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第三章:第四創世主の弱点
十七.五話:調査報告書”第一創世主について”
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調査担当者:ローエレ・フリオラ
調査責任者:フェミリオ・グリーズ
対象者、個体名『センチピード』について、以下の通り
ご報告いたします。
―――――――――――――――――――――――――――
年齢:二十一歳(生体測定済み)
能力:有機物の組成の修復及び復元
性格:粗野かつ残忍
状態:死亡(上半身欠損)
※召喚までの簡易的な経緯(精神操作にて聞き取り)
娼館で生まれてすぐに好事家を相手にした男娼となる。
七歳の時に、実の母親を娼館の自室で刺殺。
娼館の主人に現場を目撃されるも「こんな金の取れそうな
ことを誰も見ていないのにやるんじゃない」との一言で片
付けられる。
十一歳で娼館の主人を撲殺し、記念に刺青をいれる。
十四歳で野盗の頭になるも十七歳の時に当時の恋人(操作
抵抗のため名前聞き取り不可)を、数人の野盗仲間が目の
前で強姦(操作抵抗のため詳述せず)したのちに拷問(操
作抵抗のため詳述せず)し、殺害する。
心身ともに深い傷を負ったものの一命を取り留め、復讐の
機会を狙っていたところで、フィオレンティアへ召喚され
る。
※死亡に至る経緯(遠見担当者による報告)
予定通り第四創世主と接敵、衛士と思しきエルフ二名と
元枢機卿のメリシア・コーネルスに致命傷を負わせるも、
直後に見たことのない術式の魔術円が出現。
以降は第四創世主がエルフ二名、元枢機卿を治癒し、賢者
二十名を瞬滅。第一創世主がこれに抵抗するも及ばず死亡。
―――――――――――――――――――――――――――
「ハァァ……」
深い溜息と共に報告書の責任者欄に署名を終える。
これで我がディブロダールは切り札を二つも同時に失ったことになる。
「賢者二十名と創世の救主が敗れるなど……」
ディブロダールに於ける――いや、この世界に於いて最高の戦力だったはずが、なぜこんなことになったのか。
ローエレからは、第四創世主についての報告は特になかったと記憶しているが……まさかな。
ヤツにはソリテュルとかいう別史の使者を解放するという悲願がある。よもや馬鹿な真似はすまい。
「こうなっては、もはやメルナリア様のお力をお借りするほかないではないか」
シャイアによってフィオレンティアが作られたその時からご存命らしいが……こんな時こそ、ディブロダールを築き上げたという奇跡の御業でこの窮地から私を救って欲しいものだ。
そろそろ私も宰相などという地位には飽きてきたところだしな。
シャイアを召喚し、この世界を我が物にさえしてしまえば――あとはどうとでもなる。
調査責任者:フェミリオ・グリーズ
対象者、個体名『センチピード』について、以下の通り
ご報告いたします。
―――――――――――――――――――――――――――
年齢:二十一歳(生体測定済み)
能力:有機物の組成の修復及び復元
性格:粗野かつ残忍
状態:死亡(上半身欠損)
※召喚までの簡易的な経緯(精神操作にて聞き取り)
娼館で生まれてすぐに好事家を相手にした男娼となる。
七歳の時に、実の母親を娼館の自室で刺殺。
娼館の主人に現場を目撃されるも「こんな金の取れそうな
ことを誰も見ていないのにやるんじゃない」との一言で片
付けられる。
十一歳で娼館の主人を撲殺し、記念に刺青をいれる。
十四歳で野盗の頭になるも十七歳の時に当時の恋人(操作
抵抗のため名前聞き取り不可)を、数人の野盗仲間が目の
前で強姦(操作抵抗のため詳述せず)したのちに拷問(操
作抵抗のため詳述せず)し、殺害する。
心身ともに深い傷を負ったものの一命を取り留め、復讐の
機会を狙っていたところで、フィオレンティアへ召喚され
る。
※死亡に至る経緯(遠見担当者による報告)
予定通り第四創世主と接敵、衛士と思しきエルフ二名と
元枢機卿のメリシア・コーネルスに致命傷を負わせるも、
直後に見たことのない術式の魔術円が出現。
以降は第四創世主がエルフ二名、元枢機卿を治癒し、賢者
二十名を瞬滅。第一創世主がこれに抵抗するも及ばず死亡。
―――――――――――――――――――――――――――
「ハァァ……」
深い溜息と共に報告書の責任者欄に署名を終える。
これで我がディブロダールは切り札を二つも同時に失ったことになる。
「賢者二十名と創世の救主が敗れるなど……」
ディブロダールに於ける――いや、この世界に於いて最高の戦力だったはずが、なぜこんなことになったのか。
ローエレからは、第四創世主についての報告は特になかったと記憶しているが……まさかな。
ヤツにはソリテュルとかいう別史の使者を解放するという悲願がある。よもや馬鹿な真似はすまい。
「こうなっては、もはやメルナリア様のお力をお借りするほかないではないか」
シャイアによってフィオレンティアが作られたその時からご存命らしいが……こんな時こそ、ディブロダールを築き上げたという奇跡の御業でこの窮地から私を救って欲しいものだ。
そろそろ私も宰相などという地位には飽きてきたところだしな。
シャイアを召喚し、この世界を我が物にさえしてしまえば――あとはどうとでもなる。
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