていくというのは、なかなかどうして、余計な不安を感じなくて済むから気楽なものだった。
そうしておっさんに引きずられるようにして――
「次は道具屋に行くぞ」
次々と――
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