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8.家でビール②
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千颯くんはニュース番組を見ながら私のベッドを背もたれにして、敷いた客用布団の上に座り込んでいる。
お茶を用意して部屋に戻ってベッドに座ると、私の膝に千颯くんが頭を乗せてきた。
「今日は急にごめん」
「私も会いたかったし別にいいよ」
思ったよりもふわふわして柔らかい髪の毛を撫でながら、お茶を飲んでテレビを眺める。
「旅行の話だけどさ、行き先はスペインでいいかな」
「ちぃちゃんのおじいちゃんたちの家に泊めてもらうんだよね? 本当に押しかけて大丈夫なの」
「大丈夫。結構家は広いんだよ。それに観光したくなったら、向こうでホテル手配したらいいんだし」
「でも私、そんなに予算ないよ」
「俺が無理に誘ってるんだから、そこは気にしなくていいよ。俺が出すから」
振り返るように顔を上げた千颯くんと目が合う。ニッコリ笑って気にするなと言われても、そういう話は簡単に割り切れるものでもない。
「そう言われてもね……」
「じいちゃんの家に泊まるのに、お金なんてかからないんだからさ。その分観光する用に取っておきなよ。色々と連れて行きたいし」
「んー。そういうことなら……お言葉に甘えようかな」
「そうそう。どーんと甘えてくれて大丈夫だから。じゃあチケット手配しないとだね」
千颯くんはそう言うと、立ち上がってビジネスバッグからスマホを取り出した。海外旅行だなんて大学を卒業した時、友だちと韓国に行ったくらいで経験がない。
身内が海外にいるから、千颯くんにとってはたいしたことじゃないのかもしれないけど、あっさりしすぎていて驚いてしまう。
「前後にゆっくりする日があった方がいいよね」
「そうだね。海外旅行なんてほとんど初めてみたいなものだし、目一杯旅行日程だと疲れそうかな」
スマホの画面を一緒に見ながら、表示されるチケット料金に目を剥きそうになる。
「え、こんなにするの⁉︎」
「時期にもよるかな。帰りはほら、半額以下でしょ」
「振り幅えげつないね」
「まあね。じゃあここでチケット取っちゃおうか」
「よく分からないしお任せします」
あまりの金額にまだ目がチカチカする。あの金額を見てしまうと分不相応な感じがするけど、千颯くんはノリノリだし、これ以上なにか言って水を差すのも気が引ける。
だけど海外旅行ってやっぱり高いんだなと思ってしまう。ツアーのパックとかで安くなってるのを見かけることはあるけれど、あれは本当にイレギュラーなケースなんだろう。
「さて。チケットは取れたけど、旅行の準備に必要なものがあるよね」
「そうだね。スーツケースも、持ってるやつじゃ小さいだろうし」
「車出すから、週末に見に行く?」
「そうしてもらえると助かる」
「じゃあそれで決まり。随分遅くなっちゃったね」
千颯くんが時計を見て驚いた顔をする。そろそろ日にちを跨ぎそうだ。
「そうだね。そろそろ寝ようか。コップ貸して。洗ってくる」
「ありがとう。ごめんね」
「いいよ」
お茶を飲んでいたコップを片付けると、部屋の電気を消してテレビだけの明かりになる。
「いつもテレビのタイマーセットして寝るんだけど、うるさかったり明かりが邪魔なら消すよ?」
「いや、いつも通りにして構わないよ」
「じゃあおやすみ」
「うん。おやすみ」
リモコンでタイマーをセットして、三十分後にはテレビが消えるようにする。
千颯くんがいるからいつもみたいにすぐ寝付けるかどうか分からないけど、そろそろ眠気であくびも出てきた。
千颯くんが布団に寝転んだのを確認してベッドに潜り込み、掛け布団をしっかり被る。
自分の部屋に誰かの気配があるのは久々で、なんだか落ち着かない気もしたけれど、気が付いたらぐっすり眠ってしまった。
お茶を用意して部屋に戻ってベッドに座ると、私の膝に千颯くんが頭を乗せてきた。
「今日は急にごめん」
「私も会いたかったし別にいいよ」
思ったよりもふわふわして柔らかい髪の毛を撫でながら、お茶を飲んでテレビを眺める。
「旅行の話だけどさ、行き先はスペインでいいかな」
「ちぃちゃんのおじいちゃんたちの家に泊めてもらうんだよね? 本当に押しかけて大丈夫なの」
「大丈夫。結構家は広いんだよ。それに観光したくなったら、向こうでホテル手配したらいいんだし」
「でも私、そんなに予算ないよ」
「俺が無理に誘ってるんだから、そこは気にしなくていいよ。俺が出すから」
振り返るように顔を上げた千颯くんと目が合う。ニッコリ笑って気にするなと言われても、そういう話は簡単に割り切れるものでもない。
「そう言われてもね……」
「じいちゃんの家に泊まるのに、お金なんてかからないんだからさ。その分観光する用に取っておきなよ。色々と連れて行きたいし」
「んー。そういうことなら……お言葉に甘えようかな」
「そうそう。どーんと甘えてくれて大丈夫だから。じゃあチケット手配しないとだね」
千颯くんはそう言うと、立ち上がってビジネスバッグからスマホを取り出した。海外旅行だなんて大学を卒業した時、友だちと韓国に行ったくらいで経験がない。
身内が海外にいるから、千颯くんにとってはたいしたことじゃないのかもしれないけど、あっさりしすぎていて驚いてしまう。
「前後にゆっくりする日があった方がいいよね」
「そうだね。海外旅行なんてほとんど初めてみたいなものだし、目一杯旅行日程だと疲れそうかな」
スマホの画面を一緒に見ながら、表示されるチケット料金に目を剥きそうになる。
「え、こんなにするの⁉︎」
「時期にもよるかな。帰りはほら、半額以下でしょ」
「振り幅えげつないね」
「まあね。じゃあここでチケット取っちゃおうか」
「よく分からないしお任せします」
あまりの金額にまだ目がチカチカする。あの金額を見てしまうと分不相応な感じがするけど、千颯くんはノリノリだし、これ以上なにか言って水を差すのも気が引ける。
だけど海外旅行ってやっぱり高いんだなと思ってしまう。ツアーのパックとかで安くなってるのを見かけることはあるけれど、あれは本当にイレギュラーなケースなんだろう。
「さて。チケットは取れたけど、旅行の準備に必要なものがあるよね」
「そうだね。スーツケースも、持ってるやつじゃ小さいだろうし」
「車出すから、週末に見に行く?」
「そうしてもらえると助かる」
「じゃあそれで決まり。随分遅くなっちゃったね」
千颯くんが時計を見て驚いた顔をする。そろそろ日にちを跨ぎそうだ。
「そうだね。そろそろ寝ようか。コップ貸して。洗ってくる」
「ありがとう。ごめんね」
「いいよ」
お茶を飲んでいたコップを片付けると、部屋の電気を消してテレビだけの明かりになる。
「いつもテレビのタイマーセットして寝るんだけど、うるさかったり明かりが邪魔なら消すよ?」
「いや、いつも通りにして構わないよ」
「じゃあおやすみ」
「うん。おやすみ」
リモコンでタイマーをセットして、三十分後にはテレビが消えるようにする。
千颯くんがいるからいつもみたいにすぐ寝付けるかどうか分からないけど、そろそろ眠気であくびも出てきた。
千颯くんが布団に寝転んだのを確認してベッドに潜り込み、掛け布団をしっかり被る。
自分の部屋に誰かの気配があるのは久々で、なんだか落ち着かない気もしたけれど、気が付いたらぐっすり眠ってしまった。
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