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27.疑念②
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今も千颯くんからの連絡だろう、着信がある度にスマホが震える。昼の出来事がショックすぎて上手く頭が回らない。
放置しても鳴り止まないスマホを手に取ると、アプリを開いて千颯くんからのメッセージを読む。
昼間は急にどうしたのかとか、幼馴染みなんてなんの冗談だったのかと、ふざけた様子で書いてきているけれど、困惑しているのが伝わって来る。
このままでは家にまで押しかけて来かねないと思い、何度目か分からない着信を通話に切り替えると、聞き慣れた声がスピーカー越しに心配したと私の名前を呼ぶ。
『具合でも悪いのか?』
「ううん」
『昼間会った時から様子が変だったけど』
「ちぃちゃん」
『ん?』
「あの人、本当に同級生なの」
『マコ? 本当だよ』
平気で彼女の名前を呼ぶ。それが悲しくて仕方ない。
「腕、組んでたよね」
『ああ……アイツの悪い癖なんだよ。ボディタッチが多くてさ』
「そんなに仲良いんだ?」
『まあね。アイツも俺も悪目立ちしてたから。マコがどうかした? アイツも気にしてたよ』
なんでもないことみたいに答えられたら、醜い嫉妬とバカにされているみたいでなにも言えなくなる。
「……ちぃちゃん」
『ん? どした』
「ちょっと距離置かない?」
『は?』
「私、ちぃちゃんのこと分からなくなった」
『ちょっと待って。もしかしてマコのこと? 違う違う。アイツはそんなんじゃないから』
「違うってなにが違うの⁉︎」
思わず声を荒げてしまう。
白昼堂々腕を組んで歩くなんて、婚約者の私がいるのに、そんなことを当たり前にする人だとは思わなかった。裏切られたようで胸が痛い。
『マコは違うって。でもごめん、クライアントだしプライベートなことは言えないから、どう説明していいか……』
「私には言えないってこと?」
『いや、んー……ごめん。仕事も絡んでるし、なによりアイツのプライバシーの問題だから』
答えの歯切れが悪い。恋人みたいに腕を組んで良い理由があるとでも言うんだろうか。
「分かった。私にどう思われても説明はしないってことだね」
『いや、ちょっと待って。本当にマコはそういうんじゃないから』
「ごめん、ちぃちゃん。私には無理。本当にちょっと距離置かせて」
『スズ……、マコに確認したらすぐ説明するから』
「マコ、マコってうるさいよ。もう聞きたくない!」
そう吐き捨てて通話を切った。もちろん情けないことに涙も出て来た。
すぐにでも千颯くんが家に来る気がして居ても立っても居られなくなり、スマホをバッグに放り込むと、逃げ出すように家を出た。
電車に飛び乗って向かった先は実家だ。こんな時に頼れる友だちがいない訳じゃないけれど、婚約者と喧嘩したなんて言えるはずがない。
駅に迎えに来てくれたのは義姉の暁美ちゃんで、兄は子どもたちとお風呂に入っているという。
「急にごめんね」
「別に良いよ。でもその顔はなにかあったね?」
「……喧嘩しちゃって」
「婚約者の彼と?」
「女の人と楽しげに腕組んでるところ見ちゃったの」
「あらら。彼相当なイケメンだもんね。かなりモテそうだけど、涼葉ちゃんにゾッコンに見えたけどな」
「気のせいだよ」
「そうかしら」
義姉はそう呟くと、洟水が出てるとティッシュを掴んで私に手渡して来た。
「うちに来る? それともお義母さんの方がいい?」
放置しても鳴り止まないスマホを手に取ると、アプリを開いて千颯くんからのメッセージを読む。
昼間は急にどうしたのかとか、幼馴染みなんてなんの冗談だったのかと、ふざけた様子で書いてきているけれど、困惑しているのが伝わって来る。
このままでは家にまで押しかけて来かねないと思い、何度目か分からない着信を通話に切り替えると、聞き慣れた声がスピーカー越しに心配したと私の名前を呼ぶ。
『具合でも悪いのか?』
「ううん」
『昼間会った時から様子が変だったけど』
「ちぃちゃん」
『ん?』
「あの人、本当に同級生なの」
『マコ? 本当だよ』
平気で彼女の名前を呼ぶ。それが悲しくて仕方ない。
「腕、組んでたよね」
『ああ……アイツの悪い癖なんだよ。ボディタッチが多くてさ』
「そんなに仲良いんだ?」
『まあね。アイツも俺も悪目立ちしてたから。マコがどうかした? アイツも気にしてたよ』
なんでもないことみたいに答えられたら、醜い嫉妬とバカにされているみたいでなにも言えなくなる。
「……ちぃちゃん」
『ん? どした』
「ちょっと距離置かない?」
『は?』
「私、ちぃちゃんのこと分からなくなった」
『ちょっと待って。もしかしてマコのこと? 違う違う。アイツはそんなんじゃないから』
「違うってなにが違うの⁉︎」
思わず声を荒げてしまう。
白昼堂々腕を組んで歩くなんて、婚約者の私がいるのに、そんなことを当たり前にする人だとは思わなかった。裏切られたようで胸が痛い。
『マコは違うって。でもごめん、クライアントだしプライベートなことは言えないから、どう説明していいか……』
「私には言えないってこと?」
『いや、んー……ごめん。仕事も絡んでるし、なによりアイツのプライバシーの問題だから』
答えの歯切れが悪い。恋人みたいに腕を組んで良い理由があるとでも言うんだろうか。
「分かった。私にどう思われても説明はしないってことだね」
『いや、ちょっと待って。本当にマコはそういうんじゃないから』
「ごめん、ちぃちゃん。私には無理。本当にちょっと距離置かせて」
『スズ……、マコに確認したらすぐ説明するから』
「マコ、マコってうるさいよ。もう聞きたくない!」
そう吐き捨てて通話を切った。もちろん情けないことに涙も出て来た。
すぐにでも千颯くんが家に来る気がして居ても立っても居られなくなり、スマホをバッグに放り込むと、逃げ出すように家を出た。
電車に飛び乗って向かった先は実家だ。こんな時に頼れる友だちがいない訳じゃないけれど、婚約者と喧嘩したなんて言えるはずがない。
駅に迎えに来てくれたのは義姉の暁美ちゃんで、兄は子どもたちとお風呂に入っているという。
「急にごめんね」
「別に良いよ。でもその顔はなにかあったね?」
「……喧嘩しちゃって」
「婚約者の彼と?」
「女の人と楽しげに腕組んでるところ見ちゃったの」
「あらら。彼相当なイケメンだもんね。かなりモテそうだけど、涼葉ちゃんにゾッコンに見えたけどな」
「気のせいだよ」
「そうかしら」
義姉はそう呟くと、洟水が出てるとティッシュを掴んで私に手渡して来た。
「うちに来る? それともお義母さんの方がいい?」
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