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25.夏休み①
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茹だるような暑さが続く八月。
夏季休暇は早めに希望を出して、前後の週末を合わせて九連休の休みを確保した。
千颯くんも同じ時期に休みが確保出来たので、夏休み中に旅行に行くことになっている。
「結婚式もあるのに、こんなに散財してていいのかな」
出発を翌日に控えた金曜の夜。荷造りしたバッグを確認しながら、ついつい難しい顔をなってしまう。
千颯くんは海外に行こうと言ったけれど、なんとかそれを制して行き先を国内に留めた。
楽しい思い出が増えるのは結構なことだけれど、千颯くんは少し財布の紐が緩すぎる気がして、私がしっかりしなければと思ってしまう。
今回の旅行の目的は日光の花火大会で、それを見てからまた移動して、千葉で海水浴を楽しむ予定だ。
連休の後半は家でダラダラしたいと願い出た私の意見が採用されたので、のんびりできればいいなと思っている。
忘れ物がないことを確認して、一息つこうとお茶を入れたところで、テーブルに置いていたスマホが着信で震えた。千颯くんからの電話だ。
「はい、もしもし」
『今大丈夫?』
「うん。どうかしたの」
『明日雨かもしれないから、今日から泊まりに行っとこうかと思って』
「そうなの?」
『向こうの天気は大丈夫そうだけど、こっちは朝から降るっぽい』
千颯くんに言われてスピーカーに切り替えると、天気アプリを開いてみる。確かに明け方から雨になるみたいだ。
「花火大会大丈夫かな」
『せっかく浴衣買ったし、雨になったら悲しいね』
「ね。悲しいね」
喋りながら日光の天気を調べてみると、どうやら雨は大丈夫みたいだ。
『迎えに行く時間の短縮って訳でもないけど、今から行ってもいいかな』
「別にいいよ。荷物積み忘れないでね」
『あはは。確かに。じゃあ今から行くね』
「はいはーい」
電話を切ってから、明日の飲み物を頼めばよかったと気付いた。都内を出たらお天気もマシにはなるんだろうけれど、途中で気軽に立ち寄れる雰囲気じゃない。
千颯くんにメッセージを送り、明日の飲み物を買ってきて欲しいと伝えるとすぐに了解しましたと返事が来た。
時計を見ると二十二時。私は食事もお風呂も済ませてしまったけれど、千颯くんはどうなんだろうか。さすがになにも食べてないことはないだろうけど、お風呂には入るかもしれない。
「一緒に住んでたら、こういう時楽だよね……」
結婚を機に同居することにはなっているけれど、その時期はまだ決めていない。早いうちに決めてしまった方がなにかと便利になるなと実感しつつ、部屋をサッと片付けてコロコロをかけた。
千颯くんがお風呂に入るなら、洗濯機を回すのはもう少し待った方がいい。
一息ついて座椅子に座ってテレビをつけると、美顔ローラーで顔をコロコロしながら時間を潰す。電話がかかってきてから三十分くらい経っただろうか、インターホンが鳴って、モニターに千颯くんの姿が映った。
「開けまーす」
『ありがとう』
短いやり取りを済ませ、玄関周りをフロアモップで掃除していると、ドアチャイムがなって千颯くんが部屋にやってきた。
「いらっしゃい」
「急にごめんね」
「いいよ。あ、鍵閉めてね」
「はいはい」
「お風呂入る? 入らないなら洗濯機回しちゃうけど」
「ああ、ごめん。入ったからもう大丈夫」
「分かった」
洗面所に移動して洗濯機をセットすると、部屋に向かった千颯くんは涼しそうにエアコンの前で立ち尽くしている。
「そんなに暑かった?」
「雨が降るからかな。蒸し暑いんだよね」
千颯くんが買ってきてくれたお茶を受け取ると、ビニール袋の中にアイスやお菓子が入っている。
「あ、それ。アイスは一緒に食べようと思って。お菓子はついでに買ってきた」
「ありがとう。お菓子って、なんか遠足みたいだね」
夏季休暇は早めに希望を出して、前後の週末を合わせて九連休の休みを確保した。
千颯くんも同じ時期に休みが確保出来たので、夏休み中に旅行に行くことになっている。
「結婚式もあるのに、こんなに散財してていいのかな」
出発を翌日に控えた金曜の夜。荷造りしたバッグを確認しながら、ついつい難しい顔をなってしまう。
千颯くんは海外に行こうと言ったけれど、なんとかそれを制して行き先を国内に留めた。
楽しい思い出が増えるのは結構なことだけれど、千颯くんは少し財布の紐が緩すぎる気がして、私がしっかりしなければと思ってしまう。
今回の旅行の目的は日光の花火大会で、それを見てからまた移動して、千葉で海水浴を楽しむ予定だ。
連休の後半は家でダラダラしたいと願い出た私の意見が採用されたので、のんびりできればいいなと思っている。
忘れ物がないことを確認して、一息つこうとお茶を入れたところで、テーブルに置いていたスマホが着信で震えた。千颯くんからの電話だ。
「はい、もしもし」
『今大丈夫?』
「うん。どうかしたの」
『明日雨かもしれないから、今日から泊まりに行っとこうかと思って』
「そうなの?」
『向こうの天気は大丈夫そうだけど、こっちは朝から降るっぽい』
千颯くんに言われてスピーカーに切り替えると、天気アプリを開いてみる。確かに明け方から雨になるみたいだ。
「花火大会大丈夫かな」
『せっかく浴衣買ったし、雨になったら悲しいね』
「ね。悲しいね」
喋りながら日光の天気を調べてみると、どうやら雨は大丈夫みたいだ。
『迎えに行く時間の短縮って訳でもないけど、今から行ってもいいかな』
「別にいいよ。荷物積み忘れないでね」
『あはは。確かに。じゃあ今から行くね』
「はいはーい」
電話を切ってから、明日の飲み物を頼めばよかったと気付いた。都内を出たらお天気もマシにはなるんだろうけれど、途中で気軽に立ち寄れる雰囲気じゃない。
千颯くんにメッセージを送り、明日の飲み物を買ってきて欲しいと伝えるとすぐに了解しましたと返事が来た。
時計を見ると二十二時。私は食事もお風呂も済ませてしまったけれど、千颯くんはどうなんだろうか。さすがになにも食べてないことはないだろうけど、お風呂には入るかもしれない。
「一緒に住んでたら、こういう時楽だよね……」
結婚を機に同居することにはなっているけれど、その時期はまだ決めていない。早いうちに決めてしまった方がなにかと便利になるなと実感しつつ、部屋をサッと片付けてコロコロをかけた。
千颯くんがお風呂に入るなら、洗濯機を回すのはもう少し待った方がいい。
一息ついて座椅子に座ってテレビをつけると、美顔ローラーで顔をコロコロしながら時間を潰す。電話がかかってきてから三十分くらい経っただろうか、インターホンが鳴って、モニターに千颯くんの姿が映った。
「開けまーす」
『ありがとう』
短いやり取りを済ませ、玄関周りをフロアモップで掃除していると、ドアチャイムがなって千颯くんが部屋にやってきた。
「いらっしゃい」
「急にごめんね」
「いいよ。あ、鍵閉めてね」
「はいはい」
「お風呂入る? 入らないなら洗濯機回しちゃうけど」
「ああ、ごめん。入ったからもう大丈夫」
「分かった」
洗面所に移動して洗濯機をセットすると、部屋に向かった千颯くんは涼しそうにエアコンの前で立ち尽くしている。
「そんなに暑かった?」
「雨が降るからかな。蒸し暑いんだよね」
千颯くんが買ってきてくれたお茶を受け取ると、ビニール袋の中にアイスやお菓子が入っている。
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