チート御曹司と再会したら、初恋以上に全力で溺愛されてしまって困ってます

濘-NEI-

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11-①

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 しばらく走って到着した住宅街にある三階建ての建物は、辺りの家屋とは違って、随分とオシャレな雰囲気で新しい感じがする。
 一階部分は一面ガレージの広々したスペースに、車を整備するための作業場まであって、シートがかけられた車が他にも一台停まってる。
「気になるか」
「え?」
「それ、あのマスタングだよ」
「そうなんですか」
「まあでも、今は弄れる格好してないからまた今度な」
「はい」
 都心の一画にこんな変わった建物が存在することに興味をそそられ、辺りをキョロキョロ見回していると、浦野さんに早く来いと手招きされて我に返った。
 ガレージの奥に進むと、アンティークデザインの手動ドアのエレベーターがあって、その造りにワクワクしてしまう。
「その顔」
「え?」
「華なら喜ぶと思ったよ」
 浦野さんは苦笑しながら私の頬を指で突くと、手動ドアを閉めてエレベーターを動かした。
 二階に上がると、ワンフロア打ち抜きの広々とした空間に、ブラックスチールとアンティークウッドの組み合わせの家具がいくつかと、未開封の段ボールがアンバランスに積まれている。
 そして視界の右端に、三階に繋がるオシャレなデザインのオープン型の階段が見えた。
「なんだか、日本じゃないみたいです」
「知り合いに頼んで、一から造ってもらったからな」
「造ったって、わざわざ建てたんですか」
「ああ。日本に戻るのは分かってたから、部屋を探すのも面倒だったし、この家を建てたんだよ」
 想像しなかった規格外の発言に言葉を失うと、ソファーに座ってろと、ようやく繋がれていた手が離れた。
「華も飲むか」
「あ、はい」
 キッチンの対面はバーカウンターになっていて、浦野さんはそこで買ってきたウイスキーをジンジャーエールで割り、バーボンバックを作ってソファーまで戻ってきた。
「ほら、乾杯」
「ありがとうございます。乾杯」
 グラスを合わせて苦笑すると、強めの炭酸が喉の奥でピリピリ弾けた。
「華が二十歳になったら、初めての酒を一緒に飲もうって約束したよな」
「そういえばそうでしたね」
「昨夜も普通に飲んでたし、最初の酒は誰と飲んだんだ」
「誰とってことはないですね。最初に飲んだのは家で、缶ビールとか缶チューハイだったと思います。外で飲んだのは会社に入ってから、同期会とか上司と一緒にですね」
「そのどの場面にも、俺が華の一番そばにいたかったんだけどな」
「それは」
「俺が女作ったと思ったから、あんなこと言ったんだろ」
「表現はまあ置いておいて、ショックが大きかったのは認めます」
「だけどそれは華の勘違いで、俺は浦野に取り入るために動いてる最中だった。まあ、華に黙ってた俺が悪いんだけど、話せない理由があったんだ」
(取り入る?)
 妙な表現だと思いながらも、気になっていることを質問してみることにした。
「どうしてウラノに?」
「ガキだったからな。たまたま親戚に伝手があって、俺はあの時から華と結婚したかったから、町工場の整備士よりいい仕事を探してたんだよ」
「そんな理由で」
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